津野 米咲(つの まいさ/1991年10月2日~2020年10月18日)は、日本のミュージシャン、ソングライター。ロックバンド「赤い公園」でギターとコーラス、作詞作曲を担当。

 

 

 

1991年10月2日、津野米咲が生まれる。東京都出身。祖父:津野陽二と父:つのごうじも作曲家で、祖母は宝塚出身、母はピアノ、上の兄はギターを弾けて、2番目の兄はドラムを叩けるという音楽一家に育つ。

 

両親や兄の影響でたくさんの音楽を聴いて育ち、幼少期にはカーペンターズ、サイモン&ガーファンクル、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ペイヴメント、小田和正、松任谷由実、Mr.Childrenなどのポップスだけでなく、チャイコフスキーやドビュッシーなどのバレエ音楽も聴いていた。ポップスが一番好きだが、フュージョンやジャズ、クラシックや現代音楽を含めて色々なジャンルの曲を聴いていた。しかし、ロックバンドの曲はあまり聴いていなかった。

影響を受けた音楽家には、チャイコフスキーやジョン・ウィリアムズ、ジム・オルークを挙げている。

 

3、4歳頃からエレクトーンを習ったのが音楽を始めたきっかけである。

小さい頃、ピアノを習っていたとも発言。だが、だが本人曰く、不真面目なので途中で止めたとのこと。

その後、家にギターがあったため、「ちょろちょろ弾くようになった」という。

また、津野は吹奏楽の経験もある。

 

2007年、高校に入学、軽音楽部に入部する。

高1から本格的にギターを始めた。

高1の時、アルバイトをしてFender Made in Japanの白いストラトキャスターを購入し「白田トミ子」と命名、メインギターとして使用した。ブリッジ下に貼られたステッカーはかつて矢尾拓也(ex.パスピエ)や吉田雄介(tricot)らが所属したバンド「Bell Boy」のグッズである。

 

津野は赤い公園に加入する前、シューゲイザーまがいのバンドをやっていて、東京事変の楽曲をキーボード無しで演奏したりしていた。その影響のためか、津野の弾くギターはキーボードっぽいと言われる。その頃からもともと趣味で曲を作っていた。

 

 

2010年、軽音楽部の後輩が結成したバンドから初代ギタリストが脱退、1学年上の津野が後任ギタリストとしてサポート参加した。当初は津野が高校卒業後に家庭の事情で大阪に行くことになっていたこともあり、サポートはあくまで期間限定のはずであったが、メンバーたちと一緒にやることが次第に楽しくなっていった津野は、「ここで止めると後悔するな、続けられるものなら続けたい」と思うようになり、両親にはついて行かずに自分だけ残ることを決意。こうして津野はバンドに正式加入した。

1月4日を結成日とする。結成時のラインナップは、佐藤千明(Vo)、津野米咲(G)、藤本ひかり(B)、歌川菜穂(Ds)の4人。バンド名は「怪獣公園」にする予定だったが、既に使われていたため、「赤い公園」になった。

当初、東京事変やチャットモンチー、土屋アンナ、GO!GO!7188等をコピーしていたが、当時から作曲していた津野の加入により、オリジナル楽曲を演奏するようになる。作詞・作曲の大部分を津野が担当するが、ベースの藤本も一部の楽曲を手掛けている。

結成後、地元である東京都立川市のライヴハウス「立川BABEL」を拠点に活動を開始。

12月には、神聖かまってちゃんが主催するライヴイベントにも出演した。


2011年1月、自主制作のデモ音源『はじめまして』を発売。収録曲“透明”は、スペースシャワーTV「ミドルローテーション」に起用され、また、翌2012年1月25日にiTunes「Japan Sound of 2012」に選出、さらにSPACE SHOWER MUSIC AWARDS 「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO REVIEW 2012」を2012年7月20日に受賞した。

 

3月、自主制作によるミニ・アルバム『ブレーメンとあるく』を発表。

10月、NATSUMENやチーナなど、日本人アーティストとともにカナダで開催された「Next Music from TOKYO vol 3」に参加、注目を集めるなお、NATSUMENのメンバーは後に、赤い公園をプロデュースしている。

その後、複数のレコード会社による争奪戦の末、EMIミュージック・ジャパンと契約。


2012年2月15日、1stミニ・アルバム『透明なのか黒なのか』をリリース、EMIミュージック・ジャパンよりメジャー・デビューを果たした。オリコン89位。

 

