岩崎 良美(いわさき よしみ/1961[昭和36]年6月15日~)は、日本の歌手・女優。

 

 

 

東京都江東区出身。

1961年6月15日、東京の下町・深川に、三姉妹の三女として誕生。歌手の岩崎宏美(1958年11月12日~)は次姉。父は木材機械輸入販売会社の経営者。

 

成城学園初等学校・中学校卒業。

成城学園入学後、歌のレッスンを受け、姉の宏美と同じく松田敏江に師事する。

歌のほかに剣道、テニス、乗馬を習い、父親の方針に従いスポーツにも励んだ。

 

1975年、次姉の宏美が歌手としてデビュー、いきいきと仕事をする姉への憧れから歌への関心をいっそう強めていった。

姉と一緒にいたところテレビ局のプロデューサーの目に留まる。芸能界入りを希望するものの、父の大反対を受ける。反対の理由は、良美の性格が内向的であることと、一家に芸能人が二人もいるのは両者や家族のために悪いから、とのことだった。しかし、それを聞いた宏美は実父に直接「いつも可愛がってた(末妹の)良美に対して、そんな冷たい言い方はないんじゃないの」と激怒したという。

 

堀越学園高等学校に入学。

1978年、高校2年の時、恩師である松田敏江の後押しもあり、テレビ時代劇『江戸の鷹 御用部屋犯科帖』5月23日放送回「戦慄!夜霧の女」にゲスト出演して芸能界デビュー。

 

1980年2月21日、シングル“赤と黒”(作詞:なかにし礼/作曲:芳野藤丸/編曲:大谷和夫)でキャニオンレコード(当時)より歌手デビュー。第9回東京音楽祭・国際友好賞。オリコン19位。同じ1980年にアイドル歌手としてデビュー、さらに同学年でもあった松田聖子と鹿取洋子の二人とは、特に仲の良い親友同士となった。

 

5月21日、2ndシングル“涼風”(作詞:来生えつこ/作曲:芳野藤丸/編曲:大谷和夫)を発売、TBS系『ザ・ベストテン』で2週連続10位にランクインし、同年の第6回日本テレビ音楽祭で最優秀新人賞を受賞。オリコン18位。

 

7月21日、1stアルバム『Ring-a-Ding』発売。

8月21日、3rdシングル“あなた色のマノン”(作詞:なかにし礼/作曲:芳野藤丸/編曲:大谷和夫)を発売、日本レコード大賞などで新人賞を獲得。オリコン22位。

 

12月21日、4thシングル“I THINK SO”(作詞:岡田冨美子/作曲:網倉一也/編曲:船山基紀)を発売、本人出演の「オリエント時計」CMソング。オリコン23位。2ndアルバム『SAISONS』と同日発売。

 

12月31日、『第31回NHK紅白歌合戦』に初出場。姉・宏美も6年連続6回目の出場を果たし、姉妹の紅白共演が実現、別アーティストとしての姉妹同時出場は紅白史上初の快挙となった。

子どもの頃からおとなしく女性らしい性格であるが、デビュー後は楽曲制作に関してしっかりと意見を述べ、意志の強い一面も見せ始める。当時の担当プロデューサーである渡辺有三は、作品づくりにおいて、この点に大きく影響を受けたと語っている。

 

1981年3月21日、シングル“四季”(作詞:丹羽しげお/作・編曲:佐藤準)を発売。

 

6月5日、シングル“ LA WOMAN”(作詞:大津あきら/作曲:南佳孝/編曲:船山基紀)発売。

 

7月21日、2ndアルバム『Weather Report』発売。

 

9月5日、シングル“ごめんね Darling”(作詞・曲:尾崎亜美/編曲:鈴木茂)発売。

 

12月5日、3rdアルバム『心のアトリエ』発売。収録曲“あなたへの想いを胸に”(作・編曲:大村雅朗)で初めて自身で作詞を手掛ける。

 


 

1982年1月21日、8thシングル“愛してモナムール”(作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦/編曲:清水信之)発売。

 

6月21日、アルバム『Cecile』発売。

7月21日、10thシングル“マルガリータ ガール”(作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦/編曲:清水信之)発売、B面“Vacance”(作詞:青木茗/作曲:パンタ/編曲:7清水信之)。

 

 

10月5日、11thシングル“化粧なんて似合わない”(作詞・曲:尾崎亜美/編曲:鈴木茂)発売。

 

 

1983年1月21日、12thシングル“恋ほど素敵なショーはない”(作詞:売野雅勇/作曲:梅垣達志/編曲:大村雅朗)を発売。

 

4月21日、13thシングル“ラストダンスには早過ぎる”(作詞:売野雅勇/作曲:上久保純/編曲:大村雅朗)発売。

 

 

1984年頃から俳優としての活動も増え、同年は山田太一ドラマ『真夜中の匂い』、『スクール☆ウォーズ』にレギュラー出演した。

4月21日、17thシングル“愛はどこに行ったの”(作詞:康珍化/作曲:林哲司/編曲:大村雅朗)を発売。

 

 

1985年3月21日、20thシングル“タッチ”(作曲:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)を発売、テレビアニメ『タッチ』第1期オープニングテーマの同曲が自身最大のヒットとなり、年末に開催された『第27回日本レコード大賞』で金賞、日本アニメグランプリ等を受賞。B面の“君がいなければ”(作曲:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)は同アニメ第1期エンディングテーマ。オリコン12位止まりだったがロングセラーとなった。

 

 

