この動画、面白かった。
ゲストは三木大雲さん。
これは三木さんがとある居酒屋で聞いたお話である。
本編は14:45あたりから始まります。
以下、動画の中身を文章化しました。
きっちり正確にではありませんが、だいたいこんな感じです。
その日、居酒屋にいた三木さん。
ふと耳を澄ますと隣の席の会話が聞こえて来た。
「でんせつの木村さんです」
伝説の木村さん?
なんの伝説やろ。
聞いていると再び「でんせつの渡辺さんです」
と、紹介する声がした。
また伝説かいな。
会話を聞いているとどうやら「6人の伝説の人」が集まって食事をしているらしい。
あまりにも氣になるので、
「あのう、失礼ですが伝説と聞こえたので氣になってしまって」
と、三木さんは聞いたそうな。
するとその人たちは笑ってこう答えた。
「いやいやデンセツというのは電氣設備の略でして」
なるほど。
三木さんは納得して「すんませんでした」と席に戻ろうとした。
ところがその時、デンセツの人から声がかかった。
「ひょっとして三木大雲さんですか?」
「あ。そうですが」
「ちょうど良かった。三木さんに聞いてもらいたい話があるのです」
そこから彼らが体験した不思議な話を聞かされた。
彼らはとある山の頂上を削って平らにし、そこに国の施設を造ろうとしていた。
まず山に登って木にテープを貼っていく。
切っていい木は赤色のテープ。検討中は黄色のテープといった具合に。
頂上が平地になるとプレハブを建てる。
そこに「電設の6人」が寝泊まりしながら2ヶ月間、工事が終わるまで山のてっぺんで共同生活をするという暮らしが始まった。
ところがそのうち誰それの鼾( いびき )がうるさいとか些細なことでイライラするようになり、だんだんと6人の仲が悪くなっていった。
それを見かねた渡辺さんが、
「皆さん。今日は山を降りて居酒屋にでも行きましょう。
そこで言いたいことはお互いにちゃんと言って。ちゃんと話しましょう。
で、ちゃんとしたモノを食べて、お風呂にも行って湯船に浸かって」
と、提案した。
他の5人がそれに賛同して、みんなで車に乗り、山を降りた。
山の上ではシャワーしかなく、ようやくまともに風呂にも入って、居酒屋で飲み食いをして話しているうちに何となく6人は仲良くなっていった。
時間も遅くなり、そろそろお開きにしましょうか、という時になって、
1人の客が居酒屋に入って来た。
それは渡辺さんの知人で、久しぶりに会った渡辺さんは大喜び。
「なんや、懐かしいなぁ。ちょうど会いたかったんや」
再会を喜んでいると他の5人が驚いて、
「こいつ、俺の知り合いだよ」
「俺も」「俺も」
と、不思議なことに6人全員が「彼」を知り合いだと言い出したのだ。
「こんな偶然あるかね」
「不思議なことってあるもんだね」
そうこうしているうちにその男は「俺、腹が減って減って」と言い出し、
「ああ。何か食べなよ」
ということになった。
男は「それなら」と注文をした。
「チャーハン4つ、餃子6つ」
「え!?そんなに!?」
「俺たちはもう食べたけど」
6人が驚いて言うと「ああ大丈夫。凄く腹が減っているから食えるよ」
と、男が言う。
そして運ばれて来たチャーハン4人分と餃子6皿をペロリと平げた。
「いやぁ、よく食うねぇ」
みんな驚いていたが、男はスッと立ち上がると、
「じゃあ、ごちそうさん。今日はみんなに会えて良かったわ」
と店を出て行く。
あ!?
と思い、追いかけてお金を払ってもらおうかと思ったが、
すでに6人は酔っ払っていて「まぁいいか」と言うことになった。
が、帰り道。
木村さんがこう言い出した。
「さっきの男。名前、思い出せんのやけど」
他のみんなに聞いても「あれ?あいつの名前、何だっけ」ということになり、
「あいつ、痩せていて坊主頭で、眼鏡かけてて」
と誰かが言うと、
「髪は肩につくくらいあったやろ」
と誰かが否定し、
「痩せてなかったわ。こうふくよかで」
と誰かが言う。
不思議なことに6人とも「あの男」の印象がバラバラだった。
そのうち、
「怖いこと言うのやめて。幽霊とか洒落にならん」
と、男の話をするのをやめてしまった。
その夜、プレハブに帰り、眠ろうとしていたら大雨が降って来た。
角部屋にいた渡辺さんは眠れず、とうとう起き出した。
彼は窓の外をライトで照らしてあることに氣づいた。
遠く方にポツポツと灯りが見える。
電設の人間なので灯りを見ただけで何の灯りがわかるはずなのだが、
「何だ?あの光は」
どうにも特定が出来ない。
氣になった渡辺さんはカッパを着て、ライトを手に持ち、山の中へと向かった。
少しずつ灯りの方へと近づいて行く。
かなり近づいて、それが松明( たいまつ )を手にした一行だということがわかった。
さらに近づくと先頭の男が「居酒屋で再会した男」だとわかった。
渡辺さんは男に声をかけた。
ところが、である。
男は不自然な感じでこちらを振り返り、何も言わずにじっとしている。
おかしいなと思い、ライトで男の後ろにいる人たちの顔を照らした。
すると──
全員が同じ顔。
先頭の男とまったく同じ顔をしていたのだ。
痩せていて坊主頭で眼鏡をかけて……
渡辺さんは恐ろしくなり、
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
と喚きながらプレハブに逃げ帰った。
( 中略 )
その後、三木さんのところに電設の人から、
「すぐにお札を作ってほしい」
と連絡があった。
「すぐには無理です」
と答えると「どうしてもすぐに必要なんです」と言う。
かなり焦っている様子で、すぐに会うことになった。
その時、電設の人が「住所の書いてある書類」を2枚持っていた。
チラリと見ると、
「これは国の施設の建設予定地なので絶対に見ないでください。Googleで調べるのもやめてくださいよ」
と言う。
訝しんだ三木さんは後日その住所を調べたという。
それが──
( 三木さんは場所の名前は伏せていますが )
群馬県富岡市妙義町諸戸の妙義山。
神奈川県伊勢原市と厚木市にまたがる日向山。
妙義山は2025年12月8日に、
日向山は2025年12月9日に、それぞれ山火事が発生している。
妙義山の山火事
日向山の山火事
電設の人たちが言うには、
「居酒屋で出会った男は山神ではないか?」
「渡辺さんが見た松明を手にした人たちも山神なのだろう」
とのこと。
彼らがいた山が工事に入る前、
山頂あたりにコンクリート出て来た祠があったという。
中には「山神」と書かれたお札があった。
このままでは良くないと上の人に報告したが、お祓いをしたり僧侶を呼んだりするには経費がかかるから「そのままやれ」と突っぱねられたという。
電設の6人のいる山が火事にならなかったのは、
もしかしたら居酒屋で出会った男にご飯を奢ったからなのかも知れない。
それが山神に対してのお供物になったのかも。
日向山と妙義山。
三木さんは名前を伏していたが、
この2つの山( もしくはその周辺 )には公共施設を建てる計画があったようである。
山神の許可も取らずに「建設予定地」にしていたのが良くなかったのかも知れない。
人間よ。驕るなかれ。
というお話でした。

