菅野 よう子(かんの ようこ/英語表記:Yoko Kanno/出生名:菅野洋子/1963年3月18日~)は、日本の作曲家、編曲家、演奏家、音楽プロデューサー。

 

 

 

1963年3月18日、菅野洋子が宮城県仙台市で生まれる。父は日本文学の研究家、母は元看護婦、兄弟は5歳上の兄がいる。

 

2歳の頃、親戚の家にあったピアノの前から離れない洋子を見て、親がピアノを買ってくれたのが音楽との出会い。

幼い頃から言葉で話すよりも音で表現するほうが楽だったといい、頭に浮かぶことをメロディにして遊んでいた。


1967年、近所のピアノ教室に通い始める。中学生クラスに入るが、教師から「もっと子どもらしい曲を作りなさい」と言われる。

 

小学校時代は数々のコンクールで優勝。

 

中学では吹奏楽部に入部。

 

1974年、ヤマハ・ジュニア・オリジナル・コンサート(JOC)全国大会で川上賞を受賞する。

 

宮城県仙台向山高等学校に進学、強豪の吹奏楽部に入った。中学から高校にかけて入った吹奏楽部では、色々な楽器の編曲を楽しんだ。

高校時代は文学少女であった。

 

1982年、早稲田大学に入学。小説家になろうと第一文学部に進学した。だが、すぐに軽音楽サークルでアマチュア活動を始め、大学には1週間しか行っていない。その後、大学は中退した。

 

 

1985年、PCゲーム『三國志』の音楽で職業作曲家デビュー。

同年、「てつ100%」でキーボードを担当し、第30回ヤマハポピュラーソングコンテストで優秀曲賞を受賞。
 


1986年、ゲーム『信長の野望』シリーズの「全国版」が発売、菅野は本作から、「戦国群雄伝」(1988年)、「武将風雲録」(1990年)、「覇王伝」(1992年)、「天翔記」(1994年)までの音楽を担当。

11月、てつ100%のメンバーとしてシングル“TOKYO TACO BLUES”でCBSソニーからメジャー・デビュー。

 

 

1987年3月、1stアルバム『てつ100%』をリリース。菅野は作編曲も担当、アルバムの半分近くを作曲し、ホーンセクションとストリングスの編曲を行う。

以後、メンバー交代を経て3枚のアルバムを発表。 

 

 

1989年、てつ100%が解散。

 

 

1991年、音楽制作会社「GRAND FUNK」の金橋豊彦代表に誘われ、広告音楽の仕事を始める。

 

 

1992年7月18日、スタジオジブリ制作による宮崎駿監督の長編アニメーション映画第6作『紅の豚』のEDテーマ“時には昔の話を”(作詞・作曲・歌:加藤登紀子/編曲:菅野よう子/ピアノ・アレンジ:大口純一郎)のアレンジを担当。

 

12月16日、ブルーズ・バンド「憂歌団」のヴォーカリスト木村 充揮(きむら あつき/1954年3月24日-)のソロ・デビュー・シングル“アイム・ソーリー”(作詞:中畑貴志/作・編曲:菅野よう子)を手掛ける。チオビタドリンクCMソング。

 

 

1994年8月25日~1995年6月25日にリリースされた全4巻のOVA『マクロスプラス』シリーズの音楽を制作、OP“After, in the dark”(作詞:山根麻衣・Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:山根麻衣)とED“VOICES”(作詞:覚和歌子/作曲・編曲:菅野よう子/歌:新居昭乃)も手掛けた。イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と自身初の海外録音を敢行。本作での菅野の仕事を境に、アニメ・サントラの潮流が変わったとしばしば指摘されている。

 

 

 

 

1995年、今井美樹のアルバム『Love Of My Life』およびコンサートの音楽プロデュースを布袋寅泰と共同で担当。

 

 

1996年、今井美樹をきっかけに知り合った作詞家の岩里祐穂と、菅野曰く「今井美樹に似た声の」声優:坂本真綾の歌手プロデュースを担当、2003年まで手掛ける。
同年、山本泰彦監督作品『僕は勉強ができない』より実写映画の音楽を担当。

