やさしい漢詩。今日は杜甫の「絶句」を紹介します。

★川の水はみどり色に澄み、川面を飛び巡る鳥はひときわ白くあでやかだ。山は木々が青く、花は燃えるように赤く美しい。今年の春も又、過ぎようとしている。自分はいつになったら故郷へ帰れるときが来るのだろう。

★放浪の詩人・杜甫が、去りゆく春を惜しみ、望郷の念を詠った有名な詩です。

大変わかりやすい詩で、中学の国語教科書などにもとりあげられています。前半は、美しい春の気色を詠い、碧・白・青・赤、と色を表す語を散りばめ、いっそう美しさを引き立てていますが、後半では対照的な杜甫の寂しい心情を詠っています。