alan（アラン/本名：アラン・ダワジュオマ[チベット文字：་ཨ་ལན་ཟླ་བ་སྒྲོལ་མ/ワイリー方式：a lan zla ba sgrol ma]/1987年7月25日～）は、チベット族中国人の歌手、モデル。
1987年7月25日、アラン・ダワジュオマは、公務員の父と元歌手の母の間に、四川省カンゼ・チベット族自治州で生まれる。四方を山に囲まれ、海抜約2,500メートルの高所にある同州の州都康定（ダルツェンド）で育つ。原籍は父の出生地である同州丹巴県（通称：美人谷）にある、チベット族である。チベット名は「阿蘭・達瓦卓瑪」（アラン・ダワジュオマ/Alan Dawa Dolma[Dolmaの発音はDrolma]）。「達瓦卓瑪」は日本語で「月の仙女」の意。
1992年、康定回民小学(小学校)に入学。
8歳から二胡や歌を習い、9歳でテレビドラマ『太陽女神』（中国中央テレビ）の準主役に抜擢される。
1997年、康定回民小学を卒業。
同年、10歳の時、国立四川音楽学院附属中学に入学し、二胡の専門訓練を受ける。
2003年、16歳で北京にある中国国内芸術大学の最高峰、中国人民解放軍芸術学院声楽科に飛び級にて入学し、オペラやクラシック音楽などを学ぶ。同校の先輩には同じチベット族出身のハン・ホンがいる。
2005年、中国星文レコードより「阿蘭」の名でインディーズ歌手としてカヴァーアルバム『声声酔如蘭』をリリースし、5万枚を売り上げた。
2006年に第9回上海アジア音楽祭に出演し、2位にあたる銀賞を受賞した。
4月、エイベックスがアジア進出に向け北京で開催した「avex China新人発掘オーディション」の最終日、軍服姿で二胡を演奏しながら歌を披露し、同社長の松浦勝人や審査員の目をくぎ付けにした。オーディションで歌った歌は安室奈美恵の“NEVER END”と夏川りみの“涙そうそう”。“涙そうそう”では得意の二胡を披露している。オーディション時に着用していた軍服は学校の制服であった。
尊敬するアーティストは、中国のフェイ・ウォン、台湾のジェイ・チョウ、日本の安室奈美恵、夏川りみ等。
日本デビューの知らせは電話で受けたそうで、最初に両親に報告した。初めは音楽では生活が不安定だとして大学卒業後は軍の施設への就職を勧められ、歌手になる事を反対されていたが、徐々に理解を深めてくれ今では両親が一番の理解者だという。
「avex China新人発掘オーディション」で審査員を務めた1人だった菊池一仁がプロデューサーに決まる。菊池は、浜崎あゆみ、倖田來未、Every Little Thingらのサウンドプロデュースと平行して、彼女のサウンドクリエイトを進めている。菊池はAlanを審査した時の印象について、「まず衣装で驚いた。さらに日本語で歌ったのに中国人と思えないほど感情が込められていて衝撃だった」と述べている。
2007年7月、中国人民解放軍芸術学院声楽科を優秀な成績で卒業した。
11月21日、シングル“明日への讃歌”(作詞：野島伸司/作曲：菊池一仁/編曲：中野雄太)で日本デビュー。作詞はドラマ『高校教師』等の脚本家で知られる野島伸司が、SMAP“らいおんハート”以来7年ぶりに詞を書き下ろした。作曲は菊池一仁。サビの部分はチベット民謡独特の高音フェイクを駆使して歌いあげている。オリコン69位。
2008年3月5日、4曲入の2ndシングル“ひとつ”(作詞：吉元由美/作曲：菊池一仁/編曲：中野雄太)を発売。オリコン100位。
5月12日、故郷の四川省で四川大地震が発生、復旧に向けた義援活動として、チャリティーソング“幸せの鐘”（日本）、“愛就是手”（中国）をわずか4日間でレコーディングし、日本、中国本土、香港、台湾、韓国にて急遽音楽配信、全ての配信収益を各地の赤十字社を通じ全額寄付する。7月14日には、ジュディ・オング、ジャッキー・チェンらの呼びかけでチャリティコンサート「ハートエイド・四川」にも出演した。
同年、三国志の映像化を目指し100億円をかけて製作された映画『レッドクリフ Part I』の全世界主題歌に起用される。映画前編となる『レッドクリフ Part I』が中国で7月10日から世界先行公開されるのに先立つ2008年6月20日、中国でEP（マキシシングル）「心・战 〜RED CLIFF〜」（日本語表記:「心・戦」）を発売しメジャーデビュー。同作のレコーディングは北京にて行われ、これまでに日本でシングル発売した楽曲（ひとつ、桜モダン、東京未明）の中国語ヴァージョンを収録している。日本語ヴァージョン“RED CLIFF〜心・戦〜”は「a-nation 2008」をはじめとするライヴイベントで先行披露、リリースは後述の5か月連続シングルの一環に位置づけられた。
