八代 亜紀(やしろ あき/本名:増田 明代(ますだ あきよ)/旧姓:橋本/1950[昭和25]年8月29日~)は、日本の演歌歌手、女優、タレント、画家。

 

 

 

熊本県八代郡金剛村(現:八代市)出身。読みは異なるものの、芸名の「八代」(やしろ)は出身地の「八代」(やつしろ)市から採っている。

幼少の頃から父親の歌う浪曲を子守唄代わりに聴きながら育つ。そうした影響もあり、八代は歌好きの子どもになり、地元の歌唱コンクールなどにも出場していた。

八代が小学5年生の時、たまたま父親が買ってきたジュリー・ロンドンのレコードを聴き、そのハスキーボイスに魅せられる。もともと自身もハスキーボイスの持ち主だった八代は、その声に若干のコンプレックスがあったが、ジュリーの声質に勇気づけられ、クラブ歌手になることを意識するようになる。

中学卒業後、地元熊本のバス会社九州産業交通(現:九州産業交通ホールディングス)のバスガイドとして勤務していたが、15歳で父親の反対を押し切り上京。銀座のクラブ歌手となり、スタンダードやポップスなどを歌った。

 

 

1971(昭和46)年9月25日、テイチクよりシングル“愛は死んでも”(作詞:池田充男/作曲:野崎真一/編曲:伊藤雪彦)でデビュー。

 

同年、読売テレビのオーディション番組『全日本歌謡選手権』に出場して10週連続勝ち抜き、グランドチャンピオンとなる。

 

 

1973(昭和48)年2月5日、“なみだ恋”(作詞:悠木圭子/作曲:鈴木淳/編曲:小谷充)発売、売り上げ120万枚と大ヒット、オリコン12位。

 

12月31日、第24回 NHK紅白歌合戦に初出場、“なみだ恋”を歌唱。

 

 

1974(昭和49)年1月25日、シングル“しのび恋”(作詞:悠木圭子/作曲:鈴木淳/編曲:伊藤雪彦)発売、オリコン13位。

 

5月25日、シングル“愛ひとすじ”(作詞:川内康範/作曲:北原じゅん/編曲:小谷充)発売、オリコン10位。

 

6月25日、アルバム『愛ひとすじ』発売、LP8位・カセットテープ(CT)8位。

8月10日、石原裕次郎とのデュエットシングル“別れの夜明け”(作詞:池田充男/作・編曲:伊藤雪彦)発売、オリコン17位。石原とはこの後も2曲、デュエットシングルをリリースした。

 

8月25日、アルバム『オン・ステージ』発売、LP8位・CT12位。

9月25日、シングル“愛の執念”(作詞:川内康範/作曲:北原じゅん/編曲:伊藤雪彦)発売、オリコン49位。

 

 

1975(昭和50)年1月25日、シングル“おんなの夢”(作詞:悠木圭子/作曲:鈴木淳/編曲:馬場良)発売、オリコン3位。

 

5月25日、シングル“ともしび”(作詞:悠木圭子/作曲:鈴木淳/編曲:竜崎孝路)発売、オリコン10位。

 

 

1976(昭和51)年1月25日、シングル“花水仙”(作詞:池田充男/作曲:浜圭介/編曲:伊藤雪彦)発売、オリコン14位。アルバム『花水仙』も同時発売、LP19位・CT8位。

 

9月25日、シングル“もう一度逢いたい”(作詞:山口洋子/作曲:野崎真一/編曲:竜崎孝路)発売、オリコン9位。

 

 

1977(昭和52)年2月5日、シングル“おんな港町”(作詞:二条冬詩夫/作・編曲:伊藤雪彦)発売、オリコン13位。

 

9月25日、シングル“愛の終着駅”(作詞:池田充男/作曲:野崎真一/編曲:竹村次郎)発売、オリコン13位。

 

11月25日、シングル“おんな橋”(作詞:梅林貴久生/作・編曲:菊池俊輔)発売、日本テレビ系テレビドラマ『うどん一代』主題歌。

 

 

