皆さまいかがお過ごしでしょうか?
若いスタッフと「暑いと言ったら100円!」と言っていたら、すぐさま1000円になる勢い。。
最後は「あじィ」とお魚の名前でごまかした松尾です。
残暑厳しいですが、皆さま、健康に留意してお過ごしくださいね。
さて今回は、性教育からの発信です。
「えっ、私は妊娠したいとよ、そんな話は聞きたくない」と思われた方は、心が“悲鳴”を上げているのかもしれません。そこには手当していきましょう。診察室でポロッとこぼしてください。自分の気持ちを見ないふりしてると余計に負担が大きくなっていくので“サイン”を出してくださいね。溜まったモヤモヤは身体の外へ意識して吐き出していきましょう。
今年から中学3年生には『ジェンダー』を教えるようにしました。
『ジェンダー』は“性別によっての考えや見方”になります。
8年前、総合病院に勤務してた頃、約2か月後には父親になる男性が母親学級に一緒に来られるのですが、口を揃えるように「僕は男だから何していいのかわかりません」「そりゃ、産まれたら手伝いますよ」と言われるのです。「僕はうんちのおむつは替えられません」堂々と宣言されていた男性もいました。
あの頃から少しは良くなってきたのでしょうか、人の意識が変わるまでには時間がかかるので、「ドキッ」とされた男性、ごめんなさいね。母親学級に来られること自体は、とてもいいことなんですよ。怖がらずに読み進めてください。
『ジェンダー』はこれまでも伝えたかったんですが、時間が足りず出来ませんでした。
でも、将来起こりうる問題ですし、話はこうです。
中学3年生に「あなたは26~27歳になりました。仕事から帰ると、一緒に暮らしている彼女が生理痛がひどくて動けなくなっています。あなたはどうしますか?」と問います。
近くの友達同士ざわざわしだして、顔を見合わせ何とか求められている答えを探します。マイクを向けると目は泳ぎ、不穏な空気に耐えれない若い男性教師は、後ずさりする…。
詳細は省きますが、最悪の言動は「僕のごはん、どうなると!!」です。決して言ってはなりませぬ。
「温かいミルクを用意する」と「温かいミルクを用意してあげる」この微妙な違いがわかるでしょうか。この「〇〇してあげる」の言葉の中に、「本来、家事は女性がやること」と無意識の思いがあると話します。「うんちは汚い→手が汚れる、だから僕はやらない、僕は仕事をして、子供の面倒、おむつ替えは当然、妻がすることだ」
そんな環境で“お育ち”になってこられた男性は、対立した時「僕、○○やってあげたでしょう。」と言われます。
「自分の家ではどうしてた、親がどうだった、は関係ないよ。自分の心の中にある『ジェンダー』からの解放だよ!!彼女がどうしたらつらい時間を少しでも眠れるか、そのためにどうしたらいいか、マジで考え行動にうつせることが大事なんだ!お産でも、子育てでも、その時々、真剣に考えていこうね、二人で一緒に協力して、力出し合って、取り組んだ方がきっと楽しくて幸せだからね!!」
ところで、最初にジェンダーを経験するのは、妊娠中から始まるそうです。
エコーを見ながら「先生、男ですか、女ですか?」そして男の子だったらブルー、女の子だったらピンクのお洋服用意しなくっちゃ!となります。
だから、ジェンダーを正しく伝えたい医師は、「ウン、外性器を見ると男の子のようです。ただし、この子が将来、どのようなセクシュアリティを持つかまではわかりません。」とこだわりを持って伝えているそうです。確かにそうですね。
20年前、雅子様が妊娠中、今の天皇陛下は必ず定期健診に付き添われたそうです。まだ男性が健診に付き添うのはそう多くない頃のことです。担当の堤先生が「性別がわかったら、お教えしたほうがよろしいですか?」と聞かれた時に「どちらが産まれても私達は一切、関係ありませんので、性別を特に教えていただくようなことは必要ありません。」というようなご発言をされたということでした。さすが〜!!と思いました。流産を経験されていた雅子様を気遣い、守っておられたお姿はとても素敵でした。
『ジェンダー』は男女の心の中に住み着いていて、苦しい方々がいっぱいです。男性を責めているわけではありませんが、女性を支えるために何が出来るのか、そして男性も同様にジェンダーを押し付けられた時に、生きづらくなる事実(うつ病は女性が多いが、男が養わないといけない意識からか自殺は男性多い)があることを、社会の皆さまにご承知おきいただき、性別で「〇〇すべき〜」が強すぎると、生きづらくもなっていくので、互いに支え合える成熟した優しい社会になっていけたらと願っています。
子供達はとっても素直、中学3年生の感想です。…先生のお話しを聞いて、男子女子どちらもお互いの知識を持っておくことが大事だと思った。男性だから、女性だから、という考えをしないような大人になりたい。生理がきつい時に出来ることをわかって、辛い時には薬を買ったり、ご飯を作るなど、さりげなく気遣い出来るようになりたい。子供が産まれる時には、二人で協力して助け合って一緒に楽しみます。先生、ありがとう!!
(うふ ♡、「さりげなく」が嬉しいわ~。よー、わかっとる!)
写真は「シスと戦うジェダイの騎士」→「うん?善だー!?」→「ゼンダーじゃなかろうもん!」年とると「人はダジャレに走る…」と朝、NHKで言ってた「本当だ!」うなずく松尾でした。