印刷ミスというのは、絶対に避けなければいけません。
お客様に多大な迷惑をかけますし、刷り直しとなれば損害は甚大です。

 

印刷物は2つとして同じものはないので、返品して修理してまた販売する、というわけにはいかないんです。

ミスした印刷物は使い物にならないから即ゴミです。環境にもすごく悪影響ですよね。

例えば商品パッケージが市場に出回ってからミス発覚、なんてことになると、その商品を市場から回収しなければいけません。

そうなると大変です。回収にかかる費用と時間だけじゃなく、クライアントから損害賠償請求をされることも考えられます。

 

このように、私達印刷会社の仕事は、ミスをしては絶対にいけない仕事。すごく神経を使う仕事です。

にも関わらず、ミスというのはなくなりません。

人間がする仕事なので、ミスが完全にゼロになることはないかもしれませんが、これが人命に関わる仕事なら、そんな事も言ってられませんよね。

 

ミスの原因ですが、突き詰めて探っていくと「確認が甘かった」「確認を怠った」などになります。

印刷物の確認とは、紙の上の文字や色、画像などになります。

複雑な機械を作っているわけではないし、精密機械の奥深いところをチェックするわけでもありません。

考えてみたら、すごく単純な確認作業なんですよね。

すべて紙の上に現れていますから。

 

文字の確認などは、専任の内校スタッフがやる場合もありますが、DTPオペレーターが済ます場合もあります。

作業しながらの確認作業は、ほんの数秒でできることも多いんです。

でも、納期が迫っていたりすると、そのほんの数秒を怠ってしまい、早く完了させないとという意識が先立って、確認をすっ飛ばしてしまうんです。

人間心理の問題だとは思うんですが、いくら仕事を早くしても、確認もれによるミスを起こしてしまうと、元も子もありませんよね。

 

効率化する部分と、確認作業のように絶対に省略してはいけない部分をしっかりと認識し、どんな時でも確認作業をしっかりするというのが、ミスを防ぐ第一歩だと思います。

ただそうは言っても人間のすること。思い込みというのは必ず発生します。

思い込みによるミスを防ぐには、複数人でのダブルチェックが有効です。

 

個人での確認作業にプラスして、組織としてのダブルチェック体制を整えることが、ミスを防ぐことに繋がると思います。

DTPの仕事で一番使うのが、Illustratorです。

Illustratorで作成したデータを出稿する際、いくつか注意点があるのですが、一番良く言われるのが「文字をアウトライン化してください」ということです。

 

なぜ、文字のアウトライン化をする必要があるのか、いくつか理由があるのでまとめてみました。

  1. フォントの埋め込み
    フォントをアウトライン化することで、他のコンピュータや印刷業者と共有する際に、特定のフォントがインストールされていなくても、テキストが正しく表示されるようになります。フォントをアウトライン化することで、テキストがベクトル形式のパスに変換され、テキストの外観が維持されます。
     

  2. プリンターとの互換性
    アウトライン化されたテキストを含むファイルは、さまざまな印刷プロセスや出力デバイスと互換性があります。特定のフォントがなくても、アウトライン化されたテキストを使用することで、出力時に予期しないフォントの代替が起こるリスクを回避できます。
     

  3. デザインの安定性
    フォントをアウトライン化することで、デザインの一貫性と安定性が向上します。他のユーザーがファイルを開いたり編集したりする際に、フォントの違いによるレイアウトの変更を避けることができます。
     

  4. 印刷時の品質確保
    アウトライン化されたテキストは、印刷時に高品質な出力を確保します。フォントが正しく埋め込まれていない場合、印刷時にフォントの代替が使用され、テキストの品質が劣化する可能性があります。

要するに、文字をアウトライン化することで、フォントの依存性を排除し、デザインの一貫性と品質を確保することができます。

トラブルなく出稿するために、特に初心者は注意しておきましょう!

冊子印刷は、チラシ印刷やポスター印刷のペラ物と違い、印刷や製本の知識が求められます。
一つは、版面の設計です。中綴じ印刷でページ数が多い場合、用紙を折った時に、中の方に来るページは、外に押し出されるような形になります。それを、三方断ちで断裁するのですが、小口のところに、いっぱいいっぱいに文字などを入れていると、断裁時にカットされてしまう危険性があります。小口だけではなく、ノンブルの部分も影響を受けます。(ノンブルが小口側によったデザインの場合)。

従って、中とじ印刷でページ数が多い場合は、小口いっぱいのところに、文字などを配置しないほうが安全です。

つぎに製本の方法。
製本には、中綴じと無線綴じがありますが、無線綴じの場合は、背の部分をちょっとだけ削って、糊付けをするために、若干、仕上がりサイズよりも左右に大きく作らなければならないケースがあります。

それと、面付け。
印刷方法や製本方法によって、面付けの仕方が変わりますので、印刷・製本工程で、どのうような方法で印刷するのかを、最初の設計段階で設計し、それにもとづいてDTPデータを作成する必要があります。

ページ数と製本方法によって、表紙の背を作る必要もあり、また、背の幅も用紙の厚さとページ数によって変わるので、あらかじめ計算して背幅をレイアウトすることが大切です。

このように、冊子印刷の場合は、ペラ物と違い、様々な要素が組み合わさってきますので、結構難しいです。
初心者は、いきなり冊子のレイアウトをするよりは、まずはチラシやポスターなどのDTP制作を習ってから、冊子レイアウトに進むと良いでしょう。

[参考サイト]
冊子印刷の参考になるサイトです。
「冊子印刷工房」
http://www.printsassi.com/