1979(昭和54)年5月25日、シングル“舟唄”(作詞:阿久悠/作曲:浜圭介/編曲:竜崎孝路)発売、オリコン15位。アルバム『舟唄』も同時発売、LP52位・CT9位。

 

 

1980(昭和55)年4月25日、シングル“雨の慕情”(作詞:阿久悠/作曲:浜圭介/編曲:竜崎孝路)発売、オリコン9位。日本レコード大賞を受賞する。

 

5月25日、アルバム『雨の慕情』発売、LP40位。

9月10日、シングル“港町絶唱”(作詞:阿久悠/作曲:浜圭介/編曲:竜崎孝路)発売、オリコン28位。“舟唄”、“雨の慕情”、そして“港町絶唱”の3曲は、阿久悠、浜圭介、竜崎孝路の3人による「哀憐三部作」とされる。

 

NHK紅白歌合戦では2年連続大トリを務めて“演歌の女王”と称された。

 

 

1981(昭和56)年12月20日、シングル“はまなすの花が咲いたら”(作詞:岡本おさみ/作・編曲:樋口康雄)発売、TBS系テレビドラマ『はまなすの花が咲いたら』主題歌。

 

 

1982(昭和57)年、センチュリーレコードへ移籍。

8月21日、シングル“海猫”(作詞:高橋直人/作曲:小林学/編曲:竜崎孝路)を発売、オリコン43位。

 

 

1983(昭和58)年8月21日、シングル“日本海”(作詞:阿久悠/作曲:大野克夫/編曲:三木たかし)発売、オリコン79位。

 

 

1984(昭和59)年10月5日、シングル“恋瀬川”(作詞:秋野めぐみ/作曲:竹田賢/変巨億:斉藤恒夫)発売、作詞者の「秋野めぐみ」は八代のペンネーム。オリコン52位。

 

 

1986(昭和61)年に日本コロムビアへ移籍。

 

 

1987(昭和62)年、個人事務所設立。

 

 

1990(平成2)年2月10日、“花束(ブーケ)”(作詞:阿久悠/作曲:服部克久/編曲:服部隆之)発売。ポップス調バラードの同曲は八代の新たな一面を引き出し、演歌主体のファン以外からも支持されて、オリコン週間ランキング最高位67位ながらロングセラーとなった。

 

6月21日、高倉健とのデュエットシングル“挽歌”(作詞:荒木とよひさ/作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路)を日本コロムビアより発売、オリコン41位。

 

 

1994(平成6)年4月6日~1995年3月23日、テレビ東京系列アニメ『とっても!ラッキーマン』のOPテーマ“ラッキーマンの歌”(作詞:ガモウひろし/作曲:佐瀬寿一/編曲:矢野立美)、EDテーマ“恋はブーガ”(作詞:高田ひろお 作曲:佐瀬寿一 編曲:矢野立美)を歌唱。『週刊少年ジャンプ』連載の原作漫画で「ラッキー・クッキー・八代亜紀」というギャグが使われていた。

 

 

 

1998(平成10)年、第24回欧州国際美術展に『見つめているものは…』で入選。

同年、フランス ル・サロン展に『想い出』で入選。以降、2002年まで5年連続で入選を果たし、日本の芸能人として初の正会員になるなど、画家としての評価をも揺るぎないものにする。

 

 

2006(平成18)年8月23日、シングル“女心と秋の空”(作詞・曲:所ジョージ/編曲:石倉重信)発売、オリコン109位。

 

 

2007(平成19)年2月21日、シングル“鰻谷”(作詞・曲:河島英五/編曲:河島翔馬)発売、オリコン179位。

 

7月18日、シングル“立ち呑み『小春』”(作詞:もず唱平/作曲:円広志/編曲:前田俊明)発売、オリコン105位。

 

 

2010(平成22)年、芸能生活40周年を迎えたこの年、歌唱技術が認められて、文化庁長官表彰を受賞。

 

 

