「てめぇがっ!!」と何でも樹里のせいで罵倒される毎日を送る。これが世間で言うモラハラである。DV=暴力と思うのが世間では大半の認識だが無視、暴言、嫌味、にらみつける、嫌がらせ、馬鹿にする、相手を貶める、不機嫌などがモラルハラスメントの意味である。
夫婦は共働きで子供は出来なかった。結婚当初は優しく男らしい夫でした。人の下で働くのは性格的に合わず小さな会社を立ち上げ頑張ってた夫。樹里はレンタカーの一般事務をフルタイムで仕事をし夜には2人で晩酌と近所でも評判の仲の良い夫婦でした。彼の会社は1年目は順調でしたが次第に経営が悪化、それと同時に罵倒が始まりました。そして倒産、多額の借金だけが残りました。それからは彼は仕事をせず家に引きこもる日々が続きました。
「テメェのせいだ」「金をどうにかしろ」「汚ねぇ」「だらしねぇ」「あり金よこせ」「馬鹿か」など仕事もせず毎日罵倒。お金もないのに1日タバコ1箱も吸う。家にいるから掃除はするが「テメェがやらねぇから」と言われる始末。以前は家事を分担し助け合う2人でした。樹里は仕事を継続しているのである。彼女の言い分は「文句ばかりで仕事も探さず家にいるのだから家事してくれても...」心のすれ違い、夫婦間に隙間が。共稼ぎで仲良かった頃とは一転、ギャンブル、タバコ、酒と借金返済のお金も手に付ける。
そんな辛い毎日が続き疲れ果てた樹里。四方八方塞がれ心の行き所を失われてしまいました。樹里は夫を支えねばとの思いで頑張ってきました。でも、罵倒される毎日に夫への気持ちも薄れていったのです。LINEに久しぶりの同級生からのメッセージ、樹里は彼女に相談をしました。友達の一言で目が覚めた樹里。「相手に怒鳴るのはモラハラなんだよ」と。