デボラ・ハリー(Deborah Harry/1945年7月1日~)は、

アメリカ合衆国出身のミュージシャン、シンガーソングライター、女優。

デビー・ハリー(Debbie Harry)の名でも知られ、同国のロック・バンドである

「ブロンディ」(Blondie)のボーカルを務めている。ブロンドと赤い唇が特徴。

 

 

フロリダ州マイアミで生まれたが、生後3ヶ月で養女に出され、

ニュージャージー州ホウソーンで育つ。

 

センテナリー・カレッジーに進み、卒業後、20歳で単身ニューヨークに出たデビーは、

有名なロックスターが出演するマックス・カンザスシティでウエイトレスとして働くようになる。

 

その後、1968年から1973年までは、

ニューヨークのプレイボーイ・クラブでバニーガールとして働いていた。

 

フォーク・グループ「THE WIND IN THE WILLOWS」を経て、

1974年にデビーは3人組のガールズ・グループ「スティレットーズ」に参加。

そのバックバンドのメンバーだったギタリストのクリス・スタインらとともに

同1974年、ブロンディを結成。

デビーとクリスは同棲し、公私ともにパートナーとなる。

 

1975年にはデビー(Vo)、クリス(G)、クレム・バーク(Dr)、ジミー・デストリ(Key)、

ゲイリー・バレンタイン(B)というメジャーデビュー時のメンバーが揃い、

CBGBなどのニューヨークの有名クラブに出演し、徐々に地元で人気を獲得していく。

 

1976年にデビュー・アルバム『妖女ブロンディ』(Blondie)発表。

直後にバレンタインが脱退(ただし、次作にも曲提供している)し、

フランク・インファンテが新ベーシストとなるが、間もなく元シルヴァーヘッドの

ナイジェル・ハリスンがベーシストとして加わったため、フランクはギターに転向した。

 

1977年、4枚目シングルとして、ランディ&ザ・レインボウズ(Randy & The Rainbows)が

1963年に全米トップ10に送り込んだ曲のカヴァー、"デニスに夢中"(Denis)をリリース。

これが全英チャートで2位に入るヒットとなった。

 

1978年、セカンド・アルバム『囁きのブロンディ』(Plastic Letters)がリリース。

 

続いて同年リリースされたサード・アルバム『恋の平行線』(Parallel Lines)が

全米6位・全英1位になり、シングル・カットされた“ハート・オブ・グラス”(Heart of Glass)が1979年、全米・全英ともに初のチャート1位を記録する。

ディスコ調サウンドを打ち出したこの曲のヒットでバンドは知名度が一気に上がるとともに、

デビーはセックス・シンボルとしても大いに注目されるようになる。

 

続くシングル“Sunday Girl”は米国では未発売ながら、全英では2曲の連続1位を達成。

次のシングル"Dreaming"も全英2位を記録した。

 

1980年、リチャード・ギア主演の映画『アメリカン・ジゴロ』(American Gigolo)の主題歌に

提供した“コール・ミー”(Call Me)が、再び全米・全英No.1に輝く。

 

同年、“銀河のアトミック”(Atomic)が全米39位・全英1位を記録すると、

続くシングル“夢見るNo.1” (The Tide Is High)で三たび全米・全英No.1を達成。

ジャマイカのコーラス・トリオ「ザ・パラゴンズ」の1967年“The Tide is high”を

カヴァーしたこの“夢見るNo.1”でレゲエ、

翌1981年に全米1位・全英5位を記録した“ラプチュアー” (Rapture)ではラップと、

様々なサウンドを採り入れたバンドは、その音楽性に対する評価も高めていった。

 

しかし、音楽面でアイデアを提供してきたクリスが、

まれな自己免疫疾患である「尋常性天疱瘡にかかっていることが判明。

デビーはクリスの看病に当たることを決め、バンドは1982年に解散した。

 

デビーはバンド解散前の1981年に『予感』(KooKoo)でソロデビュー。

 

その後、1986年『ロックバード』(Rockbird)、

1989年『デフ、ダム・アンド・ブロンド』(Def, Dumb & Blonde)、

1993年『デブラベーション』(Debravation)とコンスタントにアルバムをリリースしたが、

一方でデビーは俳優としての活動も始める。

 

1982年のカナダ映画『ヴィデオドローム』への出演のほか、『ヘアスプレー』(1987年・米)、

『ニューヨーク・ストーリー』(1989年・米)、『フロム・ザ・ダークサイド 3つの闇の物語』 (1990年・米)、『真夜中の殺人コール』(1991年・米)、『ウイッグストック』(1995年・米)、

『君に逢いたくて』(1995年・米)などに出演。いずれも重要な役や印象的な役を好演した。

 

また、バンド再結成後も『ハードコア・デイズ』(2001年・米)、『デュースワイルド』(2002年・米)、『死ぬまでにしたい10のこと』(2003年・米)、『エレジー』(2008年・米)などに出演。

 

1997年にブロンディを再結成。

1999年、再結成後初のシングル“マリア”をリリースし、19年ぶりに全英No.1を獲得した。

同年には17年ぶりの7thアルバム『ノー・エグジット』(No Exit)を発表。

全米18位、全英4位を記録した。

 

2003年に『カース・オブ・ブロンディ』をリリース。

 

2006年にロックの殿堂入り。

 

2007年、デビー久々のソロ・アルバム『Necessary Evil』をリリース。

 

2011年に『パニック・オブ・ガールズ』をリリース。

 

2014年5月、デビュー40周年作品として、

ニュー・アルバムと新録ベスト・アルバムをセットにした『Blondie 4(0)-ever』をリリース。

 

2017年5月5日、ブロンディは3年ぶり通算11枚目のニュー・アルバム

『ポリネーター』(Pollinator)をリリース。

デヴィッド・ボウイやルー・リードらの名作を生んだスタジオ「ザ・マジック・ショップ」で

レコーディングされた新作には、ジョニー・マー、シーア、チャーリーXCXらがゲスト参加。

リード・シングル“Fun”も話題になった同アルバムは、全英4位を記録した。

 

 

 

(参照)

Wikipedia「デボラ・ハリー」「ブロンディ」

Blondie公式サイト

blondie.net

カイエ・デ・モード

cahiersdemode.com

BARKS

https://www.barks.jp/news/?id=1000137822