食の原点 その2
前回は「デパートの大食堂」が、私の食の原点の一つだと書きまし
たが、私の食の原点の2つ目は、あの「聚楽のハンバーグ」につ
いてです。
といっても上野にあった、あの「聚楽」ではありません。
仙台で生まれ、八戸そして盛岡と移り住んだのですが、その後
に住んだのが山形県は山形市。
ちょうど当時の山形駅がリニューアルしたばかりで、その一角に
飲食街があり、そのなかに「聚楽」がはいっていました。
母親に連れられて「聚楽」に行ったのですが、もう3年生であった
ので、さすがに「お子様ランチ」と言う訳にもいかず、注文を何に
するか悩んでいたら「ここはハンバーグが美味しいらしいよ」と
いう母親の一言でハンバーグを注文することに。
そして待っている間に店内を見回すと、あちらこちらに「東京の味
聚楽」というキャッチコピーが。
「東京の味 ? 」
東北しか知らない小学3年生にとって、ものすごく好奇心を増長
させるキャッチコピーです。
で、運ばれてきたハンバーグを見てびっくり !
<ここからはテレビのビフォーアフター風に>
なんということでしょう ! ハンバーグが焼かれた鉄板の上
に置かれ、あろうことかその焼かれた鉄板の熱でソースが
ぐつぐつと音を立てているではありませんか。
<ここまで>
今ではなんてことのないハンバーグの提供の仕方ですが、当時の
私の目には、ものすごく斬新なものに映りました。
なにしろ一般家庭でハンバーグというのは、まだ普及していなかっ
た時代です。
イシイのチキンハンバーグでさえ、まだ出ていなかったはず。
そして食器とは瀬戸物か、木製のものという感覚しかない訳です。
そこにあつあつに焼かれた鉄板の上にハンバーグが乗せられて
出てきたのですから、びっくりしたのも無理はありません。
あまりにびっくりしたので、肝心の味については全く記憶が無いほど
です。
それでも「これが東京の味か !」と思いながら、その後何度も通っ
たわけですから、たぶん美味しかったのでしょう。
東京に出てきてから、あの上野の「聚楽」に行きましたが、さすが
にあの当時ほど感動しなかったのは当然と言えば当然でしょうね。