志村 正彦(しむら まさひこ/1980年7月10日~2009年12月24日)は、日本のミュージシャン。

ロックバンド・フジファブリックの元ヴォーカリストおよびギタリストとして知られる。

バンド在籍時はすべての楽曲の作詞とほとんどの作曲、一部の編曲を担当した。

 

 

山梨県富士吉田市出身。

山梨県立吉田高等学校卒業。

 

小学校から中学校にかけては野球少年だったが、中学時代に渡辺隆之(フジファブリックの

初期メンバー)に誘われて行った奥田民生のライヴを観て音楽の道を志す。

それからは奥田民生を筆頭に、奥田のリスペクトミュージシャンを聴きこむ。

その他にシェリル・クロウ、レッド・ツェッペリン、AC/DC、ブラック・サバスなどの

1960 - 70年代のロックを聴き親しんでいた。

 

2000年4月、志村が地元の富士吉田市で高校時代のコピーバンドのメンバーだった

渡辺隆之、渡辺平蔵、小俣梓司とともに「フジファブリック」を結成、

ライヴ活動をスタートさせる。

バンド名は、結成時メンバーで志村とは中学からの同級生だった

渡辺隆之の実家が営んでいた繊維会社「富士ファブリック株式会社」に由来する。

 

2001年8月、一時解散。

9月、志村と渡辺隆之に萩原彰人、加藤雄一、田所幸子を加えて再結成。

デモテープ“茜色の夕日/線香花火”を録音する。

 

2002年8月、萩原、加藤が脱退。

10月21日、インディーズ1stアルバム『アラカルト』発表。

12月、田所が脱退。知人の紹介で金澤ダイスケ、加藤慎一がサポートとして参加する。

 

2003年1月、金澤ダイスケ、加藤慎一が正式加入。

6月21日、インディーズ2ndアルバム『アラモード』発表。

8月、山内総一郎がサポートとして参加する。

9月、渡辺隆之が脱退。足立房文がサポートとして参加する。

 

2004年1月、山内、足立が正式に加入。

2月18日、プレ・デビューアルバム『アラモルト』にて実質上メジャーデビュー。

 

 

4月14日、1stシングル“桜の季節”でメジャーデビュー。

四季を基調に作られた連作シングルの第1弾で、テーマは春、別れ。

7月14日、2ndシングル“陽炎”発表。連作シングルの2作目。テーマは夏、ワープ。

9月29日、3rdシングル“赤黄色の金木犀”発表。連作シングル3作目。テーマは秋。

11月3日、1stアルバム『フジファブリック』発表。

 

 

 

 

 

2005年2月2日、4thシングル“銀河”発表。

連作シングル四季4部作最終章-冬盤-。テーマは冬。

6月1日、5thシングル“虹”発表。

 

9月7日、6thシングル“茜色の夕日”発表。

アマチュア時代に作られた楽曲で、音楽をあきらめて地元に帰ろうかと悩んでいた志村が

そのことを当時バイト先の先輩だった氣志團の綾小路翔に打ち明けたところ、

「だったらこの曲(茜色の夕日)をくれないか」と本気で頼まれ、

実家に帰るのを考え直した、というエピソードがある。

 

11月9日、2ndアルバム『FAB FOX』発表。

 

同日より「MONONOKE JAKARANDA TOUR」スタート(2006年1月まで)。

 

2006年2月22日、初の映像作品集『FAB CLIPS』発表。

3月27日、足立が脱退。

4月、エフエム山口で、『フジファブリックのGUCHI GUCHI言わせて』スタート。

5月3日、初めて日比谷野外大音楽堂にてライヴを行う。

このライヴの模様は後に映像化された。

7月12日、ライヴDVD『Live at 日比谷野音』発表。

10月、自主制作ネットラジオ、「フジファブリックのネトネト言わせて」スタート。

 

2007年1月10日、7thシングル“蒼い鳥”発売。

初のオリコンチャートTOP10入りを果たす。

 

6月6日、8thシングル“Surfer King”発表。

9月5日、9thシングル“パッション・フルーツ”発表。

11月7日、10thシングル“若者のすべて”発売。

 

12月15日、両国国技館にてライヴを行う。バンド初のアリーナ公演となった。

 

2008年1月23日、3rdアルバム『TEENAGER』発表。

 

12月8日、「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2008」出演。

12月17日、ライヴDVD「Live at 両国国技館」発表。

 

2009年4月8日、11thシングル“Sugar!!”発表。

J SPORTSによるワールド・ベースボール・クラシック中継のテーマソングとなり、

さらに翌2010年、J SPORTS STADIUMのテーマソングとしても使用された。

 

5月20日、4thアルバム『CHRONICLE』発表。

 

同年12月24日、志村が死去。享年29歳。

前日から連絡が取れず、マネージャーが自宅を訪れた所、

既にパソコンの前で死去していたという。

12月25日、訃報と「病名(死因)不詳」との情報が公式サイトより出された。

法名は「釈響正」。

12月30日、志村の死に伴い「COUNT DOWN JAPAN 09/10」出演をキャンセル。代わりに過去の出演映像を上映した。

同フェスでは、28日の初日公演に出演した奥田民生、TRICERATOPS、

29日に出演した氣志團らがフジファブリックの曲を演奏した。

 

2010年1月、「ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ」へ移籍。

1月21日、志村のお別れ会「志村會」(しむらかい)開催。

4月14日、志村が遺した曲を基に、7月末のリリースに向けて

アルバムのレコーディング中であることを発表。

同時に、初のコンプリート・シングルコレクションと完全限定BOXのリリースを発表。

 

7月16日から10月1日までテレビ東京『ドラマ24』枠で放送された

森山未來主演ドラマ『モテキ』オープニングテーマに“夜明けのBEAT”が起用。

バンド初のドラマ主題歌となった同曲は、志村が遺した詞曲とヴォーカル、ギターソロに、

メンバー3人とサポートドラム刄田綴色(東京事変)が

フジファブリックの作品として完成させた楽曲。

後半に登場するギターソロは、デモに入っていた志村のプレイをそのまま使っている。

なお、ドラマの演出と脚本を担当した大根仁が監督を務める同曲のMVには

ドラマに主演した森山未來が出演している。

 

7月28日、5thアルバム『MUSIC』発表。

 

8月27日、金澤、加藤、山内が3人でフジファブリックとしての活動を続行していくことを表明。

 

2011年2月22日、『志村正彦全詩集』発売。

 

2018年、LINEモバイルのCMに“若者のすべて”が使われる。

 

2019年7月6日、志村正彦没後10年に際し、2009年に行われた生前最後のツアーのライヴ、

ドキュメンタリーが収録される『FAB BOX III』がバンドとして所縁の深い、

ふじさんホール(旧富士五湖文化センター)にて上映會が開催される。

7月10日、『FAB BOX III』発売。

 

2020年2月11日、志村の半生と、彼が遺したフジファブリックの楽曲を支えに

生きる同世代(いわゆる「失われた世代」)の現状に焦点を当てた

『若者のすべて~"失われた世代"のあなたへ~』が、

NHK総合テレビの『ひとモノガタリ』(18:05 - 18:35)で全国向けに放送。

生前志村が出演したライヴの収録映像や、初期メンバーの

小俣・渡辺隆之・渡辺平蔵による証言映像などで構成されたドキュメンタリーで、

西田尚美がナレーターを務めた。

 

 

 

志村正彦が存命だったら、今日で四十歳。

 

いまだに口惜しい。

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「志村正彦」「フジファブリック」

フジファブリック公式サイト

fujifabric.com