李白の「春夜洛城に笛を聞く」は、心にしみる叙情詩ですね。望郷の心情を詠った傑作です。

★夜、春風にのって美しい笛の音が洛陽の街一帯に流れてくるが、いったい何処の家で吹いているのだろう。今夜の曲の中で、離別のときに歌うあの「折揚柳」の曲を聞いた。この曲を聞いて、故郷を思わないものがいるだろうか。

★望郷の念、哀調を帯びた美しい詩である。故郷を遠く離れた戦場にあって、やるせない哀愁がただよっている。特に、玉笛、春風、折柳、故園などの語が、甘美なムードを漂わせている。李白の名作の一つ。