こんにちは侍ままんです。




ひと月ほど前の話になりますが、
年号が【令和】に改まった記念すべき日に、部活で多忙の長女さんを除く家族4人でウィーン少年合唱団の公演に行って参りました。



噂に名高い天使の歌声、ウィーン少年合唱団。
死ぬまでに一度は聴いておきたいと思っておりましたが、田舎に住んでいるときには、それが叶うだなんて夢にも思わなかったもの。ところが、東京に来たら案外簡単にその機会に恵まれたのです。
どうやら彼ら、私が知らなかっただけで結構な頻度で来日していたみたい。
やはり、こういう世界規模の芸術に触れようと思ったとき、その敷居の高さは東京と地方都市とでは比べ物になりませんよね。



地方にいる限りは、よほど自らのアンテナを伸ばす努力をしていなければ、こういうイベントがあることを「たまたま知る」ことって皆無に等しいものです。
それが東京にいればその辺をぼんやりと歩いている、ただそれだけで実に様々な告知を目にすることが出来ます。


さらには、そこで偶然に目にしたイベントたちはどれも、行こうと思えば数百円の交通費を払って、実に簡単に行けてしまうものばかり。
これが田舎に住んでいては、どんなに行きたいイベントでも、まず会場に行くまでに予算が尽きてしまう、というのが現実なのです。ショック



そんなわけで、ウィーンに行かずとも、ウィーン少年合唱団の歌声が聞ける「東京」という街は実に素晴らしいよね、などと都会暮らしに感動しながら子どもたちを連れて公演に行ってまいりました。




そこでの感想は、、、。
「エリート合唱団の実情は、意外なほどにフリースタイルだったよ!ポーン
これに尽きます。




というのも、私の中では世界に名高いウィーン少年合唱団たるもの、そこに所属する少年たちは【エリート中のエリート】に違いなくて、そういう方たちと言えば、決められた枠の中でギチギチにお作法を叩き込まれ、ウィーンの名に恥じぬ振る舞いをするように強制されているものだ、と勝手に信じておりました。だって国の名を背負った伝統あるウィーン少年合唱団ですもの。



そしたらね初っ端から、あまりにもフランクで、まるでコメディアンのような風貌のロン毛でハイテンションな先生に先導されて、少年たちは客席上段から歌いながらのご入場。
ステージ登壇後には、このハイテンション先生が、カタコトの日本語で「ミナサ〜ン、コンニチハ。レイワ、ガンネン、オメデトウ〜ゴザイマ〜ス。」とか言うわけよ。
え?
ウィーン少年合唱団てこんなに面白いの???滝汗
ド肝を抜かれたよね。



それで、とにかく先生は終始ハイテンションでかなりの暴走気味?(笑)なんだけど、少年たちはと言えば、ドヤ顔でめっちゃアピールしながら歌っている子もいれば、緊張しているのか?全くの無表情棒立ちみたいな子もかなりの人数おりました。



そこで思った侍ままん。
世界では、日本みたいに子どもたちに「同じ」であることを強要したりはしないのだ、と。



日本の合唱団ならば、まず拳が入るくらいに口を大きく開けろとか、目を見開けとか、足は肩幅に開いて目線はななめ上、とか絶対に形から入るじゃないですか?日本人たる者、音楽を専門に習っていない私のような人間でさえ、学校で必ず一度はそう言われて育っているはずです。
だから合唱団とは、そういうものに違いないと、私は勝手に思っていたのですよ。


そしたらね、ウィーン少年合唱団はそんなところは驚くほどにてんでバラバラでしたよね(笑)。


客席を背にピアノ伴奏をする先生を挟んで、その両側に観客の方を向いて少年たちが並んでいたのですが、もはや先生の方を見て歌うという決まりすらない。

客席を見て歌うも、先生を見て歌うも、隣の人を見て歌うも、床を見つめて歌うも、それは全くの自由。

ゆえに、みんな向いている方向はバラバラ。
そもそも指揮者がいないので、ピアノ伴奏を聞いて歌うのだから目線が統一されている必要はないのでしょうが、これが日本人的には実に衝撃的な光景でしたね。



テキトーだなあ滝汗



でも歌声は間違いなく美しかったし、音楽的にはみなエリートであることは間違いないはずなのです。
むしろ自由であるがゆえに、目立ちたい人は満面の表情で人より一歩前に出て歌うし、恥ずかしがり屋の人は申し訳なさそうに縮こまって歌う。そこには間違いなく個性が表れておりました。彼らの共通項はただ一つ「歌うこと」。それさえちゃんとやっていればそれ以外は人それぞれで構わないのです。口の開け方が大きかろうが小さかろうが、そんなことはまるで関係がないようでした。


まさに「みんなちがってみんないい」そういう公演でした。


世界的には、これでいいんだね。
侍ままん、目からウロコがぼろんぼろん。



軍国主義の名残なんでしょうか?
日本人は「揃っていること」「統一されていること」に妙なこだわりを持っている気がしますよね。
【正】という漢字からも分かるように、整っていることが正しいこと、という認識が少なからず我々日本人の中には根付いているのです。



ところが、それは世界の常識ではなかった。



この21世紀の世において、そんなことすら知らなかった。そんな自分にただただ驚いてしまった私です。滝汗


井の中の蛙大海を知らず


やはり、興味があってもなくても色んな分野に触れるというのは、とても大切なことだなぁ、と実感しましたよね。



そんなわけで我々家族が、これから東京で学ばなければならないことは、実は思った以上に多いのかも知れません。



ありがとうウィーン少年合唱団!!おーっ!




ちなみに合唱団の少年たちは、ウィーンにある古いお城でハリーポッターの如く寮生活をしながら日々歌声に磨きをかけているんだとか。世界には色んな人たちがいたものだ!!(ちなみに日本人の団員もいるんですよ。)



みなさまも機会がございましたら「天使の歌声」お聴きになってみて下さいませ。キラキラ