エイミー・リー(Amy Lee/本名:Amy Lynn Hartzler/出生名:Amy Lynn Lee/ 1981年12月13日~)は、アメリカ合衆国のミュージシャン。エヴァネッセンスのヴォーカリスト、ピアニスト。

 

 

 

1981年12月13日、エイミー・リン・リーは、アメリカ合衆国カリフォルニア州リバーサイド(Riverside, California)で、ディスク・ジョッキーおよびナレーション・アーティストとして働いていたジョン・リーとサラ・カーギルのもとに生まれた。5人兄弟の長女で、生きている姉妹が2人いる。リーには、彼女が6歳の時に正体不明の病気で3歳で亡くなった妹と、人生のほとんどを重度のてんかんに苦しんだ後2018年に24歳で亡くなった弟がいた。リーは、妹が亡くなった時、「人生に対する全体的な認識が変わった」と語った。

数度の転居を繰り返した後にアーカンソー州リトルロックに落ち着き、そこで育つ。
クラシック・ピアノを9年間学び、学校では合唱隊の長を務めた。


1994年、リーは中学時代に、クリスチャンのユース・キャンプで、ミート・ローフ(Meat Loaf)の“I'd Do Anthing For Love”をピアノで弾き語りで演奏した。その演奏に惹かれたベン・ムーディー(Ben Moody/1981年1月22日-)はギターを弾き、リーはピアノを弾いた。この時リーは、彼となら一緒に音楽を演奏できると思ったという。リーが13歳、ムーディーが14歳の時のことだった。

 

 

1995年、リーとムーディーは一緒に音楽を始めることとなり、「エヴァネッセンス」(Evanescence)を結成。

バンド名は、「Childish Intentions」や「Stricken」などを試した後、二人は「消失」または「消え去る」を意味する「Evanescence」に決定した。

 

 

1998年、リーとムーディーを中心に 『Evanescence EP』をBig Wig Entertainment からリリース。

 

 

1999年、『Sound Asleep EP / Whisper EP』をリリース。この内、共作第2作目“Understanding”が地元ラジオ局でチャートインする幸運に恵まれる。

 

しかし、この時期はリーとムーディーの2人の他にバンドメンバーがおらず、ライヴなどの活動を満足に行えずにいた。

同年、キーボーディストとしてデヴィッド・ホッジス(David Hodges)を迎えて3人体制となる。ホッジスは一部ヴォーカルも担当する。

 

 

2000年11月4日、『Origin』を発表する。
メジャー・デビュー前の3作『Evanescence EP』、『Sound Asleep EP / Whisper EP』、そして『Origin』は、リー自身がデモ集と位置づけており、正確にはアルバムとは認識されていない。しかし、これらは初期の彼らを知る重要な作品であり、しかも再発売の予定が全くないため、海賊版の取引が横行している。そのため、リーはファンサイトでダウンロードするなどして入手するようにインタビューなどで繰り返し勧めている。これらを購入する行為は、海賊版の販売者が利益を得るに過ぎないためである。

 

 

2002年、3人はワインド-アップ・レコーズ(Wind-Up Records)と契約。

同年、アルバムのレコーディングを開始。

12月29日にホッジスが脱退するも、アルバムは完成させる。

 

 

2003年3月4日、アルバム『フォールン』(Fallen)をリリースしてアメリカ・デビュー。本作からのリード・シングル“ブリング・ミー・トゥ・ライフ”(Bring Me To Life)が映画『デアデビル』(Daredevil)のサウンド・トラックに使用されたこともあり、全米5位・全英1位の大ヒットとなる。この影響もあって本アルバムは、全米3位・全英1位に達し、世界で1400万枚のビッグ・セールスを記録した。その結果、グラミー賞で最優秀新人賞と最優秀ハードロック・パフォーマンス賞を受賞。アルバムからはまた、"Going Under"が全英8位、"マイ・イモータル"(My Immortal)が全米7位・全英7位、"Everybody's Fool"が全英24位になった。

