私のママ友に、
蛍光ピンク黄色の水玉、その上から緑のボーダーを合わせて
ゴールドのラメバックを提げているような、底抜けに明るい方がいます。
いつも100M先から認識できる朗らかな雰囲気を身にまとい、
下ネタを垂れ流しにして、会話をするのに非常にテクニックを要する
切れ者でもあります。


この方に出会ったのは、長女が幼稚園に入園してから。
次女が生まれて間もない頃でした。
ママさんの中でもひときわ目立って、場の中心にいた彼女。
あまりにいい人で、私は内心

『こういう人は敵に回すと、途端に恐ろしい牙を出す
タイプの人間なんだろうな 
(゜д゜;)

と恐れておりました。
わたくしも、アレルギークイーン三女に出会う前ですから、
人格的に、まだまだ浅はかでしたねえ(^▽^;)



しかし観察するにつけ、
まったく化けの皮がはがれる様子がありません。
陰でものすごい悪口を言う、とか、よその子供を足蹴にしている(笑)
とか期待?していたダークサイドな感じは微塵もなさそうでした。


いよいよ、どうしたらあんなに朗らかな人格が
形成されるのだろうか、
とへそ曲がりのままんは
不思議に思ったわけです。
そこで、二人になったときにその『蛍光ピンク朗らかママ』に
聞いてみました。
『どんだけ朗らかな家庭で育ったの?』と。
そしたら答えは意外なものでした。

母親の記憶はない、
と言います。
自分を身ごもっているときに、お母さんには
がんが見つかったそうです。
子供をあきらめて、治療に専念しなさい、
と医者に言われたそうで。
しかし、3人の兄がいて(確か・・・)
ようやく授かった初めての女の子。
どうしても生みたい。
死んでも良いから生みたい。
そうやって生まれてきた、と。



その後治療の甲斐なく、
彼女が生まれて程なくして亡くなったそうです。
朗らかな彼女は母を知りません。


そして追い打ちをかけるように、高校生の時、
運転手をしていた父を交通事故で亡くしている、というのです。
その後親戚の協力もありなんとか育ってきた、と言っていました。
にわかには信じがたい話です。


彼女の性格を知ればこそ、本当に信じられません。


でも、なんか思います。
周りを明るく照らしてくれる人って、実は苦労人。
試練に耐えてきた人なのかもしれない、と。



お坊さんとかそうじゃないですか。
人々にありがたいお話を聞かせるために、
断食とか滝業とか座禅とかに耐えているんじゃないですかね。



私が近頃出会いました、西原理恵子さん、シスター渡辺。
彼女らもすごい。
西原さんは旦那がアル中で地獄だった、
というのは有名な話ですが。
幼少期も壮絶で、母親が再婚した継父は、
彼女が19歳の時に首つり自殺をしているそうです。

シスター渡辺も父親が政治抗争に巻き込まれて、9歳の時に
目の前で銃殺されています。


すげえ・・・
なんかすごい・・・・としか言いようがありません。

こんなのに比べたら、私の貧乏幼少期なんて
普通の中の普通でしかありません。


でも、彼女らちゃんとした人間、いや、
それ以上に崇高な人間に
なっていらっしゃる。




愛のあふれる、まともな家庭で育つのが、
そりゃ理想なのかも知れませんが・・・
そうじゃなくても育つヤツは育つ、むしろ強く育つ。


かえって、裕福で何不自由のない家庭で、
ちやほや育った人間に限って、人前でむっつり
不機嫌にしているのかも知れませんね。



福沢諭吉は言っています。
『人前で機嫌良く振る舞うことは
最低限のマナーである』

大人になると、本当にそう思いますね。
不機嫌な人間がいるだけで、その場は嫌な雰囲気になります。
ある種の『公害』である、とどこかに書いてありましたね。


人から尊敬されるような人間になりたかったら、
『朗らかであること』
絶対条件なのではないでしょうか。
日本人、意外と朗らかである、とか場を楽しませる、とか
軽んじている気がしますが、欧米の感覚で言えば面白くないヤツは馬鹿と同じなんですからね。能力がない、と見られます。


私の感性にビビッと来る人は、どん底を見ている人が多いようです。
私自身も、『妖怪人間長女』『アレルギークイーン三女』
を泣きながら育てているとき、
「これもいつかは
笑い話になるんだから」

言われましたね~~(-。-;)
当時は「うるせい!!そんな慰めいらんのじゃ~(iДi)」
と思いましたが、今現在見事に
『笑い話』に変身させましたね。



それはつまり、「笑い飛ばせるくらい自分が強くなった」
と言うことでもあるのではないでしょうか。
誰でもね・・・自分からは厄介ごとには飛び込んでいきませんから。
飛び込ませていただいたこと、ありがたく思わないといけないんでしょうかね。


飛んで火にいる夏の虫
燃え尽きなければムテキング



お後がよろしいようで。