食の原点 その1
私、食べる事が大好きです。
もちろん、お酒も大好きですが、料理があってこその酒であります。
よく「食べ物をたべながら酒を飲むと、酒の味がぼやける ! 」
なんてことを言う御仁がいらっしゃいますが、私は料理があっての
お酒なんです。
ただ、いわゆるグルメではありません。
「この料理には、コルトンシャルルマーニュ○○年ものが合うな」
なんてことは、ほざきません。
かといって「B級グルメ」オンリーとも言えません。
ガード下の焼鳥屋で焼酎を飲むのも、イタリアンやフレンチそして
中華、エスニック料理の店で楽しむのもどちらも大好きです。
ようするに、なにかしら料理がないと嫌なんです。
そして自分なりの料理に対するこだわりもあります。
こんな食いしんぼの私が形成されていく中で、食に関して非常に
影響を受けた、あるいは感動したことがいくつかありますので、
御披露いたしましょう。
まず食に関して一番古い思い出は「デパートの大食堂」。
今、どこのデパートにいっても「大食堂」なんて存在しません。
どこかの有名店が軒を並べているのがほとんどですね。
しかし、昭和40年代あたりのデパートには「大食堂」が必ずありま
した。
子供たちは「お子様ランチ」を食べ、その横でおじいちゃんが「鉄火
巻き」をつまみに「熱燗」を飲んでいる、なんて光景が当たり前のよ
うにあったのです。
そして子供のときの私にとって、「屋上の遊園地」と並んで「デパート
の大食堂」は、まさに夢のような空間でした。
なにしろ、家では「いわしの塩焼き」とか「野菜の煮つけ」あたりが
定番だったそのころに「デパートの大食堂」に行けば「お子様ラン
チ」はもちろん「ハンバーグ」「ワンタン麺」「にぎり寿司」そして
「ソフトクリーム」まであるのですから。
そして、食堂の入口に置かれた、ガラスで覆われた、あの「メニュ
ーケース」。
頼むのは決まって「お子様ランチ」だったのに、ずっと眺めていた
あの「メニューケース」もあこがれの対象でした。
ずっと眺めていても、まったく飽きない。
そして、仲の良かった小学校の同級生の父親が、当時住んでいた
盛岡にあった「川徳デパート」のチーフコックでした。
その同級生と一緒に「大食堂」に行くと、そのチーフコックである彼
のお父さんが席まで出てきて挨拶してくれるのですが、そのコック
服姿が非常にかっこよく、そしてまぶしく感じられたものでした。
私は、後に洋食のコックとなるわけですが、この同級生のお父さん
の影響も多少は有ったのかも知れませんね。