学問の神様・菅原道真の「九月十日」を詠みます。

この詩は道真が九州・太宰府へ流された一年後に詠んだ詩です。

道真の心情がよく現れていますね。

★去年の今夜、宮中の清涼殿で菊の御宴があり、私もそこに侍(はべ)っていた。「秋思」の御題で詩を作ったが、私一人だけ断腸の思いを詠んだ詩となった。その時、天皇から恩賞として賜った御衣が今ここにある。それを毎日捧げ奉り、天皇の御香を拝している。

★この詩は道真の代表作であるばかりでなく、日本の漢詩の代表的傑作といえる。道真が一年前を回想し、道真はわずか十三歳だった醍醐天皇を、藤原時平と補佐することとなったが、道真への信任が特に厚く、それが藤原氏の恨みをかうこととなった。そのため藤原氏の讒言(ざんげん)により、九州大宰府へ流罪となった。

道真の没後その冤罪は晴れ、村上天皇は道真の霊を慰めるため、京都に北野天満宮他、各地に祠(ほこら)が建てられた。それが、学問の神様・天神様である。