 

 

 

 

 

6月25日、遅れてアルバムが発売となった日本でも人気に火が着き、ゴールドディスク獲得、さらに日本ゴールドディスク大賞ではニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

同年、エイミー・リーとベン・ムーディーは、ギタリストとしてジョン・ルコンプ(John LeCompt)、さらにデモの録音などにも携わったドラムスのロッキー・グレイ(Rocky Gray)、ベースのウィル・ボイド(Will Boyd)を加えた5人体制でバンドを固め、プロモーションとツアーを始める。

10月22日、ヨーロッパツアーの最中、ムーディーがバンドから出奔(しゅっぽん/それまでにいた所から逃げ出して行方をくらますこと )するという事件が発生。バンド脱退の理由についてムーディーは「創造性の相違」などを語っていたが、後に双極性障害なども理由であったことを告白している。

ギタリストでコンポーザーでもあるムーディーを失う痛手を受けつつもバンドはツアーを強行し、後任にはコールドのテリー・バルサモ(Terry Balsamo)を迎えた。

 

 

2004年、リーは南アフリカで結成されたロック・バンド「シーザー」(Seether)のシングル“Broken”に参加。

 

11月23日、新たなラインナップとなったエヴァネッセンスは、パリでのライヴの模様をライヴアルバム『エニウエア・バット・ホーム』(Anywhere but Home)としてリリース。全米39位になった他、ギリシアで1位を獲得した。

 

 

2006年8月、アルバムからの先行1stシングル“コール・ミー・ホウェン・ユー・アー・ソバー” (Call Me When You're Sober)がラジオ・オンエアを解禁された。本曲は全米10位・全英4位に達した。

 

9月27日、『フォールン』発売から3年の月日を経て、2ndアルバム『ザ・オープン・ドア』(The Open Door)が日本先行発売、欧米でのリリースは同年10月3日となり、全米1位・全英2位を獲得。アメリカでの初動売上は、40万枚前後を記録した。アルバムからは他に、"Lithium"が全英32位になった。

 

 

7月14日に、バンドはベーシストのウィル・ボイドの脱退を発表。脱退の理由として、「大規模なコンサート・ツアーへの苦痛」と「家族のそばに居たい」というのが理由とされる。リーは「彼が幸せであることを祈っている」とコメントしている。

8月10日、後任には、元レヴォリューション・スマイルのギタリストであるティム・マッコードがベーシストとしてバンドに参加することが発表された。
10月5日、アルバムを携えたツアーはカナダのトロントより始まり、アメリカとヨーロッパを回る。

 

 

2007年1月23日から日本ツアーを開始してなんばHatchを皮切りに、24日 Zepp Osaka、26日 Zepp Nagoya、28日 横浜BLITZ、30日、31日 Zepp Tokyoと回った後、オーストラリアへ飛び、2度目のアメリカ・ツアーを催行。
5月4・5日、アメリカ時間のこの日、休暇中であったバンドから、ジョン・ルコンプとロッキー・グレイが解雇されたことが明らかになった。後任として取り敢えず現ダーク・ニュー・デイのウィル・ハント(Will Hunt/Ds)とトロイ・マクローホーン(Troy McLawhorn/G)をツアー終了までのメンバーとしてツアーを再開、コーンらとともに「ファミリー・ヴァリューズ・ツアー 2007」を行った。

 

 

2009年に、3人はライヴ活動を開始した。

 

 

2010年に入ると3rdアルバムリリースに向けてのレコーディングを開始した。レコーディングには、2007年のツアー・メンバーでもあったドラムスのウィル・ハントが参加している。レコーディング開始当時のプロデューサーは、スティーヴ・リリーホワイトだったが、後にフー・ファイターズやアリス・イン・チェインズなどを手がけたニック・ラスカリニクス(Nick Raskulinecz)に切り替えられた。

