最近、俺は思うのだが、
アナタが大人になっており、アナタに子供がいる場合、アナタは子供に対し、どう接しているだろうか?
特に俺が今回、言いたいのは、アナタが母親である場合である。
母親は、父親とは違い、妊娠すると十月十日子をお腹に宿し、やがて命を賭けて出産する。
父親も、その子が特に男の子である場合、まるで自分の一部の様に感じると思うが、
母親の場合はそんな気持ちが更に強く、我が子に対して働く、と思う。
だが、
例え自分がお腹を痛めて生んだ我が子で有っても、一旦生まれて仕舞えば、その子は自分では無く、独立した人間である。
其れを忘れ、
アナタは今、子育て、と言う言い訳をして、その子に入れ込み過ぎていないだろうか?
親が、自分の子供に対して、盲目的な程彼らを考えて挙げなければならないのは、彼らが赤ん坊の頃だけ、である。
ある年齢になれば、親があまり子供を気にしなくても、子供は自分で世界を捉え、考え、行動して行く様になる。
子供に一番大切なのは、自分で判断して、行動して行く力を養って行く事である。
俺はいわゆるマザコンで、長く母親に依存して生活していた。
学校に通っている間もそうだったが、社会に出てからも、俺の周囲の人間は敵だらけだった。
彼らは俺に高圧的に接する事で、俺の主張を一方的に封じ込め、俺を自分達の言いなりにしようとして来た。
何処に行っても、殆どの人間が周囲と結託し、俺にそう言う態度を取るのである。
だから益々、俺は学校生活を捨て、社会生活を捨て、仕事を転々として、割合相性のいい、話を良く聞いてくれる、母親に逃げた。
本当は、『このままじゃいけない。彼女を早く作り、その女と独立したい!』と、
強く願っていたのに、である。
長く、求めても、求めても、女は現れなかった。俺は戸惑いながらも、母親に逃げた。
しかしやがて、
長く頼りにし、依存して来た母親が、俺を何とも思っておらず、血の繋がりさえ無いと言う事に、
30歳を過ぎてから、気付く事になるのである。
この時の俺の心理的な衝撃を、アナタは想像出来るだろうか?
その後しばらく、俺は何も信用出来ず、見る物全てが怖くなった。全てが怖かった。
だが、段々、否応なく現実に目を向ける様になった。生きて行く為には、其れしか無かった。
結果として、其れが俺にとってプラスに働いた。俺は過ぎゆく時間と共に、自分を把握し、やがて自分の人生に、勝算を考える様になるのである。
親であるアナタが、もし必要以上に子供に入れ込んでいる、としたら、
本当はアナタが、子供がかわいいから彼らに入れ込んでいるのでは無く、
現実を直視するのが怖いから子育てに逃げているのではないだろうか?
子供は、親とは違う人間である。どんなに親が愛情を注いで育てても、やがて成長し、親元から離れて行くし、
どんなに気を付けていても、交通事故にあったり、病気になったりして、最悪、死んでしまう事もある。
アナタが、もし子育てを生き甲斐にしている、としたら、そんな不測の事態に遭遇した時、その後アナタはどうやって生きて行くのか?
特に母親で、自分の人生に子育てしか無い、と言う人は、出来るだけ早く、アナタが若い内に、
社会を広く見る様にし、現実を受け入れ、自分だけの世界を持つ様に、
俺は、強く、強く、勧めたい、と思う。