飲食店の経営者に限りませんが、経営には政策的問題(経営のビジョン、目標、方針)と、経営戦略(競争、競合に勝ち抜くための基本方針)、経営戦術(経営の実現手段)のそれぞれを用いて、有利に経営を運営していくことになります。

しかし、飲食店に限らず、中小企業では、こうした政策的要素や戦略、戦術といった基本的方策を考えずに、がむしゃらに経営の成長と収益を求めていることが多いものです。

もし、この経営方策をしっかり理解できていたならば、どれだけ経営は成長するだろうか?

私は、多くの経営者、並びに経営関係者との出会いがありますが、飲食店経営者の多くは、戦略すらも明確にできない方が多いものです。

これでは、競争の激しいビジネス社会において、勝ち残ることはもちろん、生き残ることさえも危ぶまれます。経営をわかりやすく解説しますと、スポーツで例えることが一番だと思います。

マラソンという競技に置き換えてみましょう。マラソン競技は、42.195キロを走行してその順位を競うものですが、この距離の中で、政策と戦略、戦術に見てみますと、まず、自分が本当にマラソンランナーとして能力があるのか、自分が目指すものは本当に長距離ランナーなのか?、このビジョンを決定するのが政策です。

次に、競争に勝つために42.195キロをどのように走るのか?中間地点までを抑えて、35キロ地点からスパートするなど、が勝つための戦略です。

さらに、そのために、給水をどの地点で保水して、何キロを何分で走ることを心がけるなどが、戦術です。

私は、マラソン競技をするわけではありませんが、物事のすべては、こうして政策と戦略、戦術に置き換えて考えることができるのです。

特に、競い合うということでは、必然的に今れらのノウハウが必要になります。

もうすぐ、参議院選挙がありますが、政治においては、この政策と戦略、戦術を無視して、政治を行うことはできません。こうしたビジョンを持たない政治家たちが増えてきていることも事実ですが、これでは、世の中が混乱してくるのも当然です。

経営においても、こうした方針や方策を無にして成功を勝ち取ることなど難しいものです。
これを自分の思い込みと、これまでの経験や資金に頼ってばかりでは、いずれば経営破たんや経営危機を招くことは必然です。

飲食店の経営者の皆様は、もう一度、自分の経営を振り返ってみましょう。
この店(会社)を将来、どのような店(会社)にしていきたいのか?これを明確にしていきましょう。これが経営政策でもあります。

そうしますと、このような店(会社)にしていくには、同業者や競合店が見えてきます。
そこで、これらの店(会社)に勝てる要素を探り、その方針を決めていきます。たとえば、商品(メニュー)や広告宣伝法など。これが戦略になります。

さらに、これらの店(会社)が競争に勝つための武器として、どのようなノウハウがあるのか?
たとえば、接客サービスが群を抜いて素晴らしいとか、名物料理がある。店舗の空間が群を抜いて居心地が良いなど、直接お客様が実感できる高度な技術があるなど。これが戦略になります。

さあ、皆さんには理解していただけたでしょうか?
ただ、毎日を料理を作って自慢げに誇っていても、経営と言う視点から見れば、将来に不安を抱えていることは事実なのです。

私は、料理人から、外食企業経営、飲食店経営コンサルタントとして、これまでの人生を歩いてきましたが、これをきちんと実行している経営者のほとんどは、成功しています。

ぜひ、皆様の経営を振り返って、考えてみましょう。飲食店経営のノウハウは、商品力ばかりではないことを理解できることでしょう。