バーニー・ノーラン (Bernie Nolan/本名：バーナデット・テレス・ノーラン[Bernadette Therese Nolan]/1960年10月17日 ～2013年7月4日) は、イングランドの歌手、女優、タレント。姉妹コーラスグループ「ノーランズ」のリードヴォーカル。
アイルランド共和国の首都ダブリン（Dublin）で、クラブ歌手だった父親トミー・ノーラン（Tommy Nolan/1925～1998)と母親モリーン（Maureen /1926–2007)の間に生まれた。2男6女の兄弟姉妹の7番目で五女。
同じノーランズのメンバーとして、姉のアン、デニース、モリーン、リンダ、妹のコリーンがいる。
1962年、バーニーが2歳の頃、一家はイングランドのランカシャー州（the county of Lancashire）ブラックプール（Blackpool）へ移った。
1972年、一家全員で「ザ・シンギング・ノーランズ」(The Singing Nolans)としてデビュー。
元々のメンバーは、両親と、息子のトミー（1949年～）とブライアン（1955年～）の兄弟を含む
8人の子どものうち7人で構成されていた。
末っ子のコリーンは幼すぎたので、1980年になるまで正式メンバーにはならなかった。
北部のクラブ回りで頻繁に演奏する中、シンギング・ノーランズはアルバム『The Singing Nolans』とシングル“Blackpool”を録音した。この曲は、地元のサッカークラブ（Football Club）であるブラックプールFC（Blackpool FC）の曲であり、現在もホームのブルームフィールドロード（Bloomfield Road）で試合が行われる日に使用されている。
1974年、両親が脱退し、姉妹5人で「ノーラン・シスターズ」(The Nolan Sisters)としてクリフ・リチャードの番組『クリフ・リチャード』で“Stuck on You”を歌いテレビデビュー。
同年、“But I Do”でデビュー。同曲は日本では後年発売されたアルバムに“思い出ロンリネス”という曲名で収録。デビュー時のメンバーは、長女アン（Anne/1950年11月12日～）、次女デニース（Denise/1952年～）、三女モリーン（Maureen /1955年6月14日～）、四女リンダ（Linda/1959年2月23日～）、そして五女のバーニー（Bernie/1960～2013年）の5人。なお、このデビュー曲のメインボーカルは六女のコリーン（Coleen/1965年3月12日～）が務めたが、当時は幼すぎるとの理由で正式メンバーではなかった。
1975年、フランク・シナトラのヨーロッパツアーをサポート。
1978年、デニースがソロ活動のため脱退。
コリーンはソロのティーンアイドルとしてシングルをリリース。
1979年11月19日、デビューアルバム『The Nolan Sisters』をリリース。
同年12月7日、アルバムから“I'm in the Mood for Dancing”をシングルカットすると、全英チャートで3位、アイルランドチャートでは2位を記録する大ヒットとなる。なお、コリーンはこの時点でもアルバムに参加しているものの、まだ正式メンバーではなかった。
1980年、アンが結婚により休業し、コリーンが正式メンバーとして加入、
グループは名前を「ノーランズ」(The Nolans)に改称する。
同年、“Don't Make Waves”、“Gotta Pull Myself Together”、“Who's Gonna Rock You”をリリース。英国でトップ20に入るヒットになる。
7月31日、日本でも“I'm in the Mood for Dancing”が邦題“ダンシング・シスター”として発売。オリコン総合シングルチャートにおいて発売後約4か月の同年11月17日付で1位を獲得。翌週まで2週連続に渡り首位を守り抜き、最終的には約70万枚のヒットとなった。オリコン洋楽シングルチャートでは1980年9月8日付から通算14週1位を獲得し、1980年度の年間1位となった。
なお、本稿では、邦題表記の楽曲に関する日付は日本での発売日、それ以外の楽曲に関する日付は本国での発売日を基本としている。
10月21日、“恋のハッピー・デート”（Gotta Pull Myself Together)をリリース。
日本ではオリコン洋楽シングルチャートにて1980年12月22日付から5週連続1位。
1981年、“Attention to me”、“Chemistry”をリリース。
2月11日、“ときめきTWENTY”（Who's Gonna Rock You)リリース。
3月21日、“セクシー・ミュージック”（Sexy Music)リリース。
3月29日、日本武道館にて開催された第10回東京音楽祭世界大会で“セクシー・ミュージック”を歌い、グランプリを獲得。
