北インド観光の人気コースは、ゴールデントライアングルと呼ばれるデリー、アグラ、ジャイプールを結んだ周遊コースです。
ある日、私たちは、デリーのホテル玄関で旅行社の出張デスクを見つけました。
「どこか行きたいけど・・」と話しかけたら、その旅行社のオジさんは、フロントの方を見遣りながら、「シイ~!(今話しかけてはいけないよ)」という素振りをします。
何のことかさっぱりわからず、私たちはもう一度、「どこかに行きたいけど・・」と少し大声で話しました。すると、そのオジさん、「しょうがない人たちだなあ」とつぶやき、「今はダメだから後でここに来なさい」と、名刺をくれました。
名刺にはちゃんと会社名が書いてあり、一応「President○○」と印刷してありました。
どういうことかさっぱりわからなかったのですが、私たちは、陸路で国境越えをして、ネパールに行きたいと思っていたものですから、その旅行社を訪ねてみることにしました。デリー不案内の私たちでしたが、名刺の住所を頼りに、その辺の人に聞きながら行ってみました。ホテルから歩いて行ける距離だったので、オジさんは既に戻っていて、自分のデスクで待機していました。
「北インドを少し周って、ネパールに行きたい」というと、オジさんはテキパキと案を出してくれます。ホテルで見た時は”もっさりオジサン”だったのに、本当はなかなかのキレモノだったわけです。
ホテルで予約を取ればホテルに何%かの手数料を払わなければなりません。それで、内緒で自分の事務所に誘導したのだということが、オジさんと交渉するうちに分かってきました。
インドではよくあることですが、高級ホテルでは初めてでした。なかなか大胆なオジさんです。バレちゃったら出入り禁止になるかもしれないのに・・。
先ずネパールへの国境越えをどの地点からしたいのかを尋ねられました。3つの候補地から選ぶわけですが、インドの一大聖地ヴァーラーナシにぜひ行ってみたかったのでそこを通るルートを選びました。
全部で10日間の日程で、「北インドのゴールデントライアングル地帯を巡り、ヴァーラーナシを通過し、ゴーラクプル経由スノウリで国境を越え、ネパールの首都カトマンズまで」というもっとも一般的なルートで計画してもらいました。
運転手付きジープで、ホテルはできるだけ高級なところで・・・全行程費用は二人で7万円ぐらいだったような気がします。
インド人は気が早い!交渉が成立したら、すぐに事務所まで運転手を呼びつけました。また運転手の来るのがめっちゃくっちゃ早い!待機していたかのようでした。
オジさんは、私たちの身柄を運転手に引き渡し、立ち去りました。
運転手は「10日間の旅だから家族に話し、着替えを取りに帰りたいので時間を少し下さい」といいます。ごもっとも・・・。私たちだってホテルに荷物を取りに行かなければなりません。
「じゃあ後で~」と一先ず解散! 1時間ぐらいしたら運転手がホテルに現れ、「帰りが一人になるから弟を連れて行っていいですか?」と若者を連れてきました。感じのいい青年だったので、滅多にできない遠出は彼のいい経験になるだろうし、旅行中ドライバーも気が楽だろうと思い、同行を承知しました。
斯くして、私たち4人は、北インドを巡り、ネパールまでの旅を開始しました。
つづく