ポーラ・コール(Paula Cole/1968年4月5日~)は、

アメリカ合衆国マサチューセッツ州は

ボストンの北北東にある半島の町、ロックポート出身の

女性シンガーソングライター。

 

 

 

30年近くに及ぶ彼女のキャリアの中で最も知られたナンバーは、1997年の大ヒット曲、“アイ・ドント・ウォント・トゥ・ウェイト”(I Don't Want to Wait)だろう。

 

この“アイ・ドント・ウォント・トゥ・ウェイト”は

1998年の映画『シティ・オブ・エンジェル』の予告篇CMに使われたことで

広く知られた。

 

City of Angels - Trailer #f1

 

 

 

 

因みに『シティ・オブ・エンジェル』は、ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』(1987年)の大胆なメイク作品である。

 

 

 

 

 

『シティ・オブ・エンジェル』では当時人気絶頂だったニコラス・ケイジとメグ・ライアンが主演し、舞台がベルリンからロサンゼルスに変更。『ベルリン・天使の詩』ではヒロインがサーカスの舞姫だったのがメグ・ライアンは外科医役を演じている。

 

 

さて、この『シティ・オブ・エンジェル』だが、予告編にはあれだけ大々的に使われていた“アイ・ドント・ウォント・トゥ・ウェイト”は本編では一瞬たりとも流れない。なんと、同曲は映画『シティ・オブ・エンジェル』本編とは全く関係が無く、単に宣伝時のBGM的に使っただけだったのである。

予告編で曲が気になり、『シティ・オブ・エンジェル』を公開後、2度も観に行った身としては、何とも遣る瀬無かった記憶が残った。

この曲が流れていないか念のため確認しようと映画のDVDまで購入したのに・・・。

 

そのポーラ・コール“アイ・ドント・ウォント・トゥ・ウェイト”のPVがこれである。

 

Paula Cole - I Don't Want to Wait (Official Music Video)

 

 

 

 

なお、同曲はアルバム1996年の2ndアルバム『ディス・ファイア』(This Fire)からのシングルカットである。

 

 

このアルバムからはもう一曲、“オール・ザ・カウボーイズ・ゴーン”(Where Have All the Cowboys Gone?)がシングル発売されている。

 

 

Paula Cole - Where Have All the Cowboys Gone? (Official Music Video)

 

 

 

 

ポーラは『ディス・ファイア』からのシングルが大ヒットしたことを受けて

1997年、グラミー賞の最優秀新人賞を受賞している。

 

 

グラミー賞受賞者となったポーラだが、その経歴を遡ると、高校卒業後、

ボストンのバークリー音楽大学に進学するところから始まる。

 

そこでジャズ・ヴォーカルの発声法を学び、ジャズ歌手を目指した。

しかし、シンガーソングライターとなることを決意し、

卒業後はサンフランシスコに移住し音楽活動を開始した。

 

1992年、ニューヨークで演奏中、レコード会社の目に止まり、これをきっかけにプロとしての活動を開始。

 

1993年、1stアルバム『ハービンガー』が完成、翌1994年にリリースされた。

 

この時期、ピーター・ガブリエルのツアー・メンバーに参加したのを機に、

彼女の存在に注目が集まるようになった。

 

そして1996年の大ヒットと1997年グラミー賞へと続くわけである。

 

グラミー賞後の1999年にはポーラ・コール・バンド(PAULA COLE BAND)の名義でアルバム『アーメン』(Amen)を発表。

バンドの構成は3人で、彼女(ボーカル)の他にバークリー音大時代の学友のケヴィン・バリー(Kevin Barry、ギター)とジェイ・ベルローズ(Jay Bellerose、ドラム)である。

 

 

 

 

2004年には、フュージョン界のトランペット奏者、クリス・ボッティ(Chris Botti)の『ホェン・アイ・フォール・イン・ラヴ』で客演。

同アルバムには、ポーラと同じくゲストとしてングが参加している。

 

My One and Only Love...Paula Cole and Chris Botti

 

 

 

 

2006年ベストアルバム『Greatest Hits: Postcards from East Oceanside』をリリース後、デッカ・レコードに移籍した。

 

 

デッカでは、2007年の『Courage』を皮切りに、2010年『Ithaca』、

2013年『Raven』、2015年『7』、2017年には『Ballads』を発表。

 

『Ballads』からは、ビリー・ホリディの代表曲のひとつ

“ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド”(God Bless the Child)のカヴァーを

シングルカットしている。

 

Paula Cole, Ballads - God Bless The Child

 

 

 

 

バークリーでジャズを学び、シンガーソングライターとして成功したポーラは、この数年、ポップスとジャズの境界に拘らず、自分にとって音楽とは何か、ということに向き合っているように思う。

その一つの表れが、“ゴッドブレスザチャイルド”のカヴァーなのではないか。

 

シンガーソングライターとして、そして、シンガーとして、ますます磨きがかかるポーラ・コールの今後に期待したい。

 

 

 

 

 

 

ポーラの出身地、マサチューセッツ州は飲酒に厳しいことで名高い。

 

そんな地域でも、無論、酒は飲まれている。

 

同州の名産、クランベリーを使ったカクテル、

鮮やかなレッドが印象的なウオッカ・クランベリーが有名だという。

 

カクテルといっても、作り方は簡単。

 

グラスに氷を入れ、ウオッカ、クランベリージュースを注ぎ、

軽くステア(かき混ること)して、できあがり。

 

ウオッカの分量でアルコールの強さを調節できる。

 

これにライムやレモン、オレンジなどの柑橘類をスライスして添えれば

よりさっぱりとさわやかな感じに仕上がるので、お好みで。