10月16日、21thシングル“愛がひとりぼっち”(作詞:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)を発売、タッチ』第2期オープニングテーマ曲。 B面“青春”(作詞:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)は同アニメ第2・3期エンディングテーマ曲に加え、1986年3・4月開催の第58回センバツ高校野球大会の入場行進曲に起用され、岩崎は同大会開会式のゲストとして生出演した。表題曲は1985 FNS歌謡祭で優秀歌謡音楽賞を受賞、オリコン10位。

 

 

11月21日、アルバム『タッチ』を発売。

 

 

1986年6月5日、22thシングル“チェッ!チェッ!チェッ!”(作詞:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)発売、『タッチ』第3期オープニングテーマ曲。B面“約束”は同エンディングテーマ曲。オリコン15位。

 

 

 

1987年2月5日、23thシングル“情熱物語”(作詞:康珍化/作・編曲:芹澤廣明)発売。テレビアニメ『タッチ』第94話 - 第101話オープニングテーマ曲。

 

8月5日、25thシングル“ONLY HE”(作詞:高柳恋/作曲:A.L.Webber R.Stilgoe/編曲:武部聡志)発売。

 

歌手としてヒットにも恵まれたが、次姉・宏美との比較に悩み、大好きだった歌が次第に楽しくなくなっていったという。

 

 

1989年7月1日、CBSソニーに移籍し、26thシングル“硝子のカーニバル”(作詞:横山武/作曲:都志見隆/編曲:中村哲)を発売。

9月、アルバム『月夜にGOOD LUCK』を発売。

この後、芸能活動の主体を舞台やドラマ出演に移し、多数の作品に出演した。

 

 

1990年、朝の連続ドラマ『花真珠』にトップクレジットで出演、海外でも放送されるヒットとなる。本作品は「清楚さと現代的なセンスを兼ね備えているため、真珠のイメージに合う」ということでの起用だった。

 

 

1994年、舞台『ヴェニスの商人』に出演し、本作品の英国人演出家との出会いがきっかけとなって、以前のように「うまく歌わなくてはいけない」とばかり考えずに、今の私だから歌える歌があるかもしれないと思うようになったという。

 

 

1998年11月1日、再び歌にも気持ちが向かうようになり、歌手復帰第一作となる27thシングル “Message”(作・編曲;吉原かつみ)を発表、本作では自身で作詞も手がけた。

 

 

2001年12月20日、28thシングル“風のささやき”(作詞・曲:A.Bergman M.Bergman M.Legrand/編曲:江藤直子)“を発売、カップリングの“鳥になって”(作詞:岩崎良美/作・編曲:江藤直子)や“夢見るシャンソン人形”(作詞・曲:Serge Gainsbourg/編曲:大津真・江藤直子)を含め、フレンチポップスがレパートリーに加わった。当時は「フランス語をまだ形にできていない」としながらも、テレビでは歌番組のほか語学番組でも歌唱を披露した。

 

 

2002年、ミュージカル『アニー』でメインキャストであるグレース・ファレル(エレガントな富豪秘書)を好演。9年にわたるロングランとなる。

同年より姉・岩崎宏美のカヴァーアルバム『DearFriends』シリーズに姉妹デュエットで参加。

 

 

2006年、NHK-Eテレで放送中のアニメーション『おさるのジョージ』の語り手と主題歌を担当。

 

 

2008年、公式では初となる姉・宏美とのジョイントコンサート「岩崎宏美・岩崎良美 Precious Night プレシャスナイト」を開催。

 

 

2009年12月5日、セルフカヴァーアルバム『岩崎良美ヴォーカルアルバム 赤と黒から…I』を発売。デビュー30周年記念セルフカバーミニアルバムで“赤と黒09”、“ごめんねDarling”、 “Tomorrow”などを収録。シリーズII、IIIとリリースされた。

 

 

 

 

2010年2月17日、『岩崎良美 debut 30th Anniversary CD-BOX』発売。

 

歌手デビュー30周年を迎えて多数のライヴを行う。取材には、歌にも芝居にも前向きな時に節目を迎えられてうれしいとコメントした。

 

 

2011年10月、3歳年上の医師と結婚。

同年、プロデューサーに長岡和弘を迎え、キャリア初のカヴァーアルバム『色彩の主人公』を発表。

 

 

 

2014年2月、渋谷JZBratでの100名限定ライヴをスタート。「Yoshimi's Nightシリーズ」、「Un Voyage avec Yoshimi シリーズ」は連続前売り完売と、根強い人気を示した。


2015年12月、歌手デビュー35周年ライヴで初披露した良美自身が作詞の“My Life”(作曲・編曲:椿本匡賜)は日本ラグビーフットボール協会公認の7人制女子ラグビー大会の公式応援ソングとなった。

 

歌手活動の他、俳優業ではストレートプレイだけでなくミュージカルにも出演し、ナレーターとしても多くの番組でその実力が認められている。

 

 

2016年2月24日、34thシングル“リボン”(作詞・曲:森田健/編曲:松岡モトキ)発売。 

 

9月3日、20thアルバム『My Life』発売。

 

 

2017年9月1日、アコースティックアルバム第二弾『Someday』リリース。

 

 

 

2019年6月、前年2018年に離婚していたことが明らかになった。

 

2020年、デビュー40周年記念アルバム『Chanter chanter chanter』をリリース。

6月2日実施予定の「40周年に感謝を込めて《グラサヴ》」を新型コロナ感染拡大の状況を鑑み2021年5月18日に延期、さらに同年12月2日に再延期。

 

2021年1月、マクドナルドの商品「チキンタツタ」発売30周年キャンペーンCMソングに“タッチ” の替え歌“タツタ”を良美本人が歌唱。本人歌唱による替え歌は、CMソングとしては今回が初という。

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「岩崎良美」