 

 

1997年、ゲーム『アースウインズ』の音楽を担当。

 

 

1998年1月1日、自身名義のアルバム『Song to fly』をリリース。10曲中5曲はゲーム『アースウインズ』用の楽曲。

同年、Crystal Kayに提供した“Eternal Memories”(作詞:一倉宏/作曲:菅野よう子)がサントリー「ビタミンウォーター」CMソングに起用、三木鶏郎広告音楽賞を受賞する。Crystal Kayは翌1999年に本楽曲で歌手デビューする。


4~6月、テレビ東京系などでSFアニメ『カウボーイビバップ』(Cowboy Bebop)が、当時は諸事情で全26話中12話が放送。4か月後、1998年10月~1999年3月にWOWOWのノンスクランブル枠(無料放送)で全26話が放送。OP・ED曲と作中BGMは一部を除き全て菅野が作曲しており、菅野ら国内外の音楽家が参加したバンド「シートベルツ」(THE SEATBELTS) が演奏。ED曲以外にも、ヴォーカル曲が多用されている。OPテーマ“Tank!“(作曲:菅野よう子/演奏:シートベルツ)、EDテーマ“THE REAL FOLK BLUES”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:山根麻衣)、#13ED “SPACE LION”(作曲:菅野よう子/演奏:シートベルツ)、#26ED“BLUE”(作詞:ティム・ジェンセン/作・編曲:菅野よう子/歌:山根麻衣)。

 

 

 

 

1999年4月9日~2000年4月14日までフジテレビ系列(一部を除く)で全50話が放送されたテレビアニメ『∀ガンダム』(ターンエーガンダム)の音楽を担当、EDテーマ 1-15話・17-40話“AURA”(作詞・曲:谷村新司/編曲:菅野よう子/唄:谷村新司)、41-49話“月の繭”(作詞:井荻麟/作・編曲:菅野よう子/唄:奥井亜紀)、最終話“限りなき旅路”(作詞:C.Piece/作・編曲:菅野よう子/唄:奥井亜紀)も手掛ける。

 

 

 

同年、第13回日本ゴールドディスク大賞にて、『COWBOY BEBOP オリジナルサウンドトラック』がアニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。

 

 

2000年6月3日に公開された日本のアニメーション映画『人狼 JIN-ROH』に、“grace Jinroh-Main Theme-omega”(作・編曲: 溝口肇)を「Gabriela Robin」名義で作詞とヴォーカルを担当。

 

 

2002年1月21日~9月10日、テレビアニメ『ラーゼフォン』全26楽章が放送、OPテーマ“ヘミソフィア”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:坂本真綾)を担当。

 

10月1日~2003年11月30日、SFテレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』が放送、菅野は音楽を担当し、OPテーマ“inner universe”(作詞:Origa、Shanti Snyder/作・編曲:菅野よう子/歌:Origa)、“GET9”(作詞:Tim Jensen/作・編曲:菅野よう子/歌:jillmax)、EDテーマ“lithium flower”(作詞:Tim Jensen/作・編曲:菅野よう子/歌:Scott Matthew)、“I do”(作詞・歌:Ilaria Graziano/作・編曲:菅野よう子)も手掛けた。

 

 

 

 

 

2003年、東京アニメアワード音楽賞を『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にて受賞。同賞は2013年までに計5回受賞。

 

 

2004年、東京アニメアワード音楽賞を『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』にて受賞。2年連続2度目の受賞。

 

 

2005年4~9月、テレビ東京系でSFロボットアニメ『創聖のアクエリオン』全26話が放送。菅野は音楽を保刈久明と共同で担当、OPテーマ第3-17話“創聖のアクエリオン”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:AKINO from bless4)、第18-25話“Go Tight!”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:AKINO from bless4)、EDテーマ第2-13話・第15-24話“オムナ マグニ”(作詞:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:牧野由依)、第14話“荒野のヒース”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子・保刈久明/歌:AKINO from bless4)、第25話“Celiane”(作詞・歌:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子)の他、全挿入歌も手掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

