昨夜、『二宮和也が選んだ人生の一本を一夜限りで特別上映』と謳ったシークレットシネマ上映会なる催しが日比谷のTOHOシネマズで開催され、上映前のトークショーを含むその模様が全国のTOHOシネマズで同時生中継されたという。幕があくまでタイトルは「秘密」ということで、いったいどんな映画が上映されるのか大いに興味を惹くところでもあった。例えば自身の出演作『硫黄島からの手紙』とか『母と暮らせば』『ラーゲリより愛を込めて』などだろうか、まさか『8番出口』はないだろうなどと勝手に予想して面白がっていたのだが、当日上映されたのは、なんと2023年の劇団ヨーロッパ企画『リバー、流れないでよ』だった。なんとまあ意表を突いた選出、渋いというかさすがというか、二宮氏の映画センスが光る一本だったといえましょう。この映画、手前味噌ながらその年のマイベストテンで第8位。公開時おおむね不評の目立つ作品だったが、あの傑作『サマータイムマシン・ブルース』のヨーロッパ企画らしい遊び心満載の快作だったと思う。まさに我が意を得たりの二宮氏の名チョイスに大拍手を送りたい。蛇足ではありますが、ここにマイベスト選出時のコメントを再録いたします。
2026.6
再録
2023年マイベストテン日本映画(抜粋)
第8位 リバー、流れないでよ
タイムトラベル映画の傑作『サマータイムマシン・ブルース』や『ドロステのはてで僕ら』など、時折とんでもない傑作を生みだしてきた演劇集団ヨーロッパ企画がまたまた放つトンデモ企画。突然タイムリープに巻き込まれた京都貴船老舗旅館の面々。想定外の出来事に右往左往する人々のあれやこれやの騒動が目まぐるしく展開する。ネタバレ覚悟で言ってしまえば、これまたどこからか出現したタイムマシンの誤作動によるはた迷惑な出来事だったというオチまで、先の読めない面白さが続く。気楽に映画を楽しむ分にはうってつけの快作だ。
2024.1