2012(平成24)年10月10日、日本コロムビアに所属しながら同社了承の下で、小西康陽プロデュースによるジャズアルバム『夜のアルバム』をユニバーサルミュージックジャパンから発売して世界75か国で同時配信され、歌手活動42年目で世界デビューする。マレーシアのiTunes Storeジャズチャートで1位、シンガポール2位、台湾4位、香港7位、オリコン・アルバムチャートのデイリーチャートで最高9位、週間チャートで最高20位を記録し、ヒット作となった。オリコン・アルバムチャートTOP20入りは34年ぶりである。

 

 

11月9日にジャズ歌手としてブルーノート東京のステージに立った。

同年、故郷である熊本県八代市に新設された熊本県立八代清流高等学校の新校歌制作を依頼され快諾、自ら作詞作曲した新校歌を熊本県立八代清流高等学校に贈った。

 

 

2013(平成25)年3月27日、ニューヨークの名門ジャズクラブ「バードランド」でライヴを開催し、八代が憧憬するヘレン・メリルをゲストに招き初共演、4月29日にライヴの模様がNHK総合テレビでドキュメンタリー番組『演歌の女王 ジャズを歌う〜八代亜紀・ニューヨークでの挑戦〜』として放送される。同番組が反響を呼び8月21日に当日のライヴを収録したアルバム『夢の夜〜ライヴ・イン・ニューヨーク』が発売、9月7日に開催されたジャズ・フェスティバル「第12回 東京JAZZ」に出演する等、現在は演歌のコンサートと並行しジャズライヴも積極的に実施。

 

 

2014(平成26)年10月22日、シングル“心をつなぐ10円玉”(作詞:かず翼/作曲:杉本眞人/編曲:矢野立美)発売、オリコン83位。

 

 

2015(平成27)年10月、寺岡呼人プロデュースによる初のブルース・アルバム『哀歌 -aiuta-』を発表。

 

 

11月、3年ぶりにブルーノート東京で『AKI YASHIRO "aiuta" Special Night』を開催。

12月、東京国際フォーラムにて『八代亜紀 "哀歌" クリスマスコンサート』を開催。

 

 

2017(平成29)年5月24日、May J.とのデュエットシングル“母と娘の10,000日”(作詞・作曲・編曲:アンジェラ・アキ)発売、オリコン55位。

 

10月11日、ジャズアルバム第二弾『夜のつづき』を発売し、前作『夜のアルバム』に続いてiTunesジャズチャートで1位を獲得する。同作品の発売を記念して11月にブルーノート東京、12月にビルボードライブ大阪、2018年1月にブルーノート名古屋でジャズライブを開催する。年間を通じて全国を巡るコンサートやディナーショーは演歌・ジャズ・ブルースで構成され、ジャンルレスを掲げた公演を続けている。

 

 

 

2018(平成30)年6月、フレンチポップスの女王「シルヴィー・バルタン」の日本最後の公演にゲスト出演、シルヴィーと共演。

 

 

2019(平成31)年2月6日、みやぞんとのデュエットシングル“だいじょうぶ”(作詞:伊藤薫/作曲:高見沢俊彦/編曲:高見沢俊彦・鎌田雅人)をVirgin Musicから発売、オリコン73位。

 

 

2020(令和2)年3月11日、デビュー50周年特別企画シングル“明日に生きる愛の歌 / ワタシウタ”(作詞:悠木圭子/作曲:鈴木淳/編曲:鎌田雅人) / (作詞・曲:カタヤマケイジ/編曲/鎌田雅人)発売、 オリコン152位。

 

 

12月9日、作詩家協会創立55年記念×八代亜紀デビュー50周年特別企画。第53回日本作詩大賞 新人賞 作品“居酒屋「昭和」”(作詞:中山正好/作曲:八代亜紀・大谷明裕/編曲:竹内弘一)発売、オリコン58位。

 

 

2021(令和3)年3月、第42回松尾芸能賞 大賞を受賞。

9月25日、CD4枚+ DVD1枚組のベストアルバム『八代亜紀ベストヒット 50』と、デビュー50周年を記念して新たに録音した“なみだ恋”、“舟唄”、“雨の慕情”など往年の大ヒット曲12曲に加え最近のヒットシングル3作品を収録した『八代亜紀ベストヒット 〜  ニューレコーディングス&ニューシングルズ〜』を同時発売。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「八代亜紀」