5月9日、2ndミニ・アルバム『ランドリーで漂白を』を発売、オリコン70位。

 

9月19日、1stシングル“のぞき穴”を発売、表題曲は関西テレビ「ヨルパチーノ・ドラマNEXT」枠ドラマ『呪報2405 ワタシが死ぬ理由』主題歌。オリコン89位。

 

10月9日、バンドの公式サイトにて、津野の体調不良により当面の活動を休止することを発表。


2013年3月1日、赤い公園がUstreamに出演して活動を再開することを発表。

6月5日にリリースされたSMAPのシングル“Joy!!”を、津野が作詞作曲提供。編曲は菅野よう子が担当し、オリコン1位を獲得した。これ以降、他のアーティストへの楽曲提供の機会が増える。

 

7月3日、2ndシングル“今更/交信/さよならは言わない”を発売、“今更”はスペースシャワーTV 2013年7月度POWER PUSH!、「第18回SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」MVA BEST VIDEOに選出された。また、“交信”はTOYOTA×STUDIO4℃コラボレーションアニメプロジェクト「PES NEXT GENERATION」起用曲。なお、“さよならは言わない”(作詞・曲:小田和正)は小田和正のカヴァー。オリコン40位。

 

 

 

8月14日、1stアルバム『公園デビュー』を発売、全曲を津野がセルフ・プロデュースした。オリコン27位。

 

 

2014年1月19日、ベイビーレイズの6枚目シングル“恋はパニック”のカップリング曲“ビッグ☆スター!”を作詞作曲提供。シングルはオリコン8位を記録した。

 

2月12日、3rdシングル“風が知ってる/ひつじ屋さん”を発売、“風が知ってる”はUHFアニメ『とある飛空士への恋歌』EDテーマ、MUSIC ON! TV 2014年2月度M-ON! Recommend。また、“ひつじ屋さん”は日本出版販売配給映画『呪報2405 ワタシが死ぬ理由 劇場版』主題歌、カップリング曲“めっちゃPON!~わりとPON!~やっぱりPON!”は日本テレビ系『PON!』10〜12月度ジングル曲。オリコン49位。

 

 

3月12日、4thシングル“絶対的な関係/きっかけ/遠く遠く”を発売、“絶対的な関係”はフジテレビ系 土ドラ『ロストデイズ』主題歌に起用、また「第19回SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」MVA BEST VIDEOに選出された。オリコン20位。

 

 

 

同年、立川市公式キャラクター「くるりん」のために、“くるりん絵かき歌”を書き下ろした。

 

9月24日、2ndアルバム『猛烈リトミック』を発売、収録曲“サイダー”はサイダー協会公式テーマソング。他に“NOW ON AIR”等を収録。本作以降は會田茂一、亀田誠治、島田昌典、蔦谷好位置等が音楽プロデュースに参加している。オリコン27位。

 

 

 

 

2015年11月25日、5thシングル“KOIKI”を発売、2016年クラシエフーズ「爽快ミュージックキャンペーン」収録曲。オリコン74位。

 

 

2016年2月24日、6thシングル“Canvas”を発売、オリコン51位。

 

3月23日、3rdアルバム『純情ランドセル』を発売、収録曲“黄色い花”はNHK Eテレ『グレーテルのかまど』EDテーマ。オリコン27位。

 

 

4月6日、津野がNHK-FMの音楽リクエスト番組『赤い公園・津野米咲のKOIKIなPOP・ROCKパラダイス』のパーソナリティを担当、2020年11月18日まで続いた。

5月11日に発売された「モーニング娘。'16」の通算61枚目シングル“泡沫サタデーナイト!/The Vision/Tokyoという片隅”に、“泡沫サタデーナイト!”(うたかたサタデーナイト!)を作詞作曲提供、オリコン2位を記録した。

 

9月21日に発売された、Buono!のDVDシングル“ソラシド〜ねえねえ〜”を作詞作曲提供、オリコンDVD音楽部門で5位をマーク。14thシングルとしても発売された本曲は、Buono!にとってラストシングルとなった。

 

9月29日、バンド全員でニッポン放送『赤い公園のオールナイトニッポン0(ZERO)』を担当、2015年3月23日まで続いた。

 


2017年2月15日、7thシングル“闇夜に提灯”を発売、表題曲“闇夜に提灯”はTBS系「テッペン!・水ドラ!!」枠ドラマ『レンタルの恋』主題歌、石川テレビ『N-18 凸』2月の凸tune。オリコン44位。

