デイヴィッド・カヴァデール(David Coverdale/1951年9月22日~)は、

イングランド出身アメリカ合衆国籍のロックミュージシャン、シンガーソングライター。

ハードロック・バンド「ホワイトスネイク」(Whitesnake)のバンドリーダーとして有名。

 

 

英国イングランド中部のノース・ヨークシャー州にて、トーマス・ジョセフ・カヴァデールと

ウィニフレッド・メイ・カヴァデール(旧姓ロバーツ)の間に生まれた。

 

少年時代からロックンロールに関心を持っていたデイヴィッドは、

14歳で本格的な音楽活動を始める。

 

1966年に「Vintage 67」というバンドを皮切りに, 「ザ・ガヴァメント」(The Government /1968~72) で活動。そして「ディープ・パープル」の前座を務めるまでになったが、

その後バンドは解散し、ブティック店員などをしながら

「Fabulosa Brothers」(1972~73)などで音楽活動を続けていた。

 

1973年、たまたま見た『メロディ・メーカー』誌で、ディープ・パープルがイアン・ギランの後継者を求めていると知ったデイヴィッドは、ザ・ガヴァメント時代に前座を務めていて知り合いだったこともあり、まずはテープを送り、後でオーディションを受けることになった。オーディションではビートルズの“イエスタデイ”を歌い、リッチー・ブラックモア等に気に入られ、4000人以上ともいわれる応募者から選ばれて合格。こうして無名のデイヴィッド・カヴァデールはディープ・パープルの3代目ヴォーカリストになったのだった。

 

1974年1月、デイヴィッド加入後初となる、バンド通算8枚目アルバム『紫の炎』(Burn)がリリース。デイヴィッドと、同じく新加入のグレン・ヒューズとがもたらしたR&Bやファンクの素養と、元々バンドが持っていたブルースやクラシック音楽のサウンドが一体となった本作は、イギリスで3位、アメリカで9位を記録したほか、世界的なヒット作となった。

 

同年12月、アルバム『嵐の使者』(Stormbringer)リリース。日本では“嵐の女”(Lady Double Dealer)がシングルカットされた。本国イギリスで最高6位、アメリカでは20位まで上昇しゴールドディスクを獲得した。

 

いわゆる第3期最後のスタジオ・アルバムである本作品を最後に、理想とする音楽との乖離が強まったとして、創設メンバーで看板ギタリストのリッチーがバンドから脱退。彼は自身で新バンド「レインボー」(Rainbow)を結成する

(関連項目 本ブログ2020年4月13日「リッチー・ブラックモア」)

https://ameblo.jp/inoueno2000/entry-12589655717.html

 

1975年、離脱したリッチーの後釜探しは難航したが、デイヴィッドの発案で元ジェイムズ・ギャング (James Gang) のギタリストだったトミー・ボーリンが加入し、第4期のメンバーが決定。なお、トミーはバンド初のアメリカ人メンバーとなった。

同年10月、アルバム『カム・テイスト・ザ・バンド』(Come Taste the Band)が発表されるが、その音楽性の変転にファンは戸惑いを感じ、多くの批判の声が挙がった。その結果、イギリスで最高位19位、アメリカでは43位止まりと前作を大きく下回った。

 

1976年、バンドの状況に絶望を感じたデイヴィッドが脱退し、ディープ・パープルは解散。

同年、デイヴィッドはソロ・アーティストとして活動を開始した。この時に作曲と演奏の両面で共同制作者としてサポートしたのがギタリストでソングライターのミッキー・ムーディである。

 

1977年、最初のソロ・アルバム『ホワイトスネイク』(Whitesnake)をリリース。後にグループ名ともなるタイトルナンバー“ホワイトスネイク”(Whitesnake)という共作が収められた本作で、デイヴィッド念願のソロデビューを果たした。

 

ロジャー・グローヴァーの下で、次のアルバム制作に取り組む中、デイヴィッドを中心としたグループ「ホワイトスネイク」が形成されていく。

 

1978年、ソロ2作目の『嵐の叫び』(Northwinds)をリリース。

 

9月、グループのお披露目となるEPアルバム『スネイクバイト』(Snakebite)をリリースし、「David Coverdale's Whitesnake」名義のバンド活動がスタート。

10月、初のフルアルバム『トラブル』(Trouble)をリリース。本アルバムからDavid Coverdale'sが取れ、シンプルにWhitesnakeとなる。本作品から元ディープ・パープルのジョン・ロードが参加、やはり元ディープ・パープルのドラマー、イアン・ペイスも後に合流することになる。