同年の夏・秋リリースに向けてレコーディングを進めていたが、エイミー・リーが創作意欲に勤しむため一時スタジオを離れ休暇をとることを決断、その後結局アルバム・リリースは2011年まで延期することが決定した。

 

 

2011年4月にニックと再びレコーディングを開始することが発表された。

同年5月、2007年のツアーメンバーだったドラマーのウィル・ハントとともにトロイ・マクローホーンがギタリストとして正式に加わることも発表された。
10月11日、セルフタイトルの3rdアルバム『エヴァネッセンス』(Evanescence)をリリース。全米1位・全英4位を獲得した。このアルバムに収録されている“Never Go Back”は、東日本大震災を受けて作られた曲である。アルバムからカットされたシングルは、"What You Want"が全米68位・全英72位、"Lost in Paradise"が全米99位・全英174位になった。

 

 

 

 

 

2012年2月、約5年ぶりの来日ツアーを催行。8日 パシフィコ横浜国立大ホール、9日 Zepp Tokyo、10日 Zepp Nagoya、13日 Zepp Osakaで、オープニングアクトは東京・名古屋がDazzle Vision、横浜・大阪がPay money To my Pain。


2013年10月のレコード会社身売り騒動(所属アーティストの切り売り)から2014年7月エイミーの出産にかけ、エヴァネッセンスとしての活動が休止。

 

 

2015年8月7日、バンドの公式Facebookにてギタリストのテリー・バルサモが脱退したことを発表。後任に、ドイツのフォーク・メタルバンド「エクリブリウム」(Equilibrium)でベースを弾いていたジェン・マジューラ(別読み:イェン・マユラ/Jen Majura)がギタリストとして加入した。

11月、米国ツアーおよび日本公演を催行。

 

 

2016年12月9日、エヴァネッセンスは、コンピレーション・アルバム『Lost Whispers』をリリース。『Origin』で最初に登場した曲“Even in Death”の新バージョンなどを収録。

 

 

2017年2月17日、『Origin』を含むすべてのアルバムをレコード(ビニール)でそろえたビニール・ボックス・セット『The Ultimate Collection』をリリース。

8月18日、“Bring Me To Life”のリメイクがシングルとしてリリースされた。

9月14日、シングル“Imperfection”をリリース。

 

11月10日、4thアルバム『Synthesis』をリリース。全米8位・全英23位。

 

 

2018年10月12日、ライヴアルバム『Synthesis Live』をリリース。

 

 

2019年9月5日、Xbox はビデオ ゲーム『Gears 5』のローンチ トレーラーをリリース。これにはフリートウッド・マックの“The Chain”のカヴァーが含まれており、ヴォーカルはリーにクレジットされていた。

11月22日、エヴァネッセンスによって“The Chain”のフルバージョンがリリースされ、バンドの他のメンバーによるバック ボーカルをフィーチャーされた。この曲のMVは翌2020年1月9日にリリースされた。このカヴァー曲は、バンドの次の5thアルバムには収録されなかった。

 

 

2020年4月17日、バンドは新しいアルバムのタイトル『The Bitter Truth』とアートワークを発表。

4月24日、アルバムからの最初のシングル“Wasted on You”が、MVとともにリリースされた。MVにはR. Brown が監督し、パンデミックのために自宅にいるバンドメンバーのショットが含まれていた。

 

7月1日、2番目のシングル“The Game Is Over”をリリース。

 

8月14日、アルバムからの3番目のシングル“Use My Voice”をリリース。

 

 

2021年3月26日、5thアルバム『The Bitter Truth』をリリース。全米11位・全英4位。ビートルズ"Across The Universe"のカヴァー等を収録。

 

 


2022年5月、バンドが公式サイトにて、ギタリストのジェン・マジューラが脱退したと発表。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「エイミー・リー」「Amy Lee」「エヴァネッセンス」「Evanescence」

https://evanescencestore.com/