アニー・レノックス(Annie Lennox、OBE/1954年12月25日~)は、
英国のミュージシャン。元ユーリズミックスのヴォーカリストとして知られる。



英国スコットランドのアバディーン出身。
父はボイラー設備技士であり、ひとりっ子。

幼少時、アニーはその優秀な能力から特殊児童教育校に入学した。
彼女は古典音楽の教育を受け、17歳の時にロンドンの王立音楽アカデミーに入学。
フルートを学んだが、学校の雰囲気に馴染めず最終試験の直前で中退してしまう。

その後、レストランでウェイトレスをしながらフォークやソウルのシンガーとして活動していた。やがて両親からの説得によりアバディーンへの帰郷を決意をするが、その矢先にレストランに客としてやって来たデイヴ・スチュワート(Dave Stewart/本名:David Allan Stewart/1952年9月9日~)とピート・クームスと意気投合。2人が組んでいたデュオにヴォーカリストとして加入し、「ザ・キャッチ」(The Catch)を結成。後にデイヴとは恋仲となり同棲生活を始めている。

1979年、ザ・キャッチはさらにベーシストとドラマーを加えた後、「ザ・ツーリスツ」(The Tourists)へと改名。メジャーデビューを果たし、同年にリリースしたダスティ・スプリングフィールドのカヴァ― "二人だけのデート"(I Only Want to Be with You)や、1980年の"So Good to Be Back Home Again"が全英トップ10に入る等ヒットも生まれた。前者は米国など海外でもチャートインするスマッシュヒットとなった。

 

 

1980年12月、しかし、ツアー先のオーストラリアにてバンドが分裂。
アニーはデイヴと「ユーリズミックス」(Eurythmics)を結成。バンド名は、アニーが子どもの頃に通ったヴァルドルフ学校で学んだ、ルドルフ・シュタイナー提唱の舞踏芸術(Eurythmy,いわゆるオイリュトミー)の授業に由来する。この時、互いに才能を認め合う二人は創作活動を最優先に考えた結果、男女関係を解消している。


1981年5月、1stシングル"Never Gonna Cry Again"をリリースし、デビュー。

全英63位と小ヒットした。

 

10月、1stアルバム『In the Garden』をリリースするもチャート入りには届かず。

 

 

1983年1月、2ndアルバム『Sweet Dreams (Are Made of This)』をリリース、 全英3位になったのをはじめ欧州数カ国でトップ10入りし、全米でも最高位15位を記録するヒットとなる。タイトルトラック“スウィート・ドリームス”(Sweet Dreams)が米国「Billboard Hot 100」(以下「全米」)で1位になった他、全英2位、カナダやフランスで1位になるなど、世界各国でヒットした。また、“Love Is a Stranger”が全英6位・US Billboard Hot 100(以下「全米」)23位を記録した。

 

 

 

同年11月にリリースしたサードアルバム『Touch』は遂に全英1位、全米でも7位に入り、 各国でプラチナディスクに認定された。アルバムからのシングルは、"Here Comes the Rain Again"が全英8位・全米4位、"Right by Your Side" が全英10位・29位、"Who's That Girl?"が全英3位・全米21位とヒットした。 

 

 

 

 

 

1984年3月、アニーはワールド・ツアーの最中にドイツ人のクリシュナ教(ヒンドゥー教系の新興宗教)宣教師ラダ・ラーマンと結婚したが、半年後に離婚。
11月、サウンドトラック『1984 (For the Love of Big Brother)』をリリース、英国ではゴールドディスクを獲得するも全英チャート23位、全米では93位だった。サントラ盤からは、アニーが歌う“1984のテーマ (セックスクライム)”(Sexcrime [Nineteen Eighty-Four]) がシングルになり全英4位になった。

 


1985年4月、4thアルバム『Be Yourself Tonight』をリリース、全英3位・全米9位となり、スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加したことで話題になった“ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル [プレイング・ウィズ・マイ・ハート]”(There Must Be an Angel [Playing with My Heart])が全英1位、“Would I Lie to You?”が全米5位とヒットした。

 

 

 

同年、アニーはアレサ・フランクリンとのデュエットでウーマンリブをテーマにした“Sisters Are Doin' It For Themselves”をヒットさせた。


1986年4月、5thアルバム『Revenge』をリリース、全英3位・全米12位になり、シングルは“Thorn in My Side”が全英5位になった他、“When Tomorrow Comes” や“The Miracle of Love”などがヒットした。