6月20日、1stミニ・アルバム『心・战 〜RED CLIFF〜』を発売。
7月2日、坂本龍一プロデュースによる3rdシングル“懐かしい未来〜longing future〜”(作詞：大貫妙子/作曲：菊池一仁)を発売。ニューヨークにいた坂本が、日本でのalanの活動をテレビの歌番組で視て興味を示しプロデュースの意向を表明したもので、本作はNHK地球エコプロジェクト「SAVE THE FUTURE 2008」のイメージソング。番組『SAVE THE FUTURE 2008』内では、坂本がalanに“戦場のメリークリスマス”を弾いて聴かせるシーンや、エコをテーマとしたグランドフィナーレで歌唱する姿が全国に放送された。また、このシングルはテーマであるエコの実践としてカーボンオフセットCDになっており、また、売り上げの一部がユニセフに寄付される仕組みになっている。同曲は2009年の「SAVE THE FUTURE 2009」でも引き続きイメージソングとして起用されている。
同年夏〜秋、「地球を構成する5大要素」とされる「地・空・風・火・水」をテーマに5か月連続でシングルリリースを敢行。“懐かしい未来〜longing future〜”を第一弾（=「地」）とした。
8月13日に第二弾の4thシングル“空唄”（空）をリリース。
9月10日に第三弾の5thシングル“風の手紙”（風）をリリース。
10月15日には、第四弾（火）の6thシングルとして『レッドクリフ』主題歌“RED CLIFF〜心・戦〜”をリリース。同時期は『レッドクリフ』の世界公開とも重なり、PR活動としてフランスカンヌをはじめ、各国に渡り歌唱する。
11月12日、5か月連続シングル最終章となる7thシングル“恵みの雨”（水）をリリース。古内東子作詞による渾身の恋愛バラード。
2009年1月5日から放送の東海テレビ製作・フジテレビ系列のドラマ『非婚同盟』の主題歌“Liberty”(作詞：岩里祐穂/作曲：菊池一仁)を担当。
2月4日、シングル“群青の谷”(作詞・曲：Cocco)をリリース。四川省大地震への義援金活動を行うalanに感銘を受けたCoccoが楽曲提供を行い、アーティスト人生で初めて他人に楽曲を提供したことで話題となった。
3月4日、1stアルバム『Voice of EARTH』をリリースし、オリコン週間アルバムチャートでは最高順位15位を記録。J-POPの人気が高い台湾では、『Voice of EARTH』の輸出盤が現地の販売チャートで中島美嘉に次いで2位になった。
4月公開の『レッドクリフ Part II』の主題歌（作曲：岩代太郎）も Part I に続き alan が担当、中国語版の曲名は“赤壁 〜大江東去〜”、日本語版は“久遠の河”に決定。
4月8日、9thシングルとして“久遠の河”をリリース。オリコン週間シングルチャートでは最高順位3位を獲得、4月12日付のデイリーチャートでは第1位に輝いた。ともに中国出身歌手としてフェイ・ウォンを抜く10年ぶりの最高記録であり、日本のみならず中国でも大きく報道された。
同年6月号から、小学館発行の月刊女性ファッション雑誌『AneCan』のモデルに就任、2011年10月号までモデルを務める。
9月2日リリースの10thシングル“BALLAD 〜名もなき恋のうた〜”は、同タイトルの映画『BALLAD 名もなき恋のうた』の主題歌として、“久遠の河”に続く2作品連続の映画主題歌起用となった。映画に出演している草彅剛（SMAP）、新垣結衣とともに映画のPRを積極的に行っている。
11月4日、続く2枚目のアルバムのリードシングルとして11月4日に発売された“Swear”は、alan本人の初出演テレビCMとなるブルボン「ブランチュールミニシリーズ」とのタイアップとしてリリースされ、このため、後述のワンマンライヴは同社が冠スポンサーとなっている。
11月25日、これらのシングル曲を収録した2ndアルバム『my life』をリリース。音楽の幅を更に広げた作品として本人を表現し、自身も作詞、作曲に参加している。
2010年1月12日、日本におけるチャリティー着うたソングとして、配信シングル“Happy Birthday to You”(作曲：Mildred J. Hill、Patty Smith Hill)をリリ―ス。日本ユニセフのHAPPY BIRTHDAY DOWNLOAD for childrenの一曲。利益の全額が日本ユニセフに寄付され、国連のミレニアム開発目標のひとつである乳幼児死亡率低下促進活動にあてられた。
