(写真は記事の内容とは関係ありません。)


マコモ湯界隈ってどうなの?


マコモ湯とやらが一部で流行っているようです。




マコモ湯自体は、医師の方も特に問題が生じるものではないと言っていますし、もしかしたらそれなりに効果もあるのかも知れません。



………


ただ……マコモ菌が雑菌の繁殖を抑えてくれるので、お風呂のお湯1年半替えてません!となると全く話は別です。




にわかには信じられないこの話がバズり、一部界隈では、「◯年間◯◯していません!」という"マコモ湯構文"とやらまでもがネットミームとして登場しているようです。




さてさて、百歩譲って仮に雑菌の繁殖を抑えられたとしても、普通に考えれば垢や汗の成分が溜まっていくので極めて不衛生であると気付きそうなものです。


(記事の中で、菌が菌の繁殖を抑えることはないとの医師や見解が示されていますので、百歩譲る前にアウトですが……)



それにも関わらず、どうしてこんなトンデモ話をドヤ顔で披露してしまう人が出てしまうのでしょうか。


ちょっと考えてみたいと思います。



① 自然由来のものに対する過信


自然由来や発酵と言えば健康に良さそうなイメージがありますね。


ただ、自然界には毒キノコやトリカブトもありますし、発酵と言っても現象としては腐敗と何ら変わりはありません。(人間にとって有用なのが発酵、害なのが腐敗と呼び分けているだけです。)


ですので、自然由来というだけで勝手に体に良さそうなイメージを持つのは危険ですね。



② 巷に蔓延る広告による確証バイアス


「お肌ツルツル」とか「健康になった」とかいう広告を見て信じ込んでしまうと、他の不都合な意見は目に入らなくなってしまいがちです。


もしかすると、どこかで読んだマコモ菌が雑菌の繁殖を抑えてくれるという話を鵜呑みにしてしまって、お風呂が濁っても、とろみが増しても、鼻をつく刺激臭を発しても、大丈夫だと思ってしまったのかも知れません。


都合のいい意見ばかりでなく、そうでない意見も公平に(科学的に)耳を傾ける必要がありますね。



③ 集団心理による共同幻想


マコモ湯を信奉する人々が集まり、「マコモ湯界隈」が形成されると、同調圧力が強まり、マコモ湯に否定的な意見を述べることはタブー視されるようになってきます。


その界隈から弾き出されないようにひたすら同調を続けるうちに、一種の宗教のような様相を呈し始めてしまうかも知れません。


そうなってしまうと、もはや自分で自分を洗脳しているようなものですので、疑うことすらできずに盲信してしまうのでしょう。


それにしても、こういった眉唾モノの健康法、うるう年のように忘れた頃に定期的に登場するのは何ででしょう。


ちょっと前には水素水が体にいいと某ノリカさんが推してましたし、水に超微量の成分を溶かして自己治癒力を高めると説くホメオパシーなるものもありました。


中には、血液を一度取り出し、オゾン処理した上で体内に戻すことでデトックスや美容効果を謳う血液クレンジングなるものまであるそうです。

(ググってみたら、医療機関で普通に施術を受けられるところがあるみたいです。まじっすか。)



これらの健康法を一概に否定するつもりはありません。衛生的に害があるものでなければ、少なくともプラシーボ効果は期待できるでしょうし、本人が効いていると思うのであれば、他人がとやかくいうものでもないと思います。


ただこれっておそらく、ブームを起こしてひと山当てようと目論んでいる人たちが、手を替え品を替えいろんな健康法を提唱してるってのもあると思うんです。



一時のブームに踊らされず、効果に根拠はあるのか、科学的に証明されているのか、自分でしっかりと確認したいですね。



お読みいただき、ありがとうございました🌿



(トンデモ科学についてはこちらの記事にも。)