「笑ってコラえて!ローマ支局」2/22前編 | 長靴の国へ向かって!

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昆虫とイタリア、映画見聞録などですが、
最近は日々の出来事を気ままに綴ります。
yahooブログからの引っ越し組です。

今回はブラジル支局の後に回されての放送でした。
      【笑ってコラえて!ローマ支局2/22】前編

いつものように関根麻里さんが「ローマのコマツバーラ支局長。」と呼びかけてのスタートです。

小松ば~ら支局長「Buonaseraローマの小松バ~ラで~す。
本日私はローマのプラーティ地区にありますリソルジメント広場に来ています。」
所「広場なのねぇ。」
小松ば~ら支局長「この広場の隣にある壁の向こう側が世界最小の独立国ヴァチカン市国です。
この壁がイタリアとヴァチカンの国境ということです。本日はそんなヴァチカンに関する取材をしてみました。」
イメージ 1
 
<ローマ支局開設から早11ヶ月>
この日も現地支局員クラウディア、ヴァレンティーナ、ミケ―レさんが集まって、取材企画会議が行われました。
小松ば~ら支局長「なんかイケてる人っていない?」
ヴァレンティーナ「面白い事がありますよ。ノヴァラにいる靴職人を取材するのはどうですか?
ローマ法王やオバマ大統領の靴を作った人です。」
 
この時テレビ画面にはフェラガモのロゴが出たので、イメージ 2あっ!もしかして--、
フェラガモを取材してくれるのかと期待してしまいました。
サルバトーレ・フェラガモ好きなんです。
 
ナレタ―:イタリアと言えばブランドの宝庫。
それ故に何故一介の靴職人の個人に、
そんな事が可能だったのだろうか?
支局長はミラノ空港から車で40分、
イタリア北部のピエモンテ州ノヴァラに出向き、
早速メインストリートに面した、
そのイケてる靴職人がいる筈のお店を訪ねました。

小松ば~ら支局長「ボンジョルノ。
Siamo della TV giappnese.私達は日本のテレビ局です。」
アドリアーノ「はい、ようこそ。」
小松ば~ら支局長「こちらのお店にイケてる靴職人がいると
聞いて来たのですが…。」
アドリアーノ「Sono io.私です。」

どうやらこの人がイケてる靴職人・Adriano Stefanelliアドリアーノ・ステファネッリ(60歳)さんのようです。
 

アドリアーノ「(前ローマ法王)ヨハネ・パウロ2世や(現ローマ法王)ベネディクト16世、ブッシュ大統領やその他
たくさんの靴を作りました。」
小松ば~ら支局長「すごい職人さんなんですね。」

そうすると店に置いてある赤い靴を手にとって、
アドリアーノ「こちらのワインレッド色の靴が法王専用です。」

※ヤギの革で作られたローマ法王専用の革靴で、
伝統的に法王の色とされる赤で統一された気品ある逸品です。

アドリアーノ「シンプルな靴ほど作るのは難しく美しいのです。」
小松ば~ら支局長「この靴、ローマ法王とかに贈ったのに何故、その靴がここにあるんですか?」
アドリアーノ「記念に2足作るんです。」
小松ば~ら支局長「このお店でアドリアーノさんが作った靴を、売っている訳ですね。」
アドリアーノ「いいえ、私が作ったものではなくて仕入れた靴を売っています。靴を作るというのは趣味で、
著名な方の為に好んで作っただけです。」
 
 
※これだけの腕を持ちながらアドリアーノさんは、
自分で作った靴は売らず人の作った靴だけを売っているという。いったい何故なんだろう~。
1951年ノヴァラで父の靴職人・アントニオさんの元に生まれたアドリアーノさんは、
14歳の時に父親の元に弟子入りをしました。
靴職人が最初に学ぶことは靴の修理でした。
アドリアーノさんは来る日も来る日も靴の修理を重ね、自然と靴職人としての基礎を身に付けたようです。
 
 
アドリアーノ「18歳の頃でしょうか、初めて自分の靴を作ったんです。父が褒めてくれたから、
これで一人前だと思ったんだ。」
 
※父親に認められ、ようやく靴職人としての第一歩を踏み出したアドリアーノさんだったが、
1970年代に入ると世界的なオイルショックの影響により、イタリアの景気は低迷し消費が滞ってしまい、
高価なオーダーメイドの靴の需要は落ち込む一方だったそうです。

アドリアーノ「注文はごくわずかで、月に2足あるかないか。」
 
※1984年アドリアーノさんは、33歳の時にはとうとうお店「Stefanelli」はたちいかなくなり、
オーダーメイドの靴屋から仕入れた靴を売る、小売りの靴屋に転身せざるおえなかったのでした。
 
小松ば~ら支局長「靴職人を辞めなくちゃいけない時が来た時は、辛くはなかったですか?」
アドリアーノ「初めは呆然としていました。革の匂いや糊の匂い、職人時代の色々な物が恋しかったです。」
 
※アドリアーノさんは食べていく為、靴の販売に専念するしかなかったのですが、
その16年後の2000年49歳になった頃、アドリアーノさんはノヴァラで行われるカーニバルを見ていたそうです。
それを見ていた時に、
アドリアーノ「ビスコッティーノ王というキャラクターがいます。衣装は素敵なのに靴がひどかったんです。」
 
※ビスコッティーノ王とはノヴァラの名産品である菓子・ビスコッティーにちなんで作られた、
いわば街の観光大使なのです。
そんな街のシンボルに無様な靴は履かせられないとアドリアーノさんは、
服装に似合う靴を作りプレゼントしたそうです。
すると16年ぶりの手作りの靴は新聞に取り上げられる程の大好評を博したとのこと。
 
