チャーリー・バーチル(Charlie Burchill/出生名:Charles Burchill/1959年11月27日~)は、英国スコットランド出身のロックミュージシャン、ソングライター。

同国のロック・バンド「シンプル・マインズ」のギタリストとして知られる。

 

 

 

1959年11月27日、チャールズ・バーチルは英国スコットランドのグラスゴー(Glasgow)に生まれる。

 

1977年、高校時代にヴォーカルのジム・カーらとともにバンド「Johnny and the Self Abusers」を結成し、ギターを担当した。

バンドはその後、ジム・カー(Jim Kerr/ Vo)、チャーリー・バーチル(G)、デレク・フォーブス(Derek Forbes/ B)、ブライアン・マッギー(Brian McGee/ Ds)、マイケル・マクニール(Michael MacNeil/ Key)の5人により「シンプル・マインズ」(Simple Minds)を結成。これがオリジナルメンバーである。

 

 

1979年、バンドはレコード会社にZOOM(アリスタ)を選び契約。

4月、1stアルバム『駆け足の人生』(Life in a Day)をリリース、全米30位にチャートインした。このアルバムでシンプル・マインズは、イギリスのロック・バンド「マガジン」(Magazine) の影響が色濃く表れた、パンク・バンドのような音を出していた。タイトルトラック “Life in a Day”が1stシングルとなり、全米62位を記録した。本作でバーチルはギターの他にヴァイオリンも演奏している。

 

11月11日、2ndアルバム『リアル・トゥ・リアル・カコフォニー』(Real to Real Cacophony)を発表。わずか7カ月前に出したデビューアルバムとは異なり、シンプル・マインズのサウンドはパンク系から一気にニュー・ウェイヴへと舵を切った。しかし、シングル"Changeling"ともどもチャート入りを逃すなど、商業的成功は得られなかった。本アルバムでバーチルは前作に引き続きヴァイオリンを弾き、さらにサックスも吹いている。

 

 

1980年9月12日、3rdアルバム『エンパイアーズ・アンド・ダンス』(Empires and Dance)を発表、全英41位になった。このアルバムから“アイ・トラベル”(I Travel)と“セレブレイト”(Celebrate)が米『ビルボード』誌の「アメリカンディスコチャート」に入るヒットを記録。本作でバーチルはサックスも演奏した。

 

 

1981年2月、ZOOMからヴァージン・レコードに移籍。

9月12日、4thアルバム『サンズ・アンド・ファシネーション』(Sons and Fascination)を発表、全英11位になった他、スウェーデン4位、ニュージーランド7位にチャートインした。アルバムからは"Love Song"が全英47位、"Sweat in Bullet"が全英52位にチャートインした。

 

アルバム発表直後、ドラマーのブライアン・マッギーが結婚を理由に脱退した。

 

 

1982年、ZOOM時代の音源を集めた初のベスト『セレブレイション』をヴァージンから発表。

9月13日、5thアルバム『黄金伝説』(New Gold Dream [81–82–83–84])をリリース、全英3位・全米69位。マイク・オーグルトリーが新ドラマーとして加入した。バーチルが得意とするディレイやコーラスなどのエフェクターを多用した演奏方法を遺憾なく発揮した本アルバムからのシングルは、"Promised You a Miracle"が全英13位、"Glittering Prize"が全英16位を記録。また、アルバム収録曲“さらば夏の日”(Someone Somewhere in Summertime)が日本でサントリー「オールド」ウイスキーのCMに使われ話題を呼んだ。 

 

 

 

 

 

1983年、ジムの友人ボノ(U2)からの紹介でスティーヴ・リリーホワイトと出会う。だが、ドラマーのマイク・オーグルトリーは脱退してしまう。

 

 

