筒美 京平(つつみ きょうへい/本名:渡辺 栄吉[わたなべ えいきち]/1940年5月28日~2020年10月7日)は、日本の作曲家、編曲家。筒美音楽事務所(個人事務所)代表(神奈川県逗子市所在)。
東京府東京市牛込区(現:東京都新宿区)出身。弟は音楽プロデューサーの渡辺忠孝。
幼稚園児の頃からピアノを始める。
青山学院初等部、青山学院中等部、青山学院高等部を経て、青山学院大学経済学部卒業。
大学在学時はジャズに打ち込み、大野雄二とも面識があった。
1963年、大学卒業後に日本グラモフォン(後のポリドール・レコード→ユニバーサルミュージック)に入社。洋楽担当ディレクターとして勤務する傍ら、大学の先輩である作詞家の橋本淳に勧められ、すぎやまこういちに師事し作曲と編曲を学ぶ。
1966年8月15日、 “黄色いレモン” 藤浩一(作詞:橋本淳)で作曲家デビュー。競作となった望月浩の歌唱も9月5日に発売。
1967年、専業作家となる。ペンネームは鼓(つづみ)が平らに響くという意味から「鼓響平」を考えていたが、文字を左右対称にするために「筒美京平」とした。
1968年5月5日、 “ガール・フレンド” オックス(作詞:橋本淳)で初のオリコン週間ランキング(以下、「オリコン週間ランキング」の表記は省略)トップ10入り。(レコード・CDの日付は頃割ない限り基本的に発売日、以下同)
12月25日、 “ブルー・ライト・ヨコハマ” いしだあゆみ(作詞:橋本淳)で初の1位。第11回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
1969年11月10日、 “サザエさん”、“サザエさん一家” 宇野ゆう子(作詞:林春生)。
1970年3月25日、 “あなたならどうする” いしだあゆみ(作詞:なかにし礼)。2位。
1971年3月5日、 “また逢う日まで” 尾崎紀世彦(作詞:阿久悠)。1位。
初の第13回日本レコード大賞・大賞と第2回日本歌謡大賞・大賞をダブル受賞。
5月1日、 “さらば恋人” 堺正章(作詞:北山修)。2位。第13回日本レコード大賞・大衆賞を受賞。
5月25日、 “真夏の出来事” 平山三紀(作詞:橋本淳)。5位。第13回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
6月1日、 “17才” 南沙織(作詞:有馬三恵子)。2位。1971年の年末には第13回日本レコード大賞新人賞・日本歌謡大賞放送音楽新人賞・新宿音楽祭金賞など様々な賞を受賞。
10月21日、“雨がやんだら”朝丘雪路(作詞:なかにし礼)。5位。第13回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
12月20日、“雨のエアポート” 欧陽菲菲(作詞:橋本淳)。
1972年8月1日、“男の子女の子” 郷ひろみ(作詞:岩谷時子)。8位。日本レコード大賞・新人賞を受賞。
1973年4月21日、 “赤い風船” 浅田美代子(作詞:安井かずみ)。1位。1980年12月に近藤真彦が“スニーカーぶる〜す”で破るまで、デビュー曲の初登場最高記録だった。日本レコード大賞・新人賞を受賞。
7月5日、 “わたしの彼は左きき” 麻丘めぐみ(作詞:千家和也)。1位。日本レコード大賞・大衆賞を受賞。
6月5日、“かがやける愛の日に”尾崎紀世彦(作詞:阿久悠/編曲:葵まさひこ)。57位。第2回東京音楽祭 国内大会・作曲賞を受賞。
1974年9月21日、“よろしく哀愁”郷ひろみ(作詞:安井かずみ/編曲:森岡賢一郎)。1位。郷ひろみ最大のヒット作品で、唯一のオリコン1位獲得作品。ジャニーズ事務所所属歌手としても初のオリコン第1位を獲得した作品となった。
10月20日、 “甘い生活” 野口五郎(作詞:山上路夫)。1位。第16回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
1975年2月1日、 “にがい涙” スリー・ディグリーズ(作詞:安井かずみ/編曲:深町純)。15位。米国R&Bコーラストリオの日本オリジナル企画による楽曲。