6月21日、“夏は16才”（Chemistry)リリース。
12月1日、“やさしくラブ・ミー”（Don't Love Me Too Hard)リリース。
同年、アンがエイミーを出産。
1982年、アンが復帰。グループは5人編成になる。
イギリスで“Don't Love Me Too Hard”をリリース。
3月19日、アルバム『Portrait』リリース。全英7位を記録。
バーニーはアルバムに収録したAre You Thinking of Me"を作曲（共作）した。
1983年、イギリスでノーランズ担当スタッフによるチャートの不正操作事件が発覚、
シングル“Dressed to Kill”（日本未発売）が全英チャートから削除される。
同年、リンダがソロ活動のため脱退。
1986年、ロシアツアーを行う。
1988年、BBCで放送された土曜朝の子ども向け番組『ウォーターフロント』でキャストメンバーを務めた。番組は翌1989年まで2シーズン続いた。
1990年、コリーンが結婚。
1991年、J-POPの楽曲を欧米のアーティストがカバーする、いわゆる「逆カバー」に挑戦し、
同年の第33回日本レコード大賞の企画賞を受賞した。
1993年、バーニーが舞台劇『悪魔の乗り物』に出演。
1994年、コリーンが出産のため引退。
1995年、バーニーが女優活動に専念するため、グループを脱退。
同年、バーニーの脱退前に録音された“I'm in the Mood for Dancing”の
再レコーディングバージョンをリリース。
1996年、バーニーがランカシャーで結婚。相手はドラマーのスティーブ・ドニシー。
バーニーの女優としての活動は、テレビでは、チャンネル4 の昼ドラ
『ブルークサイド』(2000-02)や、ITVの刑事ドラマ 『ザ・ビル』(2000-05)に出演。
ミュージカルでは、『ブラッド・ブラザーズ』(1998-2000) のMrs.ジョンストン役、
『フラッシュダンス』(2008–09)のハンナ・オーウェンズ役、『シカゴ』(2012)のママ・モートンなど、数々の舞台に立ち続けた。
1998年、姉妹の父親であるトミーが、肝臓がんで死去。
1999年、バーニーがエリンを出産。
2000年、アン、モリーンに加え、アンの長女エイミー・ウィルソン（Amy Wilson/1981年～）と、
その友人のジュリア・ダックワース（Julia Duckworth）もメンバーに加わり、
4人で小さな地方を回るライヴ活動に専念。
同年、アンが乳がんと診断される。後に完治。
2005年1月19日、『ノーランズ シング 百恵 2005』リリース。“PLAYBACK Part2”のマルチ・テープを基に、来日したアンとモーリンが、同じく来日したプロデューサーのクライヴ・スコットの指揮の下、乃木坂のソニーのスタジオに於いて、コーラス又は追加ボーカルを全曲にオーバーダビング。一部、バック・トラックの差し替えも行ない、往年のノーランズ・サウンドを復活させ新装版としてリリース。DVD「プレイバックPart2」収録。
同年、解散。
2006年、リンダが乳がんと診断される。後に完治。
2007年12月30日、姉妹の母親であるモリーンがアルツハイマーで死去。81歳没。
2008年3月27日、アンは、リチャード・バーバーと共著で、
『アンの歌』（Anne's Song）というタイトルの自伝を発表した。
2009年、モリーン、リンダ、バーニー、コリーンの4人で再結成。
9月、ニューアルバム『I'm in the Mood Again』をリリース、全英チャートの22位を記録。
10月、“ダンシング・シスター”発売30年になるのを記念して、英国とアイルランドでコンサートツアーを催行。その後ライヴDVDもリリースした。
2010年4月23日、バーニーが乳がんと診断されたことを発表。
10月、バーニーは化学療法と乳房切除術を受けた後、手術は成功し、がん治療薬を服用していると述べた。
2012年2月、バーニーががん完治を発表。
翌2013年春に、ノーランズ最後のコンサートツアーを行うことを告知したが、
その後バーニーの乳がん再発により延期が発表された。
10月末、バーニーのがんが再発し、脳、肺、肝臓、骨に転移したと発表した。
2013年 7月4日、バーニーがイングランドのサリー州ウェイブリッジにて、がんのため永眠。
52歳の若さだった。
7月17日、バーニーの葬儀がブラックプールのグランドシアターで行われ、
後にカールトン火葬場で火葬された。
その後、彼女の遺灰は1998年に死産した娘ケイトの遺灰と一緒に埋葬された。
Bernadette Therese Nolan R.I.P.
（参照）
Wikipedia「バーナデット・テレス・ノーラン」「ノーランズ」「Bernie Nolan」「The Nolans」（英語版）