ライオネル・リッチー(本名Lionel Brockman Richie, Jr./1949年6月20日~)は、
アメリカ合衆国のシンガーソングライター、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
ジャンルを超えたアフリカ系アメリカ人のポップスターとして評価の高いアーティストの一人。
ライオネル・リッチーは、アメリカ合衆国アラバマ州タスキーギ出身。
1967年、地元のタスキーギ大学在学中に、コモドアーズ(The Commodores)を結成。
同大学卒業後、オーバーン大学の大学院に学んだが、
1971年7月よりバンドはジャクソン5のオープニングアクトを務め、注目される。
その後モータウンと契約。当時ライオネルはバンド内で、サックスを担当していた。
1974年、コモドアーズは、アルバム『マシン・ガン』でデビューする。
当初は、演奏面に比重を置いたファンク・バンドで、タイトル・ナンバー“マシン・ガン”が
全米POPチャート(以下「全米」)22位、R&Bチャート7位になる等ヒットした。
やがてライオネルの甘い歌声をフィーチャーした“Sweet Love”が全米5位、R&B2位、
“Just To Be Close To You ”が全米7位、R&B1位を取ると、さらにその路線を推進し、
1978年“Easy”が全米4位、R&B1位、1978年には“Three Times A Lady”で
待望の全米1位に輝く(R&Bチャートも1位)。
バンドが躍進する一方、ライオネルは作曲家として数々のアーティストに曲を提供。
中でもケニー・ロジャースの“Lady”は、1980年に全米1位の大ヒットとなる。
翌1981年には、自身が作詞作曲しダイアナ・ロスとデュエットした“Endless Love”が、
全米1位、同年年間2位の大ヒットを記録した。
1982年、ライオネルはコモドアーズを脱退し、自らの名を冠した初のソロ・アルバム
『ライオネル・リッチー』をリリース。同年“Truly”(トゥルーリー)が全米1位の大ヒットとなり、
同曲でグラミー賞最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した。
翌1983年に発表したアルバム『Can't Slow Down』(オール・ナイト・ロング)は
グラミー賞最優秀アルバム賞と最優秀プロデューサー賞を獲得し、
同アルバムからのシングルのうち、“All Night Long”(オール・ナイト・ロング)と
“Hello” (心の扉)は全米ナンバーワン・ヒットとなった。
1985年には、「USAフォー・アフリカ」の“We Are The World” (ウィ・アー・ザ・ワールド)の
作詞・作曲をマイケル・ジャクソンと共作。
居並ぶ40人以上のスーパースターたちの中で、名誉ある歌い出しを務めた。
同年、映画『ホワイトナイツ/白夜』の主題歌“Say You, Say Me”(セイ・ユー・セイ・ミ―)で
自身5曲目の全米1位を獲得した。
この曲はアカデミー歌曲賞とゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞した。
翌1986年発表のアルバム『Dancing on the Ceiling』(セイ・ユー、セイ・ミー)が
全米1位になったのを最後に、ライオネルはしばらく表舞台から退いた。
なお、シングル“Say You, Say Me”は後に、
日本のスーパー・マーケット「西友」のCMに起用された。
1996年、10年ぶりのアルバム『Louder Than Words』(ラウダー・ザン・ワーズ)を発表し、
復活を果たすが全米28位、R&B15位に終わる。
その後もマイペースでアルバムを発表しているが、母国アメリカではヒットしなかった。
2006年、8枚目のアルバム『Coming Home』が「Billboard 200」で初登場6位を記録、
自身初となるBillboardチャート初登場TOP10入りを果たした。
その後もセールスを伸ばし続けた同アルバムは、結果的に50万枚以上を売り上げ、
全米でゴールド・ディスクを獲得する久々のヒット作となった。
2009年、9枚目アルバム『Just Go』が、Billboard 200で初登場24位にランクインした。
同アルバムでは、エイコン等の新鋭アーティストとも共演を果たしており、
非常にポップな作品となっている。
同年7月7日、マイケル・ジャクソンの追悼会にて"Jesus is Love"を披露した。
2010年、ハイチで起こった震災の被災者を支援するため
“We Are The World 25 Years For Haiti”(ウィ・アー・ザ・ワールド:25・フォー・ハイチ』を
再レコーディングしている。
2012年3月(日本盤は11月)、ケニー・ロジャースら多くの有名カントリー歌手と
デュエットを行ったコラボレーションアルバム『Tuskegee』(ベスト・デュエット〜タスキーギ)が
リリースされた。
カナダ、ドイツ、イギリスを初めとする数多くのナショナルアルバムチャートにて上位を獲得。
既にデンマークでは、ゴールド・ディスクを獲得している。
また、全米アルバムチャートにおいても、約19万9千枚を売り上げ、
初登場2位と初登場の自己記録を更新し、最高位は1位に達した。
これにより、サウンドスキャンが1991年にアルバムの販売枚数を調査し始めて以来、
ライオネルにとって、自身最高の初週売り上げ枚数となった。
2020年6月、米ウォルト・ディズニーが、ライオネル・リッチーの楽曲を活かした
ミュージカル映画「オール・ナイト・ロング(仮題)」の企画開発を行っていることが
明らかになったと、米『バラエティ』誌が報じている。
現在は米人気番組『アメリカン・アイドル』の審査員を務めるライオネル自ら映画化案を企画。
ABBAの曲をベースにした大ヒット映画『マンマ・ミーア!』のように、
ライオネルの楽曲を生かした実写映画を作るというもので、
本年1月にディズニーが権利を獲得。
現在は『あなたは私の婿になる』、『クレイジー・リッチ!』のピーター・チアレッリが
脚本を執筆しているという。
このところなかなか先が見えない状況が続くエンターテインメント界にあって、
“本当に”(Truly)実現したら非常に喜ばしいことだと、ライオネル本人ならずとも
“一晩中”(All Night Long)ワクワクできそうなニュースではある。
(参照)
Wikipedia「ライオネル・リッチー」「コモドアーズ」
映画.com 2020年6月19日
https://eiga.com/news/20200619/12/