またブログの更新をずっとしていませんでした。すいません。

まず最近良く患者さんから聞かれる新型コロナのワクチン接種についてお伝えしたいことを書かせて頂きます。

日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会ともに、妊娠を希望する方でも、今妊娠されている方でも新型コロナワクチンの接種を時期を問わず推奨しています。その理由としては①これまでの世界中でのワクチン接種で胎児に影響が出ておらず、安全性に問題はないこと、②妊娠後期の妊婦さんは新型コロナに罹患すると非妊女性よりも重症化しやすいこと、③ネットではワクチンを接種すると不妊になると言う誤った情報が拡散されていましたが、それは全く根も葉もない誤解であり、妊孕性(妊娠する力)には影響を与えないことなどを理由として挙げています。無論ワクチン接種による長期的な影響など、不明な点はゼロではありませんが現時点では接種するメリットの方がデメリットより明らかに大きいので、皆さんには是非接種を検討して頂きたいとおもっています。

 

最近の動向ですが開院して5年が過ぎ、徐々に厳しい症例が増えて来たのか、最近は年齢が高く、また卵巣予備能に問題がある患者さんが増加している印象があります。ARTを行う場合、卵巣予備能が高い方にはできるだけ沢山の胚を得るためにいわゆる高刺激法(short法やGnRHアンタゴニスト法、Long法など、連日注射をして可能な限り多くの卵子を得る方法)を選択し、卵巣予備能が低下している方には低刺激法(クロミッドやレトロゾールで2-3個の卵子を得る方法)を選択します。卵巣予備能が低下している方に高刺激法を行っても沢山の卵子が得られる可能性が低く、コストパフォーマンスが低く、かつ患者さんに対する身体的ストレスも増えてしまうためです。開院して1-2年は高刺激をしている方が大多数だったのですが、最近は低刺激を選択せざるを得ない方がとても多くなっています。年齢が比較的若くても卵巣予備能が低い方も多く、治療に難渋することもしばしばです。理由はよく分かりませんが他の施設ではどうなのかなと考える毎日です。

それから着床不全の症例も多くなった気がします。良好な胚盤胞を複数回移植しても着床しない場合、慢性子宮内膜炎の検査、免疫の検査(Th1/Th2比など)、着床の窓の検査(ERAやERpeak)などを適宜行い、着床不全の原因を追求したり、移植前に血小板由来成長因子を子宮内に投与するなど色々な方策を行っています。またPGT-A(着床前検査のひとつで胚の染色体異数性を調べる検査)についても学会から実施施設の許可を頂き、現在開始の準備中です。

不妊治療は結果が明確ですからうまく行かない症例にはどのように工夫したら良いかを常に考えて、患者さんを励ましながら治療を行っています。そういう症例には徐々に自分自身の思い入れも強くなって行きます。冷静さを失わない様に自分に言い聞かせる毎日です。