東郷昌和(とうごう まさかず/1952年4月29日~)は、日本のシンガーソングライター。

東京都世田谷区出身で、フォーク・デュオ「BUZZ」のボーカル&ピアノ担当。

 

 

BUZZといえば、誰もが思い出すのはこの曲だろう。

 

 

東郷は麻布中学校時代、同級生で立教中学に通っていた

高橋幸宏とパーティーバンド「ブッダズ・ナルシィーシィー」を結成。

 

その後、高校生になるとプロドラマーとして活動を始める高橋幸宏をはじめ、

荒井由実、小原礼、鈴木茂、後藤次利、高中正義等と交流を持ち、

スタジオプレイヤーとして活動し、CMソングを歌うようになる。

 

因みに、高橋幸宏は信之の弟であり、小学校の同級生、しかも兄姉がそれぞれ同級生で、

小学校入学前から顔見知りだった。また後に幸宏が東郷の姉妹と結婚したため

昌和にとって幸宏は一時義兄弟になるが、二人はその後離婚した。

 

 

一方、後に東郷とBUZZを組むことになる小出博志(こいで ひろし/1951年2月13日~)は、

東海大学在学中にバンド「インディアンアップル」を結成。

その後、高橋信之を中心としたグループ「ステージフライト」に参加した。

 

 

1972年6月、高橋信之によるプロデュースで、東郷は小出とともに「BUZZ」を結成。

高橋信之がCM業界で活躍していた縁で、日産スカイラインのCMソングを担当することになり、

同年11月25日、同 “ケンとメリー 〜愛と風のように〜”でレコード・デビュー。

企業タイアップのCMソングの先駆けともいえる同曲は

オリコンチャート19位を記録するヒットとなり、33万枚以上を売り上げた。

 

また、CMの効果もあっただろうし、当時の時代背景も追い風になってか、

ケンメリの愛称で親しまれた4代目のC110型は、4年間で67万台が生産され、

歴代スカイラインで最多販売台数を記録している(2020年4月現在)。

 

なお、CMバージョンはレコード化されたものとは歌詞が異なる。

 

また、福山雅治(2006年「福山エンヂニヤリング」サウンドトラック『The Golden Oldies』)

など、同曲は多数カヴァーされている。

 

 

BUZZは以後、 “朝”、“はつかり5号”、“あなたを愛して”、“わかれ”他、

キングレコード時代の1980年までにシングル12枚をリリース。

 

RCAレコードに移籍して2枚目のシングル、

1981年9月25日リリースの“そして…瞳、少年風 ” は、

マックスファクター ‘81秋のキャンペーン・ソングに採用。


 

BUZZとしてのアルバムは、『BUZZ』、『REQUIEM THE CITY』、

『GENTLE MIND FROM BUZZ』、『A NEW TIME』など、1981年までに8枚をリリース。

 

その傍ら、吉田拓郎や松任谷由実、松田聖子などの公演や作品で

バックコーラスを多数担当。

 

1982年にBUZZは解散。

 

1995年8月25日、BUZZ名義でRCAからは3枚目となるCDシングル

“明日へのフェアウェイ”をリリース。

同曲はANB系『ゴルフトーナメント』エンディング・テーマに使用された。

 

そして2003年頃より、「BUZZ」としての活動を徐々に復活させ、

2006年の長野県飯田市で行われた単独ライヴ「Live in IIDA」で本格的に活動を再開。

 

2007年4月27日には26年振りに新作『Refrain』を発表。

 

2010年4月にはポニーキャニオンから、

10枚目のアルバム『Back to the beginning』をリリースした。

 

 

 

東郷、小出はそれぞれ、ソロとしても活動。

 

東郷は、1984年、『らんぽう』エンディング(以下ED)テーマ“気まぐれムーンライト”、

1985年、『超獣機神ダンクーガ』EDテーマ“SHADOWY DREAM”、

1999年、『夢のクレヨン王国』挿入歌“海と空のダンス”と、テレビアニメへ楽曲を提供。

 

2014年9月3日には、伊藤銀次によるプロデュースで、

40年(当時)のキャリアで初のソロ・アルバム『 A Wonderful Time』」をリリースした。

 

直近の演奏活動は、本2020年4月のジョイントライブは残念ながら中止となってしまったが、

7月3日には目黒・Cafe & Live spot FJ'sにて、アコースティックライブを予定している。

(2020年4月29日現在)

 

このほか、様々なアーティストのアルバム制作やライブに、作曲やコーラスなどで参加。

CMソングなども多数手掛け、小林亜星作曲の松下電器産業(現:パナソニック)の

「マックロード」(マックロードムービー)のCMソングには歌唱参加した。

 

ボーカルプロデューサーとしても、BOA、唐沢美帆、水樹奈々、

大塚雄三(チャコールフィルター)、 岡田浩暉(To Be Continued)、

東京パフォーマンスドール、徳山秀典、Bugs under grooveなどを担当。

 

また、松任谷正隆主宰の音楽学校「マイカミュージックラボラトリー」で講師を務め、

後進の指導に当たっている。

 

2019年5月からは、TVK(テレビ神奈川)の

『名曲アワー~We love pops』(毎月第1・第3金曜日深夜26:30~26:45)で

BUZZ時代も含めて初のテレビ番組レギュラーナビゲーターを務めている。

 

 

 

BUZZでボーカルとギターを担当していた小出博志は、

一時期「佐伯博志」の名でも活動していた。

 

1985年に日産ラングレーのCMに起用された“愛を染めて、リサ”を収録したアルバム、

『茉莉花』が1986年3月5日にリリース。2015年3月18日には初CD化された。

 

1989年のテレビアニメ『シートン動物記』では、

オープニングテーマ“生命あるもの”、EDテーマ“ユートピア”の作曲をはじめ、

『シートン動物記 オリジナルサウンドトラック』で数曲作曲を担当している。

 

東宮千子原作コミックス『明るい青少年のための恋愛』のイメージ・アルバムを全曲作曲。

 

このほか、映像音楽などの作曲およびCMの作詞作曲や各種レコーディングへの参加、

西島三恵子などのサポートミュージシャンとして活躍中。

 

 

 

今どき、「BUZZ]で検索すると、

「BuZZ」という全く別のバンドが出てきてしまう。

 

ケンメリのCMを知る身としてはやや残念である。

 

活動を続けるBUZZが、もう一度バズることを願ってやまない。

 

 

 

時代はちょっと後ろにズレるが、

1977年のサントリー・レッドのCMも印象に残っている。

 

今晩はこれで一杯やろうかな。