蘇軾の「春夜」は起句の

「春宵一刻値千金」が有名ですね。

 

★春の宵のひとときは千金のねうちがある。花には清らかな香りがただよい、月はおぼろにかすんで風情がある。先ほどまで歌や楽器で賑やかだった高殿も、かすかな声になっている。中庭には、ぶらんこがぽつんと置き忘れられ、夜がしずかにふけてゆく。

★春の夜の静かな情趣を詠じた詩。非常に有名な詩で、春の宵を詠った詩で、これほど見事に詠った詩は他にないだろう。竹島羽衣は「花」(滝廉太郎作曲)のなかで、「げに一刻も千金の眺めをなににたとうべき」と、この詩を踏まえて歌っている。又、江戸時代、太田蜀山人の狂歌に「一刻を千金づつにしめあげて六万両の春のあけ ぼの」がある。