今回の舛添問題をどう考えたらよいのか。
確かに舛添さんのキャラクターは好きになれません。でも、こんな人民裁判のようなやり方はもうやめたほうがよいと思います。僕なりに舛添批判はありますが、それは政策についてです。
僕の経験では総務委員会は、いわゆる人民裁判、つまり吊るし上げ、です。
舛添さんは都議会自民党の操り人形のようなところがありましたので追及は5時間ぐらいでしたが僕は10時間もずっと立ちっぱなし状態となります。人権蹂躙と言ってよいでしょう。血祭りに上げるのが目的ですから真相解明の場ではありません。僕が額から汗を流していたのは、追い詰められた冷や汗のようにテレビでは映っていましたが、体力の限界だったからです。
僕の場合は、副知事になったときに清水谷公園横に建てる予定だった参議院議員宿舎を潰し、その千代田区選出の都議会のドン内田都連幹事長に恨まれていたので、総務委員会が復讐の舞台にされてしまいました。
札束が鞄に入らない、とやられましたが、あれは発泡スチロールの塊なので初めから入らないことがわかっていて罠に嵌められたわけです。
借用書もホンモノでしたが、偽物と決めつけられ、幾ら説明しても、繰り返し、追求されつづけました。メディアも裏を取らないで偽物と決めつけていましたが、翌年2月、徳田毅氏がホンモノと証言しますが、あの12月の時点では雲隠れしていた。裏を取らずに断定する新聞、テレビ、都議会の前では何も言っても通じません。
100条委員会があるから辞めたわけではなく、このまま平行線でいたら都政は停滞するとの判断でした。僕が辞めてからも、辞めないでほしかったというメールがたくさん送られて来ました。
徳洲会からお金を借りましたが、選挙に際して都議会自民党が協力しないと通告されポスターを誰が貼るのか、というような状態のなかでのことでした。結局、連合が協力してくれ、徳洲会からの借入金は使わずに済んだのです。メディアと都議会は、収賄だと追及しましたが、それはまったくの冤罪なのだが、幾ら説明しても受け入れられません。結局、検察の調べで、通話記録から、徳洲会からの働きかけがなかったことが証明される皮肉な結果となりました。
しかし、借入金を選挙の収支報告書に記載していないとのことで、略式起訴で罰金50万円となりました。
以上、舛添さんの追及場面で、僕の当時の総務委員会の鞄のシーンが映されましたので、あらためて説明したわけです。そして政策の問題が置き去りにされたまま、都知事選の話題が、また上っ面の議論に終わらないことを祈るばかりです。
さらにメディアの問題ですが、舛添さんの公私混同を問うなら、都議会議員の政務調査費の使途を徹底的に情報公開で検証しなければいけません。100万円の給料のほかに60万円の政務調査費を精査すべきでしょう。自民党都議が偉そうにできるのもおかしな話ですからね。