1月には名古屋・東京・大阪(開催順)の3カ所でのワンマンライヴ「alan 1st concert -voice of you-」を開催。また、東京公演に先駆けて同年1月16日に行われた「alan 2nd NEW ALBUM『my life』リリース記念ミニライヴ in タワーレコード渋谷」は、当日、ニコニコ動画のニコニコ生放送による公式ライヴストリーミングが行われ、視聴者による数多くの好意的なコメントが寄せられた。
2月3日、12thシングル“Diamond/Over the clouds”を発売、オリコン20位。
4月7日にTwitterと「アメーバなう」を開始し、4月12日に新浪微博を始めた。
4月に香港（4月16日）や中国大陸（4月26日）で、中国語のオリジナル・ミニ・アルバム『蘭色〜Love Moon Light〜』が発売になり、中華圏での様々なメディアやイベントに出演し、香港ではサイン会が開催された。
4月25日に、「心的東方」が中央人民广播电台音乐之声の「MUSIC RADIO 音乐之声」の中国大陸の最優秀賞に選ばれた。
4月26日の北京での「蘭色〜Love Moon Light〜」の発売記者会見では、中华慈善总会を通じて、青海地震に自己負担で100万円を寄付したことが発表された。
4月26日、2ndミニ・アルバム『蘭色〜Love Moon Light〜』を発売。
7月7日、13thシングル“風に向かう花”を発売、オリコン17位。
7月、alan 2nd concert - alan symphony 2010を東京・大阪で開催。
10月13日、14thシングル“悲しみは雪に眠る”を発売、オリコン20位。
10〜12月、InterFM『品川近視クリニック presents プレスタ』のレギュラーパーソナリティーを務めた。
2011年3月2日、ベスト・アルバム『JAPAN PREMIUM BEST』をリリース。
6月29日、15thシングル“みんなでね 〜PANDA with Candy BEAR's〜/「生きる」”(作詞：としおちゃん/作曲：菊池一仁/編曲：河野圭／作詞：松本隆/作曲：菊池一仁/編曲：十川ともじ)を発売、オリコン25位。
7月、JAPAN PREMIUM BEST & MORE LIVE 2011 と alan Family Meeting を東京・大阪・名古屋で開催。
7月31日のライヴ「JAPAN PREMIUM BEST & MORE LIVE 2011」を最後に活動拠点を中国に移すことが発表になり、2011年11月22日からは乐华娱乐に所属。
9月18日、「舞林大会」に出演。
10月、時代劇（連続テレビドラマ）『宮廷女官 若曦』の主題歌“一念執着”を歌う。
11月18日、シングル“我回来了”をリリース。
11月22日に北京で発表会を開催。
2012年4月1日、「舞林大会」に出演。
5月25日、ショート・ムービー「我的双面女友」に主演女優として出演。
6月18日、アルバム『Love Song』をリリース。
10月1日〜3日、ミュージカル「鸟巢·吸引」に出演。約5時間の水中撮影も行った。
12月11日、「华语金曲奖」で8つの賞を受賞
2013年1月25日、「音乐先锋榜2012」で「先锋演绎歌手」を受賞。
4月13日、「第一届音悦v榜年度盛典」にて「内地年度风向女艺人」を受賞。
5月、湖南衛視の中国最強音に出演。女性グループの最後の6人まで残る。
8月21日、16thシングル“DREAM EXPRESS 〜夢現空間超特急〜”(作詞：Kenn Kato/作・編曲：長岡成貢)を発売、オリコン196位。
2015年6月、それまでの所属事務所「乐华娱乐」との契約が終了。個人事務所「阿兰工作室」を立ち上げる。
9月29日、配信シングル“The Lost Eden”をリリース。
11月6日、17thシングル“道標”(作詞：Kenn Kato/作曲：菊池一仁)を発売。
2017年10月21・22日、日本の「チャイナフェスティバル2017」のメインゲストとして出演。
2020年11月、ヴァイオリニスト・Ayasaとのコラボレーション楽曲“赤い雨”が押井守総監督、西村純二監督のアニメーション『ぶらどらぶ』のEDテーマに起用されることが決定。同番組は2月14日よりネット配信開始し、同年7月よりテレビ放送が開始され、“赤い雨”は国内向け（血比呂Version）EDテーマ“赤い雨”(作詞：川村サイコ/作・編曲：ZENTA)を「alan & Ayasa」名義で起用された。
2021年4月19日、自身初となる全編英語詞のシングル“Promise to Love You”を配信限定でリリース。
9月22日、約4年ぶりのアルバム作品となる3作目の中国語ミニ・アルバム『我想好好愛你』を発売。
(参照)
Wikipedia「alan」
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