やさしい漢詩。今回は真山民の「山中月」を取り上げました。

穏やかで、情緒豊かな詩です。このような心境に浸りたいものです。

★私は、山中のまばらな林を照らしている月が好きだ。静かに隠者ぐらしをしている私を憐れんでくれているかのように、私のえりのあたりに優しく光をそそいでくれる。私の心はもともと月のように澄み切っている。月もまた我が心のようだ。その心と月とがお互いに照らしあい、尋ねあって、この清らかな夜をいつまでも楽しもう。

★月の光と自分の心を、美しく清らかに詠った名詩です。山中、疎林、幽独、流光、清夜など、月の夜のムードをいっそう引きたてます。作者が、月を眺めている姿が目に浮ぶようです。特に「我が心もと月の如く、月もまた我が心の如し」は、作者が最も、風情を感じ、心をこめて詠じているところでしょう。

★あなたも心静かにこのような夜、月を愛でてみてはいかがでしょうか。