2006年4月12日~2006年12月6日にフランスで放送された、日仏合作のSF冒険アニメ『オーバン・スターレーサーズ』にて、AKINO from bless4が歌うOPテーマ “Chance To Shine”(作詞:菅野よう子・岩里祐穂/作曲:菅野よう子)、 スコシが歌唱するEDテーマ“笑ってた”(クレジット同じ)の作曲と、作詞を共同で担当。なお、日本での放送期間は、2006年9月23日-2007年3月25日。

 

 

7月22日公開の高田雅博監督作品『ハチミツとクローバー』の音楽を担当。

 


2007年、「AKINO from bless4」へ2005年に提供した、『創聖のアクエリオン 裏切りの翼』挿入歌・『創聖のアクエリオン 太陽の翼』EDテーマ “創聖のアクエリオン” (作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子)がCMソングとしてヒット。

同年、大韓民国で初の海外公演を行う。

 

 

2008年、東京アニメアワード アニメーション・オブ・ザ・イヤー音楽賞を『劇場版アクエリオン』で3回目の受賞。

4~9月、MBS・TBS系列で放送されたテレビアニメ『マクロスF』の音楽を担当。OPテーマ “トライアングラー”(作詞:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:坂本真綾”、“星間飛行”(作詞:松本隆/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、 “ライオン”(作詞:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:May'n・中島愛)と、EDテーマ“愛・おぼえていますか -デカルチャーエディションsize-”(作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦/編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、“アイモ”(作詞:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、“ダイアモンド クレバス”(作詞:hàl/作・編曲:菅野よう子/歌:シェリル・ノーム starring May'n)、 “アイモ〜鳥のひと”(作詞:Gabriela Robin・坂本真綾/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、“ねこ日記”(作詞:一倉宏/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、“ダイアモンド クレバス50/50”(作詞:hàl/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛・シェリル・ノーム starring May'n)、“ノーザンクロス”(作詞:岩里祐穂・Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:シェリル・ノーム starring May'n)、“真空のダイアモンドクレバス”(作詞:hàl/作・編曲:菅野よう子/歌:シェリル・ノーム starring May'n)、“蒼のエーテル”(作詞:坂本真綾/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛)、“トライアングラー (fight on stage)”(作詞:Gabriela Robin/作・編曲:菅野よう子/歌:ランカ・リー=中島愛・シェリル・ノーム starring May'n)の他、ほとんどの挿入歌の作曲と編曲手掛けた。

 

 

 

 

 

 

5月2日、コンピレーション・アルバム『CMようこ』を発売。

 

 

 

7月16日、元ちとせの4作目オリジナルアルバム『カッシーニ』が発売。収録曲“恵みの雨” (作詞:HUSSY_R/作・編曲・プロデュース:菅野よう子)を手掛ける。P&G「h&s」シャンプーCMソング。

 

同年度、2008年度JASRAC賞銀賞を“創聖のアクエリオン”で受賞。

 

 

2009年、東京アニメアワード アニメーション・オブ・ザ・イヤー音楽賞を『マクロスF』で4回目の受賞。

4月22日、コンピレーション・アルバム第二弾『CMようこ2』を発売。

 

 

 

7月7日に親しい音楽家たちを集め、さいたまスーパーアリーナで「超時空七夕ソニック」を開催。最後に「Gabriela Robin」(ガブリエラ・ロビン)として1曲歌う。

 

 

2010年6月12日、坂本真綾のデビュー15周年記念企画第二弾作品である、「遣唐使船再現プロジェクト」テーマソング“美しい人”(作詞:坂本真綾/作・編曲:菅野よう子)をプロデュース、ピアノとキーボードも演奏した。アルバム『You can't catch me』(2011年)に収録。

7月17日に公開された小栗旬初監督映画『シュアリー・サムデイ』(SURELY SOMEDAY)の音楽を、小栗から直接依頼されて担当。

 

 

2012年4~6月、テレビアニメ『坂道のアポロン』の音楽を担当、OPテーマ“坂道のメロディ”(作詞・歌:YUKI/作・編曲:菅野よう子)、EDテーマ“アルタイル”(作詞:秦基博/作・編曲:菅野よう /歌:秦基博 meets 坂道のアポロン)も手掛けた。

