ニール・フィン(Neil Mullane Finn /1958年5月27日~)は、

ニュージーランドのテ・アワムトゥ生まれのシンガーソングライター。

クラウデッド・ハウス(Crowded House)のフロントマンとして有名。

 

 

1972年に学生たちが大勢で作ったバンドが、

ニールの実兄ティム・フィンらによりプロとしての活動をするようになり、

1973年に「Split Ends」名義でシングルをリリースし、デビュー。

 

1975年に「Split Enz」と改名し、奇抜なコスチュームや

演劇的なパフォーマンスで注目を集めるアート・バンドとして活動。

 

 

1979年のアルバム『トゥルー・カラーズ』がヒットするなど

「豪州のビートルズ」と言われ、人気を博していた。

 

 

バンドにティムがいた関係で、ニールも3枚目のアルバムから参加したものの、

「南半球が生んだスーパー・バンド」は1984年に解散した。

 

 

「スピリット・エンズ」解散後、オーストラリアへ渡ったニールは、

オーストラリア人のニック・シーモア、ポール・ヘスターとともに、

メルボルンでバンドを結成。

 

元々のバンド名は「The Mullanes」であったが、

「クラウデッド・ハウス」に改名した。

デビューアルバムのためにロサンゼルスでレコーディングしたときに、

小さい住居を与えられたのが、新しいバンド名の由来だという。

 

1986年のデビュー年にリリースしたシングル

“ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー”(Don't Dream it's Over)が

全米2位になるなど大ヒット。

 

この曲のほか、全米7位の“Something So Storong”も収録した

ファースト・アルバム『クラウデッド・ハウス』もゴールドディスクを獲得した。

バンドは、米国5曲、英国16曲(再リリース含む)をチャートインさせたが、

ほとんどの曲はニールが作曲したものだった。

 

1988年、セカンド・アルバム『Temple of Low Men』をリリースした。

収録曲は、"Better Be Home Soon"、“I Feel Possessed”など。

 

1991年、3年ぶりのサード・アルバム『Woodface』をリリース。

“Chocolate Cake”などを収録している。

この時、兄のティムが正式にメンバーになり、

本アルバムでも兄弟デュエットが聴けるが、ティムは2年ほどで脱退する。

 

1993年、 “Weather With You”や“Private Universe”を収録した

4枚目のアルバム『Together Alone』をリリース。

 

クラウデッド・ハウスは、メンバーチェンジを経て、1996年に解散した。

 

バンド解散前の1995年、ニールとティムのフィン兄弟は

『フィン・ブラザーズ』名義でアルバムをリリース。

 

2004年、フィン・ブラザーズは再び活動を始め、

アルバム『Everyone Is Here』を発表する。

 

 

なお、ニールとティムのフィン兄弟は、

ニュージーランド、オーストラリアでの長年の音楽活動を讃えられ、

大英帝国勲章を授与されている。

 

 

1998年、ニールは初のソロ・アルバム『TRY WHISTLING THIS』をリリース。

 

2005年にクラウデッド・ハウスのオリジナル・メンバー、

ポール・ヘスターが死去。

 

2006年6月にはスプリット・エンズが全盛期のメンバーで再結成。

オーストラリアをツアーで回った。

 

 

2007年、ニールの関係するプロジェクトのツアーやレコーディングに

ギタリストとして参加してきた長男、リアム・フィンが、

それまでの自身のバンド活動に区切りをつけ、

ソロ・アーティストとしてアルバム『I'll Be Lightning』でデビュー。

 

同年にはクラウデッド・ハウスを再結成し、

アルバム『タイム・オン・アース』をリリース。

同アルバムは、元ザ・スミスのジョニー・マーの参加なども話題になり、

全豪アルバムチャート1位を獲得した。

再結成後は2008年までに英国で3曲をチャートインさせている。

 

2010年.クラウデッド・ハウスはアルバム『Intriguer』をリリース。

 

2017年、ニールのソロ・アルバム『Out of Silence』を発表。

 

2019年、ニール・フィンがフリートウッド・マックのツアーに

新メンバーとして正式に加わり、バンドの一員として全米各地を回った。

ニールのフリートウッド・マックへの加入は突然の発表だったが、

実はミック・フリートウッドとは長年にわたる親交があったからだという。

なお、フリートウッド・マックはニールら新メンバーとともに

新曲をレコーディングする計画もあるとのこと。

 

また、ニールは2020年、直近にクラウデッド・ハウスとして

英国、ドイツ、スペインなどを回るヨーロッパ・ツアーを予定していたが、

コロナ禍の影響により、2021年6月、7月に振り替えられた。

 

 

 

コロナで外出をまだまだ控えるとなるとイライラするものだが、

そんな時は、彼の紡ぎ出すメロディーに耳を傾けると

不思議と落ち着いたりする。

 

ニール・フィンはそんなアーティストだ。

 

早く自由に出歩けるようになりたいと、

“Don't Dream it's Over”を聴きながら思う今日この頃である。