「オワハラ」が問題なら内定を2種類にしては?


就活の「オワハラ」が問題となっているようです。





何でもかんでも◯◯ハラとまとめてしまう風潮はいかがなものかと思いますし、実際、武井壮さんやGACKTさんも警鐘を鳴らしてますね。


それにしても、気をつけることが多い、難しい世の中になってしまったものです。





それはさておき、「内定出してあげるけど、その代わりに就活終わらせてね」というオワハラ。



かつては人事面談で内定を出したその場で併願先に電話をかけさせ、人事部が見ている前で泣く泣く断りの電話をかけさせられたりしたものです。


そして、そのまま食事会に連れて行かれて深夜まで拘束され、翌日からは他社と接触できないように、朝から晩まで研修という名の監禁が続きます。(その昔、バブル期とかはテーマパークに行ったりもしたようですが。)



これ、通常の感覚で言ったら、なにそれひどい、ってことになるんだと思います。



ですが、私は新卒採用にも中途採用にも関わっていますが、これって採用する側からしたら本当に死活問題なんです。



採用って、実はものすごくコストがかかっていて、特に新卒採用では、インターンやったりセミナーやったり、資料作ったりHP作ったり、とんでもない金額がかかっています。


直接的な費用だけでなく、採用担当者やインターン対応の人件費なども合わせたら、大企業では新卒採用1人当たり数千万円の費用がかかるとも言われています。



なので、採用を決めた人に逃げられるって、企業側からしたらめちゃくちゃ痛いんです。



とは言え、だからと言って学生を必要以上に不当に縛ることは避けるべきです。



そこで思うのですが、内定を2種類に分けてしまうというのはどうでしょう。



例えば、


⚫︎ A内定……第一志望の人に入社を確約する内定

⚫︎ B内定……まだ就活を続けたい人向けの内定



などとして、条件や待遇に差を付ければ、疑心暗鬼になった企業が不当に学生に圧力をかけることもなくなるように思えます。



もともと、その企業を第一志望としている学生がめでたく内定をもらったとして、そこでオワハラを受けたとしても、いや行くってば、でしかなく、正直ウザいだけです。


であれば、正式な労働予約契約に近いA内定として、不可抗力以外で学生が内定を蹴ったり企業が内定を破棄したら相応の違約金が発生するようにし、その代わりに就職準備金などの名目で企業から学生にお金を渡したり、無料の研修を受けたり資格取得の補助を行ったりします。



一方で、まだ就活を続けたい学生については、内定は出すものの、B内定として、学生からも企業側からも破棄が可能としておきます。


B内定は、学生からの申し出によりいつでもA内定に切り替えられる一方、企業側はB内定を出した人数とA内定の残り枠を公表して、残り枠が0になったらB内定は無効になるものとします


もちろん、B内定の場合は就職準備金はもらえませんし、資格取得や研修などのメリットも得られません(A内定に切り替えたらもらえます)。



こうすれば、その企業が第一志望の学生が内定をもらったら、オワハラを受けることなく気持ちよく就活を終えられますし、まだ就活を続けたい学生も、オワハラを受けることなく正々堂々と就活を続けられます。



企業側から、B内定でなくA内定にしろと圧力をかける、新たなナイハラ(内定切り替えろハラスメント)が生まれる可能性はありますが、B内定であっても企業側には出すメリットはありますし、学生に対する評価の表れになりますので、学生側からも歓迎されると思います。



A内定の違約金が法的に問題がないかの確認や、問題ある場合の法整備が必要になる可能性はありますが、例えば大学入試では私立大学に入学金を納めた後に国立大学の合格発表があって、国立大学への入学を決めた場合でも、一旦私立大学に納めた入学金は戻ってきませんし、裁判でもそれは入学する権利を保持する対価と解釈されていますので、同じような構造としてワークするような気もします。



(大学に納めた入学金は入学しなかった場合も返還不要です)



どうでしょうか?

どこかの企業でお試しでやってみたりしませんでしょうか?



お読みいただき、ありがとうございました🌿