ああ……

先日【 霧島駅 】のことを書いたけれど、

今朝【 仙台まほろばの道 】さんのブログに銀山温泉の事が書いてあって、

それを見たらあれを思い出してしまった。

 

 

 

 

霧のむこうのふしぎな町 

作者 : 柏葉幸子 

絵 : 竹川功三郎

 

 

竹川さんの絵のやつは1976年出版なのね。

で、わたしが小学生の時に学校の図書室で読んだのはそれなの。

後から別の人がイラストを描いたやつが出ていたけれど全然違う。

竹川さんの絵がすごく良かった。

 

 

霧のむこうのふしぎな町。

あのお話を読んだ時、不思議な興奮があったな。

主人公の上杉リサは静岡に住んでる女の子で、

お父さんの紹介で夏休みに東北にある【 霧の谷 】へと向かう。

子供心に【 東北 】というのが新鮮で驚きだった。

なんか地続きでファンタジーの世界に入って行けるような感じがした。

しかもわたしはその頃、静岡に住んでいたから余計、感情移入したんだと思う。

リサのお父さんの説明では霧の谷は【 銀山村 】の辺りにある。

銀山……

これって山形県の銀山温泉がモデルかな?

ずっとあとでそう思った。

作者の柏葉さんは岩手県宮古市の生まれで花巻育ち。

宮沢賢治の世界だよね。

日本なのに東北が外国みたいに描かれてる。

と言うか、昔から不思議だった。

わたしが子供の頃の東北の人たちは、

なんて言うんだろ?顔は笑っているのに怖いというか……

一線を引いていて立ち入らせない、不思議な共同体感覚みたいなのがあった。

東北は神秘的と言うか、未知の世界のような感じがあったのだ。

だから【 霧のむこうのふしぎな町 】を読んだ時も嘘臭く思えなかった。

むしろ東北には隠れた共同体があって、

それは何処となく日本離れした外国のような所に違いないと、

子供のわたしは妄想を膨らませていた。

 

 

 

 

大人になって、

東北にまつわる不思議話を集めた【 遠野物語 】とか、

東北にもう1つの日本があったという【 東日流外三郡誌 】を読んで、

ますますわたしは「東北には何かある!」と妄想を抱くようになった。

宮沢賢治の描く【 イーハトーブ 】の不思議な世界観とか好きだった。

ちょっと怖くて神秘的で、精霊界と人間界の境のない世界。

荒覇吐とかオシラ様とかマヨイガとか。

 

 

 

 

霧のむこうのふしぎな町には、ピコット屋敷というのが出て来る。

上杉リサはそこに下宿することになるけれど、

【 千と千尋の神隠し 】の湯婆婆みたいなちょっと怖いお婆さんが家主で、

日本人ではないような人たちが平氣で登場する。

町並みも日本離れしていて、洒落たヨーロッパの建物みたいなやつが建ってる。

それがわたしの東北観にすごく影響を与えたような氣がするのだ。

もしかしたら本当に昔の東北は多人種国家で日本離れした文明があったのかも。

そんなふうに思えて来る。

 

 

 

 

事実、【 霧のむこうのふしぎな町 】は【 千と千尋の神隠し 】の原案なんだって。

おそらく宮崎駿さんもこの本を読んで「異世界は地続きで行ける」と思ったんだね。

何の変哲もない普通の日本から──

千と千尋の神隠しはトンネルを抜けたら異世界だったし、

霧のむこうのふしぎな町は霧を抜けたら日本離れした町だった。

都市伝説の【 杉沢村 】とか【 きさらぎ駅 】とか【 霧島駅 】もそうなんよ。

そこには目印になる鳥居とか岩とかがある場合もあるし、

時間帯とかタイミングがあって、入れる人は知らないうちに異世界へ入ってる。

虚構にしろ真実にしろ日本人がこういう都市伝説を好むのは……

かつての大和の血を少なからず受け継ぐ我々ハイブリッド日本人が、

朝廷が【 化外の地 】と認識していた東北に対して、

畏れと同一量の( ここ大事! )密かな憧れがあったからじゃないかな?

聖徳太子のいとこの蜂子皇子や、蘇我に滅ぼされた物部も、

何故か皆、東北へと逃れてる。

ただの化外の地なら皇族や神裔が【 そこ 】を目指して行くかね。

そこには何か語り得ないもう1つの日本の血脈があるのだろうなぁ。

 

 

仙台まほろばの道さん。

リブログさせて頂きありがとうございました。

貴方の綴る東北と秩父のディープな記事にはいつも魅了されております。

 

 

明日、日曜日はブログお休みします。

よろしくお願いします。