 

 

1987年、アニーはイスラエル人の映画プロデューサーユーリ・フラッチマンと再婚。翌年には男児の死産も経験した。この夫とも後年離婚。
同年、デイヴは当時バナナラマのメンバーだったシヴォーン・ファーイと結婚。
11月、6thアルバム『Savage』をリリース、全英7位に入るも全米では41位に終わる。 シングルは、"Beethoven (I Love to Listen To)" が全英25位、"You Have Placed a Chill in My Heart"が全英16位に入った。

 

 

 

1989年9月、7枚目のアルバム『We Too Are One』をリリース、全英1位を達成する。シングルは "The King and Queen of America" 、"(My My) Baby's Gonna Cry" 、"Don't Ask Me Why"、 "Angel" 、"Revival"などがチャートインした。  

 

 

 

 

1990年にユーリズミックスとしての活動を停止、アニーはソロ・アーティストとしてのキャリアを始める。


1991年3月、 ユーリズミックス初のベストアルバム『Greatest Hits』をリリース、 全英をはじめ欧州数カ国で1位になった。

 


1992年、初のソロアルバム『ディーバ』(Diva)をリリース、全英1位・全米23位を記録。ここから“ホワイ”(Why)が全英5位、“ウォーキング・オン・ブロークン・グラス”(Walking on Broken Glass)が全英8位に加えカナダではソロとして自身初のシングルチャート1位を記録、“リトル・バード”(Little Bird) は全英3位に達した。

 

 

 

 


1995年、カヴァーアルバム『メドゥーサ』(Medusa)をリリース、全英1位・全米11位を記録し、米国『ビルボード』誌のアルバムチャートで60週以上にわたりチャートインした。“ノー・モア [アイ・ラヴ・ユーズ]”(No More 'I Love You's)がカナダ、イタリア、スペインで1位、全英とスコットランドで2位になった。この曲でアニーは第38回グラミー賞の「最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞」を受賞した。

 

 


1999年、一時的にユーリズミックスを再結成。
10月、通算8枚目となるニューアルバム『Peace』をリリース、全英4位・全米25位を記録した。アルバムからは “I Saved the World Today”が全英11位になった。

 

 


2003年、映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の主題歌“イントゥー・ザ・ウエスト”(Into the West)を提供し、同曲でアカデミー歌曲賞を受賞した。

 

6月5日、ソロアルバム『素顔』(Bare)をリリース、全英3位・全米4位になった。アルバムからのシングル "A Thousand Beautiful Things"と "Pavement Cracks"が「.U.S. Hot Dance Club Play」でともに1位になった。

 

 


2005年11月、ユーリズミックスのベストアルバム『Ultimate Collection』をリリース。“アイヴ・ゴット・ア・ライフ”(I've Got a Life)、“ワズ・イット・ジャスト・アナザー・ラヴ・アフェアー?”(Was It Just Another Love Affair?)の新曲2曲を収録したオールタイム・ベスト・アルバムとなった。全英5位。

 

 


2007年、ソロアルバム『ソングス・オブ・マス・ディストラクション』(Songs of Mass Destruction)をリリース、全英7位・全米9位を記録し、シングルカットされた"Dark Road"が全英58位を記録した。

 

 


2008年には背中を怪我したと言われている。

 

 

2009年、ソロキャリア初のベストアルバム『ベスト・コレクション』(The Annie Lennox Collection)をリリース、全英2位に達した。

 


2010年、クリスマスアルバム『A Christmas Cornucopia 』をリリース、全英16位・全米35位になり、アルバムから"Universal Child"が全英88位になった。

 


2011年、自身のオフィシャル・サイトにて「正直言ってこの先2度とツアーをやれるものかわからない。精神的にも肉体的にもあまりにも消耗してしまうということもあるし、それと自分の背中と左足がほとんど使いものにならなくなっているというのもある」と語っている。
また、貧困と社会的不正義の撲滅のために、世界的に活動するチャリティ団体オックスファムへの長年の協力に対して、OBE勲章の叙勲も決定している。
 


2014年、ソロアルバム『Nostalgia』をリリース、全英9位、全米10位。アルバムからシングル"I Put a Spell on You"と"Summertime"をカット。

 

 


2019年、EP『Lepidoptera』をリリース。

 







(参照)
Wikipedia「アニー・レノックス」「ユーリズミックス」「Annie Lennox」(英語版)「Eurythmics」(英語版)
Annie Lennox公式サイト
annielennox.com