今日は「静夜思」を紹介します。

故郷への思いを詠った李白の傑作ですね。

★秋の夜、寝台の前に白い月の光がさし込んでいる。まるで、地上に降った霜かと疑うほどだ。その光に誘われて頭を上げると、山にかかった月が望まれる。また、その月を眺めていると、故郷を思いだし、しらずしらずうなだれ、頭がたれ下がってしまった。

★月を見上げて故郷を思う歌は、日本にも古くから、民謡に、和歌にとたくさん歌われ、詠まれています。放浪の詩人・李白も、異郷にあって故郷を懐かしみ、感傷にふけることもあったのでしょう。望郷の念を詠った代表的な詩です。谷崎潤一郎は「この詩にはなにか永遠な美しさがある」といっています。


“漢詩は難しい”とのイメージがありますが、美しい珠玉の名句がたくさんあり、やさしく、楽しいですよ。