1962年にロンドンで結成して以来、今日まで1度も解散することなく
転がり続ける、最強にして最高のロックバンド、
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)。
そのオリジナルメンバーであり、バンドの名付け親、
最初のリーダーとして初期の方向性を定め、多彩な楽器を取り込み、
中期以降の音楽的多様性を予見させる種をまいた男。
ブライアン・ジョーンズがこの世に生を受けたのが、今日この日である
(Brian Jones/1942年2月28日~1969年7月3日)。
当初はブルーズやR&Bを本格的に演奏することを目指し、
バンド名をマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)の“Rollin' Stone”がら
拝命したブライアンだが、オリジナル曲のソングライティングに
興味を示さなかったことから、次第にバンドの主導権を
ミック・ジャガーとキース・リチャードに受け渡していくことになる。
加えて、薬と酒に溺れてバンド活動に支障をきたすに至り、
ついに自分が作ったバンドを実質的に首になる悲哀を味わう。
そんなブライアンが脱退前、最後にまともに演奏したと言われるのが
1968年の“Rrock and Roll Circus”でのギグ。
その中から、“Sympathy for the Devil”をチョイスした。
映像は当該音源のものだけでなく、前後の時代の素材が
つなぎ合わされている様だが、馴染みの金髪マッシュルームカットで
VOXのギターやシタールを操るブライアンの演奏シーンを観ることができる。
多様な楽器の演奏に長け、様々な音色をストーンズサウンドに
取り込んできた彼の象徴的な映像に、感無量である。
“Sympathy for the Devil”はこの翌年、自宅で非業の死を迎えた
ブライアンを憐れむレクイエムなのかもしれない。
そんなことをこの演奏を見ながらふと想った。