 

 

5月23日にリリースされた、「NHK東日本大震災プロジェクト」テーマ・ソング“花は咲く”(作詞:岩井俊二/作・編曲菅野よう子)を担当。

 

8月4日、OVA『コードギアス 亡国のアキト』第1章が発売、第2章(2013年9月14日発売)と第3章(2015年5月2日発売)にも使われた主題歌“モアザンワーズ”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:坂本真綾)と、第4章(2015年7月4日)と最終章(2016年2月6日)に使用された“アルコ”(作詞:岩里祐穂/作・編曲:菅野よう子/歌:坂本真綾)を手掛けた。

 

 

 

2013年、『坂道のアポロン』、『アクエリオンEVOL』で東京アニメアワード アニメーション・オブ・ザ・イヤー音楽賞を5回目の受章。

同年、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』の音楽を担当。

同年、米国ボルチモアで開催されたイベント「Otakon 2013」に参加し、プロジェクト「piano me」によるライブパフォーマンスを披露。プロジェクトに真鍋大度、zAk(相対性理論)などが参加。

12月、中国の北京大学と明治大学が連携して開催した「第5回日本マンガ・アニメ文化先端講座」でゲスト講師を担当。

 

 

2014年、第8回 大正琴音楽大賞を“花は咲く”で受賞。

 

 

2015年、是枝裕和監督・脚本映画『海街diary』の音楽を担当。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが演じた。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品、第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品をはじめ国内映画賞を多数受章。菅野は本作品で第39回日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した。本作品を担当したきっかけは、主演女優の一人である長澤まさみが撮影の始まりに是枝裕和監督に菅野を推薦したからだという。

 

 

 

2017年、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の音楽を担当。

 

同年、本人認証した楽譜の販売サイト「Meow on the Bridge」が開設。
 

 

2018年、米国アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの会員の一人として招待される。

7月、怪物舞踏団(石川さゆり・SUGIZO・KenKen・DJ RENA・にゃんごすたー)によるペプシコーラのブランド「ペプシ Jコーラ」のCMで使用された楽曲“百鬼夜行”(作・編曲:SUGIZO・菅野よう子)をSUGIZOと共作。同年7月に世界245の国と地域で配信される。

 

 

2019年、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS フィルム部門・サウンドデザイン -を 「スカルプD メディカルミノキ5」CMソング“奇跡”(作詞:山﨑隆明/作曲:菅野よう子/歌唱:手島葵)で受賞。

 

同年、フライングドッグ10周年記念ライヴ「犬フェス!」出演をインフルエンザ発症のためキャンセル。

11月、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」にて奉祝曲“Ray of Water”を作曲、演奏を指揮。

 

 

2020年、新型コロナウイルス感染症による外出自粛期間にシートベルツのオンライン演奏企画「Session Starducks」を開催。

7月7日、「オンライン七夕まつり」を開催。

同年、渡辺晋賞を受賞。

 

 

2021年 11月に米ロサンゼルスで行われる実写版ドラマ『カウボーイビバップ』のプレミアイベントに参加。
 

 

2022年、公式サイトとTwitter(現:X)アカウントを開設。Twitterに関しては「地球でお留守番の秘書Bがツイート」としている。
 

 

2023年、NHK総合テレビ『うたコン』1月31日放送回に生出演。May'n・中島愛とともに『マクロスF』主題歌“ライオン”を披露した。

10月7日~12月23日、テレビアニメ『SPY×FAMILY』Season 2 が放送、Adoが歌った第26-37話OPテーマ“クラクラ”(作詞・曲:meiyo)のアレンジと演奏を「菅野よう子 × SEATBELTS」名義で行った。

 

 

2024年1月29日、本田技研工業の新CM「MOVE篇」が全国で放送開始。このCMにて、菅野が手がけた楽曲“Blue”を新人アーティスト・Mayaが歌う新バージョンが使用されている。“Blue”は1998年に放送され、世界中で人気を博し、Netflixで実写化もされたテレビアニメ・シリーズ『カウボーイビバップ』最終話のエンディング曲。

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「菅野よう子」

 

 

 

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