イタリアクレモナで活躍する日本人ヴァイオリニスト横山令奈さん

 

実は、私自身、彼女のお父様、横山莞五先生(以下、莞五先生)に手ほどきを受け、大学に入るまで師事し、

さらに、その奥様、令奈さんのお母様である、ヴァイオリニスト清水玲子先生(以下、玲子先生)に

大学以降、演奏家としてのレッスンを受けました。

 

令奈さんの演奏を聴いていると、玲子先生のことを思い出します。

 

 

 

莞五先生には、4歳から習っていましたが、ほんっとうに厳しかった!

毎週のレッスンが怖くて恐くて(笑)

しかしながら、愛情も深い先生でした。

怒るときは鬼の形相でそれはもう恐ろしかったですが、

褒めるときは、心の底から200%褒めてくださり。

私が指導者になってわかったのは、指導にはものすごいエネルギーが必要だということ。

あれだけ、怒って褒めて。全身全霊で指導してくださっていたのだなと。

 

 

 

横山ファミリーには、本当によくしていただき、

大学以降は我が家の長女だと言って、特に可愛がってくださいました。

今でも大切な方々です。

 

莞五先生も玲子先生も、今は天国です。

きっと、天国からこの令奈さんの演奏をご覧になっておられたでしょう。

 

この楽器は、おそらく、お母様の形見のものだと思われます。

E線の透き通ったシャープな音色は、特に玲子先生の音そのまま。

彼女の手の雰囲気も、非常に玲子先生と似ています。

玲子先生の音色、演奏のお姿が、昨日のことのように思い出されます。

 

令奈さんのことを一番喜んでおられるのは、玲子先生ではないでしょうか。

実は、玲子先生ご自身、晩年の闘病生活の中で、何よりも大切にしていたのが、

入院されている患者さんの力になりたい、ということでした。

ご自身も病と闘いながら、『今、皆さんに必要なのは音楽だ』と

何度も何度も院内コンサートを開催し、私も時々一緒に演奏させていただきました。

そして、さらには、プロアマチュア関係なく、病院の先生や患者さん、色んな方と

共演され、その輪が広がっていったのです。

 

 

 

当時、私は、玲子先生にお声がけいただき、

『清水玲子と仲間たち』という弦楽三重奏(弦楽トリオ)グループを結成していました。

亡くなられるまでおおよそ10年近く活動させていただいたでしょうか。

 

この写真は、パリ公演時のものです。

病気になられてからは、若い私にもわかるほどに、途端に演奏が変わりました。

人間て本当に不思議です。

より内面から出る音色と演奏に感銘を受けました。

 

 

 

大阪の住吉大社にて奉納演奏をさせていただいた時の写真です。

 

大阪のとあるイタリアンレストランが、私たちのホームでしたが、

その玲子先生と最期にトリオで演奏させていただいたのも、その場所でした。

 

病状は思わしくなく、演奏前に倒れられ、救急車を呼ぶほどに。

 

しかし、玲子先生は『絶対に演奏する』と。

この時先生はすでに感じていたのかもしれません。

もう命がわずかだということを。

 

リハーサルなしで、とにかく本番へ。

 

メインは、

バッハ ゴールドベルク変奏曲より抜粋

ベートーヴェン 弦楽三重奏曲第3番

 

楽器を構えると、さっきまで倒れられていたのは嘘のよう。

この力はどこから出てくるのかと目と耳を疑いました。

 

しかし、私は、隣でヴィオラを弾きながら、いつまた倒れるのではとハラハラしつつも

いっときも気を抜けない本番だったのを覚えています。

しかし、先生から出てくる音楽は、この世のものではありませんでした。

 

あの時の光景、雰囲気、音色は、今でも鮮明に思い出せます。

脳裏に焼きついていて離れません。

 

命尽きるまで演奏されるその姿は、

多くの方に勇気と希望と感動を与えました。

 

私はそんな師匠から、音楽だけではなく、様々な本当にたくさんのことを学ばせていただき、

最期まで傍で共に演奏できたことを今でも誇りに思っています。

 

そのひと月後、玲子先生は息を引き取られました。

その日はちょうど私の主催公演の日。

 

数日前に、玲子先生とお電話した時、

『行けないと思うけど、気持ちはそこにいるよ。頑張ってね。』

とエールを送ってくださいました。

まさかのその日が、先生の昇天日となろうとは思ってもみませんでした。

『気持ちはそこにいるよ』は、こういうことだったのかもしれません。

先生の魂が来てくださっているのを実感した本番でした。

 

 

私に絶大な影響を与えた師匠、ヴァイオリニスト清水玲子。

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よく、一緒にお酒を呑みながら話し、

初見大会しました(笑)

 

 

確実に、娘さんがそのあとをしっかりと受け継いでおられます。

私も頑張らねば。

 

 

 

令奈さんには妹さんもおられ、妹さんの亜美さんも日本でヴァイオリニストをされています。

姉妹とは、実の姉妹のように共に演奏し、よく話しました。

令奈さん、陰ながら、心より応援していますハート

 

 

 

 

 

 

 

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