画・ジョゼフィーヌ・クラークス
 
 
akaráː
アカリヤ( 輝ける者 )は月の人。
アカリヤザガマとして、宮古島で知られている。
 
 
昔々、
美しい宮古に始めて人間が住む様になった時のこと。
お月様お天道様が真上に輝いていて、
美しい心の持主であったから、
幾世変らじ人間の生れつきの美しさを守り、
長命の薬を与えようとお思いになって節祭の新夜(arajuː)に、
この大地へ、
下の島へ、
アカリヤザガマを御使としてお遣しになったそうな。
アカリヤザガマが何を持って降りて来たかというと、
2つの桶を重そうに担いで来た。

そして、その1つには変若水、

もう1つの方には死水を入れて来た。

お月様お天道様のお言附けには

「人間に変若水を浴せて、世が幾度変っても、いつも生き替る事と長命をもたせよ。蛇には——肝心きもごころをもっているものじゃないから——死水を浴せよ」

という事であった。

けれども天から長い旅をして降りて来たアカリヤザガマが非常に疲れ、

くたびれて脚脛を休ませようと思って担いで来たその桶を、

道に下ろし路端で小便をしていたところ、

その隙にどこからともなく1匹の大蛇が現われて来て、

なんという事か、

見れば人間に浴びせる変若水をジャブジャブ浴びてしまっていたのである。

アカリヤザガマの驚きはたとえ様もなかった。

「これはどうしよう!

まさか蛇の浴び残りの水を人間に浴せるというわけには行かないし、

どうしたらいいのだろう!

こうなったら仕方がないから、

死水でも人間に浴せる事にしようか」

と思って、

泣き泣き死水を人間に浴びせたという。

アカリヤザガマが非常に心配しながら天へ昇り、

委細の事を申上げると、

お天道様は大変お怒りになって、

「長命や生れ替の美しさを守ろうと思っていたが、

お前のために破られ、

みんなわたしの心尽しが無駄になってしまった。

お前の人間に対する罪はいくら払っても払い切れない程のものであるから、

人間のある限り、

宮古の青々としている限り、

その桶を担いで永久に立っておれ」

といって体刑をお加えになった。

それがためアカリヤザガマが今もなお、

お月様の中にいて、

桶を担いで立ちはだかって罰せられている。

人間はなんという馬鹿者だろう! 

もし蛇の様に気早いものであったなら、

変若水を浴びて生れ替えて、

いつもいつも長命でいられた筈なのに!

死水を浴びてしまったから死んでゆかねばならぬ様になったのだ。

それに引返えて、

蛇はその時から今まで終始脱皮し、生れ替えて長生しているのだ。

 
 
月にあるとされる若返りの水──変若水( おちみず )と、
死をもたらす水──死水( しにみず )をめぐる神話は特に沖縄で見られる。
誤って蛇が変若水を浴びてしまい、
蛇は不死になったが人間はそうならなかった、という物語である。
 
 
 
 
変若水と死水。
この話は聖書の中にも似たようなものがある。

知恵の木の実を食べると善悪を知り、

神のようになれるが、

その結果、エデンの園を追放され、死すべき存在となる。

生命の木の実:を食べると永遠の命を得る。

神はアダムとイブがこれを食べないように、エデンの園から追放した。

 

 

知恵の木の実を食べたアダムとイブは「死すべき存在」となった。

まるで死水を浴びた人間のように。

一方、生命の木の実を食べると永遠の命を得る。

これはまるで変若水のようだ。

知恵の木の実 → 死水

生命の木の実 → 変若水

宮古島の神話では、変若水を浴びたのは蛇である。

蛇は変若水のおかげで不死になった。

では、聖書で「蛇」はどうなった?

蛇はイブをそそのかした。

「知恵の木の実を食べても死ぬことはない。

その実を食べると、神と同じ善と悪の区別がわかるようになる」

知恵の木の実を食べても死ぬことはない。

だが、それは嘘だった。

知恵の木の実を食べてアダムとイブは「死すべき存在」になってしまった。

 

 

蛇は変若水を浴び、不死となった。

不死に──

聖書には書いていないが、

蛇は【 生命の木の実 】を食べて不死になったのだろうか?

 

 

 

 

生命の木。

天地が逆転していて、

天に根を広げ、

地に枝を伸ばしている。
これは宇宙を支配する法則を描いたものであり、

人が神の元へ至るための手法と過程を表したものとされる。

 

 

人間は【 逆さまの生命の木 】を昇って、神の元へと至る?

逆さまの生命の木を……

逆さま……

腑に落ちん!

 

 

蛇は変若水を浴びて不死になったのに、

聖書では神に呪われ、地を這いずり回る存在に変えられた。

聖書では「蛇が生命の木の実を食べて不死になった」とは書かれていない。

故意に隠したのか。

そこを?

 

 

もし、宮古島の神話が正しいなら……

不死の秘密は「変若水を浴びて不死になった蛇」にある。

聖書は意図的にそこを隠し、蛇を悪魔の象徴とした。

誰も蛇( 不死の秘密 )に近づかないように……

 

 

 

 

逆さまの生命の木に架けられた蛇。

十字架に架けられたキリスト。

同じだ。

蛇はキリスト。

 

 

不死

変若水

生命の木

蛇とキリスト( 同一 )

まだまだ【 不死の秘密 】を独り占めにしたい輩がいるらしい。

 

 

 

 

"Christ compared himself to a serpent, 

and his hellish brother the Antichrist, is that old dragon himself."

キリストは自らを蛇に例え、

その地獄の兄弟である反キリストは古( いにしえ )の竜そのものである。