他人に厳しく、自分にやさしく
本来なら「他人にやさしく、自分に厳しく」となるところ
なのですが、ついタイトルのようになりがちです。
私は以前、洋食の調理師をしていました。
もう30年以上も前のことなので、今とは単純に比較でき
ませんが、おおむねどの店の調理場も、今よりはとても
厳しい雰囲気であったと思われます。
仕事にきびしいのはもちろん、それ以外の人間関係
のきびしさが新人にはかなりつらいものでした。
どうでも良いような事で(私にはそう思われました)怒鳴
られたり、殴られたり。
ある巨人ファンの先輩など、巨人が負けるとこちら
に八つ当たり。
・・・(私がアンチ巨人なのはこのせいではありませんよ)
仕事本来のきびしさには我慢できても、それ以外の事
で職場を辞めていった人間はかなりいました。
そういう中で、一人の先輩がいました。
この先輩は仕事に関しては、非常にプロ意識の高い
仕事ぶりなのですが、他の多くの先輩方のように、必用
もないことで後輩にきつく当たったりすることが有りません。
当然のごとく我々下っ端の者たちからは、とても慕わ
れていました。
有る時、この先輩とお酒を飲む機会があり、つい「先輩
は、他の先輩方のように必要以外のことで、我々に
きつく当たったりしませんよね」などと、酒を飲んだ勢い
で聞いたことがあります。
そうすると、こんな答えが。
「他人に厳しくすると、それ以上に自分に厳しくしない
といけなくなるから、よけいなことでお前たちにきつく当
たることはしないようにしている」。
感動しました。
どうしても楽を求めるのが普通なのに、ここまで自分を
制御している人間がいることに。
そして、自分の先輩であることに。
この先輩は、後にフランスへ渡り、帰国してからは都内
の有名店のシェフになり、今は現場を離れて、故郷の
鹿児島で悠々自適で暮らしているとのことです。
「自分も、この先輩のようになりたい !」と思いながら
調理師生活をしてきましたが、なかなかできなかった
ような気がします。
どうしても、自分に甘く他人に厳しくなりがち。
あなたもそうなっていませんか?
自戒の意味も込めて、「他人にやさしく、自分にきびしく」
と、心のどこかに置いておきましょう。