内臓の各臓器には、機械受容器・化学受容器・温度受容器・侵害受容器が分布している。皮膚・関節・筋肉を支配する体性神経(運動神経・感覚神経)と同様に、内臓を支配する自律神経には多数の求心性神経線維が含まれている。内臓の求心性からの情報は、体性神経(感覚神経)求心性からの情報と異なり、通常ほとんど意識にのぼらない、無意識下での自律神経の反射性調節に関与が殆んどである。内臓受容器からの情報は、ある特別な状況でのみに意識にのぼる。そのため体表で起こる外傷と違い分かりずらい。胃が痛むと言っても本当に胃が痛いのか局在性が解りずらい。脾臓・膵臓が痛むともあまり聞かない。
内臓臓器は切断や圧迫を受けても痛みを感じない。内臓痛を起こす刺激がある。①腹腔臓器(胃腸管、胆管、尿管)などの拡張や強い収縮②実質臓器(肝臓、腎臓、脾臓)の腫れによる被膜の伸展③腹膜・腸間膜の牽引④腹部臓器・腹膜の炎症(ブラジキニン・ヒスタミン・プロスタグランジンなどの発痛物質の関与)⑤血管障害(血管障害が生ずると、虚血による組織代謝産物が神経末端を刺激して痛む⑥悪性腫瘍の求心性神経線維への浸潤など。
内臓痛の分類では、A)真性内臓痛、B)準内臓痛、C)関連痛などがある。A)真性内臓痛の特徴は局在性が明瞭ではなく・持続性・体動で軽快が多い・漠然とした上・下腹部の痛み。食道・胃腸などの管腔臓器の拡張や強い収縮で痛む。求心路が交感神経と一緒に伝えられるため痛みと共に自律神経症状(発汗・吐き気)を伴うことが多い。
B)準内臓痛の特徴は、皮膚と同じ体性感覚神経が分布するため局在性は明瞭・病変部に一致して強く痛む・体動や咳きで増強・炎症が壁側腹膜・腸間膜に波及したときに痛む。C)関連痛は内臓や胸膜・腹膜などに異常があると、特定の部位に痛みを感じることがある。痛覚の過敏が有無の場合に分けられる。内臓からの求心性神経と同一の脊髄分節に入力する感覚神経によって支配されている体表面に生じる特徴がある。心臓疾患で左肩や左腕、肝胆疾患で右肩に痛みなどである。
背中が凝っているから内臓が弱っている、リフレクソロジーや足つぼなどで圧痛があるから内臓が疲れている。内臓由来の肩こり・腰痛の頻度が高いのか、私にとっては見極めが難しくわからないことが多い。
群馬 伊勢崎市