雑記 | フランス語発音上達ブログ!

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TOEIC980。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智博士課程在学中の井上がフランス語の発音を上達させるための方法について話します。

昨日、audibleでスペイン語版who moved my cheeseの音声をダウンロードしたのですが、これを聞いていてかなりスペイン語が上達しているのがわかりました。前は、単語レベルでは聞き取れても文章として意味を理解するところまでは行かなかったのですが、この冬に100時間くらいスペイン語の本を聞いたおかげでだいぶ耳からスペイン語が入ってくるようになりました。



いや、やっぱり耳読書の効果はすごいですね。これ多分何語でも効果があると思うんで、英語なりなんなりを勉強してて伸び悩んでる人はとにかく大量に本を聞いてみてください。知らない間にできるようになります。



ところで、このwho moved my cheese?ですが、今回読み返してて改めてアメリカ的な話だなと思いました。こういうアメリカ初の自己啓発書を読んでるといつも思うんですが、アメリカってのはやっぱり文化的に”冒険するのはいいことだ”っていう価値観が組み込まれてるんですよね。



この前のエントリーで人生を聖杯伝説として捉えるという考え方を述べましたけど、こうやって人生をクエストと見なす考え方に対する突っ込みっていうのは、「聖杯がなかったらどうしよう」っていう疑問じゃないかと思います。もちろん、僕は経験としてクエストをすれば最初もとめていたものとは違った形であれ聖杯は必ず見つかるっていうことは知っているんですけど、それはあくまで経験則でしかないんですよね。なので、「聖杯を探すのはいいけど、そもそも聖杯自体がなかったらどうしてくれるんだ?」と言われると、なかなか返すセリフがないんですよね。



まあ、個人的には、有隣堂の元になった論語の「徳は孤ならず、必ず隣あり」って言葉にももわかるように、自分が正しいことをしていれば必ず探し求める物はでてくると思いますが、ただ絶対そうなるのかといわれるとなかなか返答しがたい物があります。だいたい、そういった孔子だって、兼好法師に「孔子も時に会わず」とか言われてますからね。そう考えると、「不孤徳有隣」というのも、裏付けに乏しいなと言わざるを得ません。



それに比べると、アメリカの場合、イギリスを飛び出すことで新世界を成立させたという強烈なな成功体験がある国なので、そこら辺は迷いがないですよね。ベストセラーを解説した百年の誤読と言う本にこのwho moved my cheese?が取り上げられていて、そこで作者が「この本の一番の問題は冒険に出さえすればチーズが見つかると仮定されていることだ。本当の問題は、冒険に出てもチーズが見つかるかどうかわからないと言うことにある。」と言うことを述べていてこれはもっともな言い分だと思うんですけど、ただアメリカの強さ(および脆さ)というのはそういう当然の疑問も出てこないくらい過去の成功体験が強烈なことにあるのかなと思います。



まあ、英語も簡単なので、興味がある人は英語版を読んでみてもいいのではないでしょうか。



しかし、ここまで書いてて気づきましたが、よく考えたら日本にも神武天皇を導いたヤタガラスの伝説がありますね。こちらに関してのお話は、また後日。