アラン・プライス (Alan Price,1942年4月19日~)は、イギリスのミュージシャン。
イングランド北東部のダラム州ファットフィールド出身。
ジ・アニマルズ(The Animals)の初代キーボード・プレイヤーであり、
“朝日のあたる家” (The House of the Rising Sun)等で
VOXオルガンを使用したオルガン演奏などが特に知られている。
7歳からピアノを始め、10代でピアノ、オルガン、
そしてギターにベースを独学でマスターした。
1955年、スキッフルに傾倒して、
幾つかのバンドに参加した後ベーシストに転向。
知人だったエリック・バードンとともにザ・パガンスを結成したが、
健康上の理由から脱退し、療養後にコントゥアーズに加入した。
このコントゥアーズで、ベーシストのチャス・チャンドラーと知り合う。
1958年、コントゥアーズが解散し、チャスとともに
アラン・プライス・リズム・アンド・ブルース・コンボ
(以下アラン・プライス・コンボ)を結成した。
1962年、旧知のエリックがアラン・プライス・コンボに参加。
1963年、バンド名をジ・アニマルズとして再スタートした。
リズム&ブルースやブルースのカヴァーを多く演奏したが、
エリックの粘っこいソウルフルなヴォーカルとともに、
アランのエモーショナルな鍵盤のサウンドがバンドの音楽を支えていた。
1964年、“朝日のあたる家” (The House of the Rising Sun)をはじめ、
“Baby Let Me Take You Home”、"Don't Let Me Be Misunderstood"、
"悲しき叫び"(Bring It On Home to Me)等がヒットして
アニマルズは全米ツアーも行った。
バンドは好調だったが、アランはよりいっそう鍵盤の可能性を追求することをめざし
1965年5月、ジ・アニマルズを脱退、
翌1966年、アラン・プライス・セットを結成した。
デビュー曲の“アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー” (I Put a Spell on You)がヒット。
1966年にはデビューアルバム『プライス・トゥ・プレイ』をリリースしたが、
1968年に解散した。
1971年にはアラン同様オルガン奏者として著名なジョージィ・フェイムと共演し、
“Rosetta”を含むアルバム『Going Home』をリリースした。
1973年には、イギリスのコメディ映画『オー、ラッキーマン!』(O Lucky Man!)の
サウンドトラックを担当。
因みに同映画の主演は『時計じかけのオレンジ』でお馴染みのマルコム・マクダウェル。
1974年には、リリースしたソロアルバム
『人生は長い物語』(Between Today and Yesterday)が全英9位を記録している。
1975年と1983年に、ジ・アニマルズはオリジナルメンバーで一時的に再結成し、
アランもそれに参加した。
1994年、ジ・アニマルズが「ロックの殿堂」入りし、
授賞式参加の為ニューヨークへ赴く。
2002年にはセルフプロデュースしたアルバム『Based On A True Story』をリリースした。
現在アラン・プライスはイギリス国内を中心に、
精力的な音楽活動に取り組んでいるという。