 

4月19日、8thシングル“恋と嘘”を発売、表題曲は、TBS系『王様のブランチ』2017年4月度EDテーマ、ロート製薬「肌ラボ」キャンペーンソング。収録曲“スーパーハッピーソング”は、BSジャパン ドラマ『ワカコ酒 Season3』オープニングテーマ。オリコン51位。

 

 

6月21日、9thシングル“journey”を発売、オリコン57位。

 

7月3日、ヴォーカルの佐藤千明が同年8月31日を以て脱退することを発表。佐藤は「7年の活動の中で自分の手に負えない程のズレが生じていることに気付いた。そのズレが迷いとして音楽にまで介入してきた時、赤い公園のヴォーカルという使命に、限界を感じた」ことを脱退の理由としている。

7月26日、つばきファクトリーのメジャー2枚目のシングル“就活センセーション/笑って/ハナモヨウ”に、カップリング曲“笑って”を津野が作詞作曲提供(編曲:平田祥一郎)。オリコン5位を記録した。

 

8月23日、4thアルバム『熱唱サマー』を発売、“カメレオン”等を収録。オリコン15位。

 

 

8月27日、Zepp DiverCity TOKYOで行われた「熱唱祭り」が結成時の4人による最後のライヴとなった。


2018年2月14日、バンド初のベスト・アルバム『赤飯』を発売、メジャー・デビュー以降の全シングル曲と、最新アルバムまでの全作品の中からメンバー自らが選曲した22曲を収録している。オリコン23位。

 

5月4日、『VIVA LA ROCK 2018』に出演した際、新ヴォーカルに元・アイドルネッサンスの石野理子(いしの りこ/2000年10月29日-)を迎えることを発表した。

同年、石野の加入に伴い、津野、藤本、歌川の3人は石野の所属事務所であるソニー・ミュージックアーティスツに移籍した。

 

 

2019年8月17日、配信限定“凛々爛々”をリリース。

 

10月23日、EP『消えない - EP』を発売、“消えない”他、“凛々爛々”等を収録。オリコン26位。

 

 

2020年1月29日、10thシングル“絶対零度”を発売、表題曲“絶対零度”はフジテレビ系「+Ultra」枠アニメ『空挺ドラゴンズ』EDテーマ。オリコン37位。

 

5月25日、谷口鮪(KANA-BOON)とのユニット「wasabi(谷口鮪×津野米咲)」の結成を発表。

4月15日、5thアルバム『THE PARK』を発売、収録曲“yumeutsutsu”はフジテレビ系『Love music』4月度OPテーマ、テレビ愛知『a-NN♪』4月度EDテーマ。また、“ジャンキー”はFODオリジナルドラマ/フジテレビ系ドラマ『シックスティーン症候群』主題歌。他に“夜の公演”等を収録。オリコン13位。

 

 

 

 

5月26日、谷口と津野それぞれの自宅で制作・レコーディングされたwasabiの楽曲“sweet seep sleep”をJ-WAVEの『SONAR MUSIC』で初公開。

6月22日、“sweet seep sleep”のMVをYouTubeで公開し、各種ストリーミングサイトにて配信。


 

2020年10月18日午前9時頃、津野米咲が東京都杉並区の住宅で倒れていたところを発見され、病院へ搬送されたが、死亡が確認された。29歳没。

10月19日、亡くなる2日前に収録されたJ-WAVE『SONAR MUSIC』が放送された。

 

 

 

 

2020年11月11・18日、津野が担当していたNHK-FM『赤い公園・津野米咲のKOIKIなPOP・ROCKパラダイス』では、追悼企画が放送された。

11月25日、11thシングル“オレンジ/pray”を発売、“オレンジ”はFODオリジナルドラマ/フジテレビ系「ブレイクマンデー24」枠ドラマ『時をかけるバンド』OPテーマ、“pray”は同枠ドラマ『時をかけるバンド』挿入歌。オリコン27位。

 

 

 

2021年3月1日、「津野米咲がいない赤い公園はもはや違うものになってしまうのではないか」という想いが大きくなり、同年5月28日に中野サンプラザで行われるラストライブをもって解散することを発表した。

5月28日に、ラストライヴ「THE PARK」を開催し、赤い公園は解散した。

9月29日、唯一の映像作品『赤い公園 THE LAST LIVE 「THE PARK」』を発売、オリコン5位。

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「津野米咲」「赤い公園」

 

 

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