 

1979年10月、アルバム『ラヴハンター』(Lovehunter)をリリース。アルバムはイギリスで27位、本作からのシングル“ロング・ウェイ・フロム・ホーム”(Long Way from Home)は全英55位に達した。本作のレコーディング終了後、デイヴ・ドウルがバンドを脱退。

ツアーは、後任として元ディープ・パープルのイアン・ペイス(Ds)を迎えた編成で行われた。

 

1980年、『フール・フォー・ユア・ラヴィング』(Ready an' Willing)リリース。

イアン加入後初のスタジオ・アルバム。バンドは本作で母国イギリスのアルバムチャートで

6位と、初のトップ10入りを果たした。アメリカでは、バンドにとって初のBillboard 200

チャート・インを果たし、最高90位に達した。

 

1981年、『カム・アンド・ゲット・イット』(Come an' Get It)リリース。

イギリスで最高位2位を記録した本作からは、“ドント・ブレイク・マイ・ハート・アゲイン”

(Don't Break My Heart Again)が全英17位、“ウッド・アイ・ライ・トゥ・ユー”

(Would I Lie to You)が全英37位と、2曲がシングル・ヒットした。

 

1982年、『セインツ・アンド・シナーズ』(Saints & Sinners)はSunburst Recordsからリリースされた最後のスタジオ・アルバムとなった。マネージメントとの金銭的なトラブルやレコーディング中のメンバー間の不和などの問題に見舞われつつ制作された。また、本作のリリース時には、既にデイヴィッド以外のメンバーは全員解雇されていた。ただし、後にミッキー・ムーディとジョン・ロードは復帰した。イギリス最高位9位。

 

1984年、『スライド・イット・イン』(Slide It In)リリース。同年、『スライド・イット・イン~アメリカン・リミックス・ヴァージョン』(Slide It In(American Remix Version)も発売された。本アルバムは、コージー・パウエル(Ds)がメンバーとして唯一参加した作品となった。

 

1987年、『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』(原題はヨーロッパでは『1987』/アメリカでは『Whitesnake』)リリース。ビルボードチャートにおいて、マイケル・ジャクソンの『バッド』に次ぐ、最高2位。イギリスでは最高8位で、57週連続でトップ100圏内にとどまり続けた。本作のアメリカでの成功により、ホワイトスネイクは名実ともにスーパーグループとなった。本作のレコーディング終了後には、デイヴィッドを除く全メンバーが総入れ替えとなった。第1弾シングル“スティル・オブ・ザ・ナイト”(Still of the Night)のミュージック・ビデオに出演したエイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)、ヴィヴィアン・キャンベル(G)、ルディ・サーゾ(B)、トミー・アルドリッジ(Ds)の4人は、その後正式メンバーとなり、本作に伴うツアーにも参加した。

 

1989年、『スリップ・オブ・ザ・タング』(Slip of the Tongue)リリース。英米ともに最高10位。

第1弾シングル“フール・フォー・ユア・ラヴィング”(Fool for Your Loving)は、

『フール・フォー・ユア・ラヴィング』(1980年)収録曲のセルフカヴァー。

 

1990年8月、モンスターズ・オブ・ロックに出演して、その時の演奏は後にライヴアルバムおよびDVD『ライヴ・アット・ドニントン 1990』として発表された。

同年暮れ、ホワイトスネイクは解散した。

 

1993年、元レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジとともに「カヴァデール・ペイジ」としてアルバムを発表、大きな話題を呼んだ。

 

1994年、カヴァデール・ペイジのプロジェクトが消滅したデイヴィッドは、

ホワイトスネイクを再結成する。『グレイテスト・ヒッツ』の発売に合わせ、

ギターに元ラットのウォーレン・デ・マルティーニを迎えるなどした新メンバーで

同年にヨーロッパツアーを行い、その後日本でも公演が行われた。

7月、バンド初のベストアルバム『グレイテスト・ヒッツ』(Whitesnake's Greatest Hits)を

リリース。全英では初登場4位となり、6週連続でトップ10入り。

アメリカでは161位止まりだったが1995年11月にはゴールドディスク認定、

更に1998年9月にはプラチナディスクに認定された。

 

1997年、エイドリアン・ヴァンデンバーグとの共同制作によるカヴァデールの

ソロ色の強い9thアルバム『レストレス・ハート』(Restless Heart)リリース。

 