 
アドリアーノ「それで職人魂に火がついて、靴作りを再開したんです。」
 
そして2003年4月。
アドリアーノ「テレビを見ていたら法王の具合がとても悪かったのです。
それで自分に何か出来ないか考えてみたのです。その答えが靴を作って差し上げる事だったのです。」
 
イメージ 3※そして製作期間1ヶ月で仕上げた2種類の靴です。
ヴァチカン市国の紋章が入った黄色い室内履きと、
ヤギの革で作ったワインレッドの靴。
 
アドリアーノさんは、ヨハネ・パウロ2世に靴を届けたいと嘆願書を自ら作成し、
すると願いが届いたのか2004年1月ヨハネ・パウロ2世にえっけんし、
直接その靴を手渡す事が出来たのです。
 
oggetto:richiesta di invio di un dono al Santo Padre
       (法王へのプレゼント発送の要望)

それにしてもアドリアーノさんは法王の足のサイズをどうして知ることが出来たのか?
そこには職人ならではの長年の勘と驚くべき技があったのでした。
 
小松ば~ら支局長「どうやってローマ法王のピッタリのサイズの靴が作れたのですか?」
アドリアーノ「推測しただけです。テレビを見て第3者を測ったんです。同じような体型の人を、
法王の足のサイズはこのくらいだろうと、それこそ職人だから出来る技ですね。」
 
 
 
Il sommo Ponte fice ringrazia
 (ローマ法王は感謝している)
※匠の技が光るアドリアーノさんの靴に対して、ヴァチカンから感謝状が贈られ、
その後も年に2足づつローマ法王へ手作りの靴を届けるという名誉を授かりました。
2005年4月、法王ヨハネ・パウロ2世が84歳で逝去するとヴェネディクト16世が継承し、
この時もアドリアーノさんは、手作りの靴を献上したのだそうです。
イメージ 4
             ヨハネ・パウロ2世                                         ヴェネディクト16世                      ウィキより
 
ところが、
アドリアーノ「ヴェネディクト16世が法王に選出された時、イタリアをはじめ世界各紙は、
法王が履いている赤い靴はプラダのものだと報じました。」
L'annuncio del vaticano:
<Il Papa non veste prada>
するとヴァチカンの法王はプラダを履かないと、
この赤い靴はアドリアーノさんが作った靴だと名言しました。
Si sa che e' un artigiano novarese,Adriano Stefanelli,a reakizzare i mocassini rossi
(赤色の靴はノヴァラの職人アドリアーノ・ステファネッリが作ったものだ)
 
 
そしてヴェネディクト16世が2008年4月、アメリカ視察を行った歳は、
アドリアーノ「視察の際に赤い靴にも注目を浴びたんです。」
 
※その後、アドリアーノさんの元へアメリカ大使館から、
ブッシュ大統領の靴を作って欲しいとの依頼が寄せられ、アドリアーノさんは法王と同じタイプの革靴と
イニシャル入りビロード仕上げの室内用スリッパを贈りました。
 
するとホワイトハウスから感謝状が贈られて来たそうです。
額に入ったその感謝状を見た支局長は、「サインは本物ということなんだ。」
 
アドリアーノ「オバマ大統領の時に関しては面白い話があるんです。
ブッシュ大統領へ差し上げた靴のお礼がてら、『次の大統領の靴もお願い出来ませんか?』って、
『決まったらお作りしましょう』と答えたところ、『統計によれば次期大統領は100%オバマさんで決まりだ。』と、
サイズを渡されて驚きましたよ。選挙はこれからだというのに。」
 
テレビ画面には、その時オバマ大統領に贈った革靴が映されました。
他にもベルルスコーニ元イタリア首相の観賞用サッカーシューズ、またフェラーリ室内履きなど、
作りたい時に作りたい人へ真心込めて靴を作り送り届けますが、決して代金は貰わないという。
 
 
せっかくなのでアドリアーノさんに靴作りの技を見せてもらうことに。
先ずは型に革を被せ成型する作業をします。
革の貼り具合ひとつで見た目はもちろん、耐久性や履き心地も変わってしまうらしい。
木型に赤い革を貼っていきます――、
一見スイスイと作業をこなしているように見えるが、気にいらなければこの作業は何度でもやり直すそうです。
 
アドリアーノ「これどうですか?」と靴作りの工程半ばの革を貼っただけの靴を見せます。
「革に型を記憶させるんです。釘の下に糊を入れ固まるまで待ちます。固まったら釘を抜いて靴底を貼ります。
最後に中敷きを入れて完成です。」

一足仕上げるのにおよそ1ヶ月、靴作りを再開して12年今までに手がけた靴は僅か40足足らずののだそうだ。
 
 
アドリアーノ「あなたの足のサイズは26cmか26,25cmじゃないですか?」
支局長「sì sì.」
アドリアーノ「ほら当たったでしょう!」
 
そうすると一足の靴を取り出し、
アドリアーノ「これは法王と同じ靴の色違いなんです。サイズは26,25cmです。差し上げましょう!」
支局長「おぉ~!そんな大事なものは頂けないです。」
アドリアーノ「そう言わずに試して下さい。」
支局長「取り敢えず試すだけなら…」
アドリアーノ「日本でこの靴を履いて、私を思い出して下さい。 興奮しているかな?」
支局長「お~ピッタリ、かっこいい。本当にピッタリです。」
アドリアーノ「あなたは今世界中で一番幸せな男と言えるでしょうね。」
 
 
するとアドリアーノさんが、見せたいものがあるというのでついて行くことに――。

後編に続く
 
 
アドリアーノさんが靴のサイズを言った時に26.25cmと字幕に出たのですが、
「.25」点25っていう区切りだったのかなぁ?
それとも26-25サイズということなのかなぁ。
 
 
<日本とイタリアの靴のサイズ表記>
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