1984年、スティーヴ・リリーホワイトをプロデューサーに迎え、6thアルバム『スパークル・イン・ザ・レイン』(Sparkle in the Rain)を発表。ドラマーは前作からサポートで参加していたメル・ゲイナーが正式加入した。リリーホワイトは当時、U2やビッグ・カントリーのプロデューサーとして一番話題を呼んでいた頃で、このアルバムも話題になり、初の全英1位を取得。一気にイギリスを代表するバンドとなった。アルバムからのシングルは先行リリースされた"Waterfront"が全英13位・ニュージーランド1位・アイルランド5位になったのをはじめ、"Speed Your Love to Me"が全英20位、"Up on the Catwalk"が全英27位になった。

 

 

 

 

 

1985年、オリジナルメンバーのデレク・フォーブス(B)が脱退、代わりにジョン・ギブリンが加入。

同年、映画『ブレックファスト・クラブ』主題歌“ドント・ユー?”(Don't You [Forget About Me])が全英1位・全米1位の大ヒット。

 

同年、7thアルバム『ワンス・アポン・ア・タイム』(Once Upon a Time)を発表した。2作連続全英1位になった本アルバムからのシングルは、日本でミズノのCMソングになった“アライヴ・アンド・キッキング” (Alive and Kicking)が全英7位・全米3位、『ビルボード』誌「全米メイン・ストリーム・ロック・トラックス」では2位になる爆発的なヒットを記録した。本アルバム収録曲は、カーとバーチル、マクニールによる共作。

 

 

 

 

 

全米でも成功したシンプル・マインズはライヴ・エイドにも出演した。

 

シンプル・マインズにとってこの年は大変大きな成功を収めた重要な年である。

 

 

1989年、8thアルバム『ストリート・ファイティング・イヤーズ』(Street Fighting Years)を発表。プロデューサーはトレヴァー・ホーンが務め、「以前とは異なったスケールが感じる作品」、「U2のヨシュア・トゥリーみたいなアルバム」などと評され、当時は賛否両論だった。だが、“ベルファスト・チャイルド”(Belfast Child)が全英1位、"This Is Your Land"が全英13位、“マンデラ・デイ”(Mandela Day)が全米モダン・ロックチャートで17位、アルバムが全英1位を獲得と、セールス的には大成功を収めた。

 

 

 

 

 

1990年、アルバム発表後、オリジナルメンバーだったマイケル・マクニール(Key)が脱退、これでオリジナルメンバーはジム・カー、チャーリー・バーチルの2人だけになった。マクニールの脱退後はバーチルがキーボードやプログラミングなども担当し、バンドのメインプレイヤーとしての役割を果たしている。

 

 

1991年、ベーシストのジョン・ギブリンが脱退し、ジム・カーとチャーリー・バーチル、メル・ゲイナーの3人が正式メンバーとなり9thアルバム『リアル・ライフ』(Real Life)を発表。日本盤(東芝EMI)はジャケットが現在の再発盤と異なっている。前作の延長線上にあたるポップスを展開したが、中期のようなアップテンポな楽曲も収録。“レット・ゼア・ビー・ラヴ”(Let There Be Love)が全英6位となった他、"See the Lights"が全英20位、"Stand By Love"が全英13位に達した。

 

 

 

 

1992年、自身2枚目のベスト『ザ・ベスト・オブ・シンプル・マインズ81/92』(Glittering Prize 81/92)が発表された。このベスト盤は『サンズ・アンド・ファシネーション』から『リアル・ライフ』までの曲が選曲されており、堂々の1位を獲得した。"Love Song" / "Alive and Kicking" のカップリングでシングルとして再販され、全英6位に到達した。

 

 

1995年、10thアルバム『グッド・ニュース・フロム・ザ・ネクスト・ワールド』(Good News from the Next World)を発表。カーとバーチルの2人だけが正式メンバーとしてクレジットされたが、音は中期の頃のニュー・ウェイヴ系ロックサウンドが完全復活していた。中でも“シーズ・ア・リヴァー” (She's a River)が全英9位、“ヒプノタイズト”(Hypnotised)が全英18位と大ヒットした。

 

 

 

1998年、オリジナル・メンバーのデレク・フォーブスが再加入して、メンバーは、ジム・カー(Vo)、チャーリー・バーチル(G,Key)、デレク・フォーブス(B)、メル・ゲイナー(Ds)の4人になった。