7月、プロモーション活動の一環で訪れた日本でのエイドリアンとデイヴィッドのデュオによる

アンプラグド形式のショウを収めたスタジオ・ライヴ・アルバム『スターカーズ・イン・トーキョー〜アコースティック・ライヴ・イン・ジャパン』(Starkers in Tokyo)などをリリースした。

同年のツアー後、デイヴィッドは再びバンドを解散する。

 

2000年9月、22年ぶりのソロ・アルバム『イントゥ・ザ・ライト』(Into the Light)をリリース。

 

2002年12月、デビュー25周年記念に向けて再々結成。

 

2003年9月から全くの新しいメンバー編成でツアーを開始した。以降はライヴ活動を中心とするようになる。

 

2006年5月、来日ツアーが行われ、新たなパートナーであるギタリスト、ダグ・アルドリッチとの共作による新曲も披露された。

 

2007年3月1日、アメリカ合衆国ネバダ州リノにてアメリカ国籍を取得し、帰化した。

 

2008年4月、待望の10thアルバム『グッド・トゥ・ビー・バッド』(Good to Be Bad)がリリース。全英アルバムチャート7位とトップ10入り、アメリカでは62位でチャート・インを果たした。

10月、来日公演を行った。

 

2011年2月、新しいアルバムから “ラヴ・ウィル・セット・ユー・フリー”(Love Will Set You Free)が先行配信。

 

3月、3年振りのオリジナル11thアルバム『フォーエヴァーモア』(Forevermore)が発売。新たにマイケル・デヴィン(B)とブライアン・ティッシー(Ds)が加入した編成でレコーディングされた。デイヴィッドの息子ジャスパー・カヴァデール(Vo)もレコーディングに参加している。

アルバム発売に伴うワールドツアーを行った。日本公演に先立ち、「LOUD PARK 11」にリンプ・ビズキットとのダブルヘッドライナーとして出演した。

 

2012年ラスベガスで開催されたThe Vegas Rocks! Magazine Awardsのイベントで「Lifetime Achivement in Rock N' Roll」を受賞。

 

2013年2月、LOUD PARK出演時の映像を作品化したメイド・イン・ジャパンをDVD、Blu-ray Disc、ライヴアルバムとしてリリース。

5月、「イヤー・オブ・スネイク」と題したワールドツアーの一環で来日公演を行った。

 

2014年5月、ダグ・アルドリッチ(G)が自身のツイッター、フェイスブック等で「今はもうホワイトスネイク/デイヴィッド・カヴァデール・バンドにはいない」と声明を出し、脱退を発表。

8月、ナイト・レンジャーのジョエル・ホークストラがダグの後任として加入することが発表。同時にジョエルはナイト・レンジャーを脱退している。

 

2015年4月、ディープ・パープル在籍時代の楽曲をセルフカヴァーしたアルバム『ザ・パープル・アルバム』(The Purple Album)を、ホワイトスネイク名義で発表。リリース直前にはキーボディスト及びシンガーとしてミケーレ・ルッピの加入が発表された。

 

2019年、8年ぶりのオリジナルアルバム『フレッシュ・アンド・ブラッド』(Flesh & Blood)を

リリース。ジョエル・ホークストラ (G) 加入後初のオリジナルアルバムであり、

作曲にも初参加。また、1989年の『スリップ・オブ・ザ・タング』以来、

30年ぶりにトミー・アルドリッジ (Dr.)が参加している。

 

2020年6月19日、アルバム『ザ・ロック・アルバム』(The Rock Album)をリリース。本アルバムは、1984年の『SLIDE IT IN』から2011年の『FOREVERMORE』までのホワイトスネイクの楽曲と、2000年に発表したデイヴィッドのソロ作品『INTO THE LIGHT』のナンバーの中から、ロック曲をセレクトしたベスト盤。さらに、未発表の新曲“Always the Same”も収録し、各トラックにはリマスター、リミックス、リアレンジの何れかが施されている。ホワイトスネイクを中心としたデイヴィッド・カヴァデールの軌跡から厳選した文字通りロック・ナンバーばかりを収録した本作。実は、「レッド・ホワイト・アンド・ブルース・トリロジー」という、デイヴィッド自身の意向により企画された新編成のベスト・アルバム・シリーズの第1弾であり、この先にはラヴソング集や、ブルースを基調としたトラックを集めたアルバムも発表する予定だという。

 

 

 

(参照)

Wikipedia「デイヴィッド・カヴァデール」「ホワイトスネイク」「David Coverdale」

ホワイトスネイク公式サイト

whitesnake.com

BARKS [2020.7.3 17:00]

https://www.barks.jp/news/?id=1000185146