延期になり、1年後の日程も決まった2020東京オリンピック。

 

2013年(平成25年)9月にIOC(国際オリンピック委員会 International Olympic Committee)総会で選出されて以降、しばしば目にするようになったのが、IOCのバッハ会長である。

 

特に最近、マラソン開催地や延期の問題で何かと出てくるバッハ会長だが、同姓のクラシック音楽の作曲家がいたけど関係あるのだろうか?と思って調べてみたら、今日が音楽家バッハの誕生日だった。

 

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach以下JSバッハ/1685年3月31日~1750年7月28日)は、18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家。

バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても名高い。

 

JSバッハは代々音楽家の家系であり、また彼の子どもらも音楽に携わった者が多く、そのためバッハと名の付く音楽家は数多い。

 

ただし、何もつけず、ただ「バッハ」と表記する場合は、JSバッハを指す。

また、JSバッハは他のバッハと区別するために「大バッハ」とも呼ばれる。

 

JSバッハはドイツ中部のアイゼナハで音楽家の子として生まれた。

 

修道院付属学校で学んだ後、1703年、ヴァイマルの宮廷楽団に就職。

当初はヴァイオリン担当だったが、オルガン演奏もこなした。

 

やがてオルガンの腕が認められ教会のオルガニストに採用され、

演奏の他に聖歌隊の指導も任された。

1707年、マリア・バルバラと結婚。2人の間に生まれた7人の子供のうち、

フリーデマンとエマヌエルは高名な音楽家になった。

 

1720年夏、領主に随行した旅行中に妻が急死という不幸に見舞われる。

 

その翌年には、宮廷歌手のアンナ・マクダレーナ・ヴィルケと再婚。

有能な音楽家だった2度目の妻との結婚によりJSバッハは、仕事を助け、

作品の写譜などもしてくれる新たなパートナーを得たのだった。

 

JSバッハの作品とされていた曲のいくつかは彼女の作曲であることが確実視されている。

 

その後、オルガン演奏に加えて宗教音楽を作曲していた教会から、次第に活動の場を宮廷楽団に移し、オルガニスト、楽団師長、そして作曲家として活躍した。

 

しかし生前のJSバッハの名は、オルガニスト、あるいは著名な音楽家となった

フリーデマンとエマヌエルの父として通っていた。

 

JSバッハは1749年5月末、脳卒中で倒れた。

翌1750年3月末と4月半ばに2度にわたって手術を受けた。

 

2度の手術に後遺症、薬品投与などの治療はすでに高齢なバッハの体力を奪い、

その後は病床に伏し、7月28日午後8時15分に65歳でこの世を去った。

 

JSバッハの曲はバロック音楽に続いた古典派からは古臭いものと見なされたこともあり、

死後は急速に忘れ去られていった。

 

それでも鍵盤楽器の曲を中心に息子たちやモーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、

ショパン、シューマン、リストなどといった音楽家たちによって細々と、

しかし確実に受け継がれ、1829年のメンデルスゾーンによるマタイ受難曲のベルリン公演を

きっかけに一般にも高く再評価されるようになった。

 

今日では西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり音楽の源流であるとも捉えられ、

日本の音楽教育では「音楽の父」と称された。

 

生前の不遇と評価の低さはフィンセント・ファン・ゴッホを彷彿させるが、

これもまた時代を先駆けた天才の宿命なのかもしれない。

 

 

バッハの作った曲は管弦楽・協奏曲、室内楽曲、オルガンをはじめとする器楽曲、

宗教音楽など幅広く、数も多いので、ここではほんの一部の有名な曲を選択した。

 

 

“G線上のアリア”は管弦楽だが、ヴァイオリンの4本の弦のうち最も低い弦=G線だけで弾けるようにアレンジされたことから、「G線上」の名が付けられた。

バッハ:《G線上のアリア》パイヤール 1962

https://www.youtube.com/watch?v=NV7qSISvnxw

 

 

教会カンタータ“心と口と行いと生活”の中で登場するメロディー。1723年7月2日の礼拝に用いられた。

主よ人の望みの喜びよ /バッハ/Jesu,Jou of Man's desiring/J.S.Bach/classic Pinao/クラシックピアノ/CANACANA

https://www.youtube.com/watch?v=kOvblXFLTjc

 

 

チェロを演奏する者にとって避けては通れぬ一曲。

J S Bach 無伴奏チェロ組曲第1番

https://www.youtube.com/watch?v=lJr6EfLS5i0

 

 

 

日本では童謡“まっかな秋”とそっくりなフレーズから始まることでも有名。

管弦楽組曲第3番 ガヴォット

https://www.youtube.com/watch?v=I9oaS-zvIm8

 

まっかな秋/杉並児童合唱団

https://www.youtube.com/watch?v=eDZHK5NG5pY

 

 

 

なお、「バッハ」姓はドイツにおいて、決して珍しいものではない。

また、JSバッハの血筋は本流では途絶えているという。

わずかに傍流が残っているだけらしいが、これとIOCのバッハ会長とは関係がない。

 

つまり結論は、JSバッハと第9代IOC会長トーマス・バッハ (Thomas Bach/1953~)氏とは

関係がない、ということである。

 

悪しからず。