7年25日、 “ロマンス” 岩崎宏美(作詞:阿久悠)。1位。日本レコード大賞など数々の音楽賞で新人賞を獲得。
10月25日、 “センチメンタル” 岩崎宏美(作詞:阿久悠)。1位。
12月21日、 “木綿のハンカチーフ” 太田裕美(作詞:松本隆/編曲:筒美京平・萩田光雄)。
2位。
1978年3月21日、 “東京ららばい” 中原理恵(作詞:松本隆)。9位。第20回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
4月1日、 “飛んでイスタンブール” 庄野真代(作詞:ちあき哲也/編曲:船山基紀)。3位。第20回日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
1979年2月25日、“魅せられて” ジュディ・オング(作詞:阿木燿子)。1位。第21回日本レコード大賞では大賞を受賞。ジュディ本人およびソニーにとって初の大賞受賞となった。
7月21日、“セクシャルバイオレットNo.1” 桑名正博(作詞:松本隆/編曲:桑名正博&ティアードロップス・戸塚修)。1位。
1980年12月12日、 “スニーカーぶる〜す” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:馬飼野康二)。1位。自身最大のヒット曲、かつミリオンセラーで、ジャニーズ事務所としても初のミリオンセールス。オリコン史上初の「デビュー・シングルで初登場1位を獲得したシングル」となる。
1981年6月12日、 “ブルージーンズメモリー” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:馬飼野康二)。
1位。映画『ブルージーンズメモリー』主題歌。第1回日本作曲大賞・金賞を受賞。
9月30日、“ギンギラギンにさりげなく” 近藤真彦(作詞:伊達歩/編曲:馬飼野康二)。1位。
10月21日、 “センチメンタル・ジャーニー” 松本伊代(作詞:湯川れい子/編曲:鷺巣詩郎)。9位。
1982年1月7日、 “情熱☆熱風☽せれなーで” 近藤真彦(作詞:伊達歩/編曲:大谷和夫)。1位。
3月31日、 “ふられてBANZAI” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:後藤次利)。1位。
5月8日、 “原宿キッス” 田原俊彦(作詞:宮下智/編曲:船山基紀)。1位。
9月30日、 “ホレたぜ!乾杯” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:後藤次利)。1位。
10月21日、“ドラマティック・レイン” 稲垣潤一(作詞:秋元康/編曲:船山基紀)。8位。
1983年1月20日、 “ミッドナイト・ステーション” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:佐久間正英)。1位。
5月18日、 “シャワーな気分” 田原俊彦(作詞:三浦徳子/編曲:大村雅朗)。1位。
7月15日、 “ためいきロ・カ・ビ・リー” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:松下誠)。1位。
11月1日、 “ロイヤル・ストレート・フラッシュ” 近藤真彦(作詞:松本隆/編曲:松下誠)。1位。
1984年3月1日、 “一番野郎” 近藤真彦(作詞:売野雅勇/編曲:松下誠)。1位。
6月21日、“迷宮のアンドローラ” 小泉今日子(作詞:松本隆/編曲:船山基紀)。1位。
9月21日、“ヤマトナデシコ七変化” 小泉今日子(作詞:康珍化/編曲:若草恵)。1位。
1985年 1月25日、“Romanticが止まらない” C-C-B(作詞:松本隆/編曲:船山基紀)。2位。TBS系ドラマ『毎度おさわがせします』第1シリーズ主題歌。 第5回日本作曲大賞・優秀作曲者賞を受賞。
2月21日、“卒業” 斉藤由貴(作詞:松本隆/編曲:武部聡)。6位。
7月3日、“あなたを・もっと・知りたくて” 薬師丸ひろ子(作詞:松本隆/編曲:武部聡志)。2位。