このラインナップでEMIと契約。

3月16日、11thアルバム『ナポリ』(Néapolis)を発表した。キーボードやプログラミングを大胆に取り入れたモダンな作風に変化したが、全英では19位とセールス面では不発に終わった。シングルは"Glitterball"が全英18位になった他イタリアで10位、"War Babies"は全英43位になった。

 

 

2001年、初のオールタイム・ベスト『ザ・ベスト・オブ・シンプル・マインズ』(2枚組)を発表、全英34位とだった。『駆け足の人生』から『ナポリ』までのアルバムから選曲されている。

10月8日には12thアルバムでカヴァー曲集『ネオン・ライツ』(Neon Lights)を発表。1970~80年代の大物をカヴァーしている。

 

 

 

2002年、EMIとの契約を切り、EAGLE RECORDSと契約。13thアルバム『クライ』(Cry)を発表。本アルバムの収録曲“スペースフェイス”(Spaceface)はイギリスのDJ Judge Julesがリミックスするなどして久しぶりに話題を呼んだ。

 

 

 

2003年、『駆け足の人生』から『黄金伝説』までを集めた「初期のベスト」を発表。またこれにあわせて初のDVD作品『シーン・ザ・ライツ』を発表している。ちなみにこの年にリリース予定だったアルバム『Our Secrets Are the Same』はレコード会社との関係でお蔵入りとなってしまう。これは未だにリリースされていない。

 

 

2004年、ボックス・セット『シルバー・ボックス』発表。レアトラック、ライヴなどで構成されていてU2のボノと共演した幻のライヴも収録されている。

 

 

2005年、デレク・フォーブスが脱退し、エディ・ダフィ(B)が新たに加入。

9月12日、14thアルバム『ブラック&ホワイト050505』(Black & White 050505)を発表、全英37位。アルバムから"Home"が全英41位に入った。本アルバムのプロモーションのためシンプル・マインズは来日したが、念願のライヴは実現しなかった。

 

 

 

2006年、ボックス・セット『プラチナム・コレクション』発表。3枚組でベストとライヴで構成されていて、大ヒット曲“マンデラ・デイ”や“アライヴ・アンド・キッキング”などを収録。

 

 

2009年、デビュー30周年を迎える。

5月25日、15thアルバム『グラフィティ・ソウル』(Graffiti Soul)を発表、全英10位を記録した。アルバムからのシングル"Rockets"が全英146位に入った。

 

その後は、ライヴ活動を積極的に行うようになり、ライヴ・アルバムのリリースが続く。

 

 

2011年、ライヴ・アルバム『Live 2011』(日本盤未発売)をリリース。

 

 

2012年、ライヴ・アルバム『5 x 5』(日本盤未発売)をリリース。

 

 

2013年、新曲を含む通算3枚目となるベスト・アルバム『Celebrate: The Greatest Hits』(日本盤未発売)をリリース。

 

 

2014年、地元グラスゴーでのライヴを収めた初のBlu-ray作品『Celebrate: Live at the Glasgow See Hydro』をリリース。DVDとCDの形態でもリリースされた。

同年11月、5年ぶりのオリジナルアルバム『ビッグ・ミュージック』(Big Music)がSMEよりリリースされ、全英12位。

 

 

 

 

 

2016年、17thアルバム『Acoustic』をリリース。以前のヒット曲の数々をアレンジを変えてセルフカヴァーしている。

 

 

 

2018年、18thアルバム『Walk Between Worlds』をリリース。全英チャート4位を記録。

 

 

 

 

 

 

2019年10月4日、ライヴ・アルバム『Live in the City of Angels』をBMGから発売、全英9位。

11月1日、11月1日、全キャリアを網羅するベスト・アルバム『40: THE BEST OF 1979 – 2019』をリリース、全英27位を記録した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(参照)

Wikipedia「チャーリー・バーチル」「Charlie Burchill」「シンプル・マインズ」「Simple Minds」