7月21日、“夏ざかりほの字組” Toshi&Naoko(作詞:阿久悠/編曲:新川博)。5位。
7月25日、“魔女” 小泉今日子(作詞:松本隆/編曲:中村哲)。1位。
11月21日、“なんてったってアイドル” 小泉今日子(作詞:秋元康/編曲:鷺巣詩郎)。1位。
12月12日、“仮面舞踏会” 少年隊(作詞:ちあき哲也/編曲:船山基紀)。1位。
1986年8月21日、“ツイてるねノッてるね”中山美穂(作詞:松本隆/編曲:大村雅朗・船山基紀)。3位。
11月21日、“WAKU WAKUさせて”中山美穂(作詞:松本隆/編曲:船山基紀)。3位。フジテレビ系ドラマ『な・ま・い・き盛り』主題歌。
11月28日、“バラードのように眠れ” 少年隊(作詞:松本隆/編曲:馬飼野康二)。1位。
12月10日、“ないものねだりのI Want You”C-C-B(作詞:松本隆/編曲:大谷和夫・C-C-B)。1位。
1987年2月4日、“Oneway Generation”本田美奈子(作詞:秋元康/編曲:大谷和夫)。2位。TBS系ドラマ『パパはニュースキャスター』主題歌。
2月25日、“水のルージュ” 小泉今日子(作詞:松本隆/編曲:大村雅朗)。1位。
3月3日、“stripe blue”少年隊(作詞:松本隆/編曲:馬飼野康二)。1位。
6月21日、“さよならの果実たち”荻野目洋子(作詞:売野雅勇/編曲:武部聡志)。1位。
6月24日、“君だけに”少年隊(作詞:康珍化/編曲:馬飼野康二)。1位。第7回日本作曲大賞・優秀作曲者賞を受賞。
9月18日、 “泣いてみりゃいいじゃん” 近藤真彦(作詞:康珍化/編曲:馬飼野康二)。1位。
10月27日、“北風のキャロル”荻野目洋子(作詞:売野雅勇/変巨億:新川博)。2位。TBS系ドラマ『赤ちゃんに乾杯!』主題歌
11月11日、“ABC”少年隊(作詞:松本隆/編曲:船山基紀)。1位。
1988年4月21日、“抱きしめてTONIGHT” 田原俊彦(作詞:森浩美/編曲:船山基紀)。3位。
11月10日、“じれったいね”少年隊(作詞:森浩美/編曲:新川博)。1位。
1994年3月9日、“人魚”NOKKO(作詞:鄭東和/編曲:清水信之)。2位。
10月21日、“TENCAを取ろう! -内田の野望-” 内田有紀(作詞:広瀬香美・川咲そら/編曲:松本晃彦)。1位。
1999年2月24日、“やめないで,PURE” KinKi Kids(作詞:伊達歩/編曲:WACKY KAKI)。1位。
2003年7月2日、“Our Song”安倍麻美(作詞:326/編曲:井上ヨシマサ)。4位。
10月1日、“AMBITIOUS JAPAN!”TOKIO(作詞:なかにし礼/編曲:船山基紀)。1位。
同年、紫綬褒章受章。
2006年3年15日、“恋のダウンロード”仲間由紀恵 with ダウンローズ(作詞: 松尾潔/編曲:MAESTRO-T)。8位。
2008年10月22日、“綺麗ア・ラ・モード”中川翔子(作詞:松本隆/編曲:本間昭光)。5位。
2013年1月9日、“時空ツアーズ”竹達彩奈(作詞:いしわたり淳治/編曲:小林俊太郎)。10位。
2017年、日本レコード大賞・功労賞を受賞。
2019年5月22日、“あなたの淋しさは、愛”田所あずさ(作詞:売野雅勇/編曲:小林俊太郎)。筒美が作曲を手掛けたものとしては生涯最後にして遺作となった楽曲。アルバム『ネヴァーランド』収録曲。
2020年10月7日、誤嚥性肺炎のため死去。80歳没。
かねてより自宅で病気療養していたという。
葬儀は本人の希望により近親者のみにより執り行われた。
作曲作品の総売上枚数は7,560.2万枚(オリコン)で、作曲家歴代1位。
別名義での作曲作品の売上枚数を加算すると7,600万枚を超える。
オリコンが集計を開始した1968年から約50年にわたり、
ほとんどの年で作曲作品がチャートインしており、ヒットチャートランクインは500曲以上、
そのうちチャート1位獲得は39曲、TOP3以内が約100曲、
TOP10入りした作品は200曲を超えている。
日本音楽界で最も多くのヒット曲を生み出した作曲家である。
合掌
(参照)
Wikipedia「筒美京平」