エピソード8:足りないピース

 

1.あらすじ

ブラザー・デイは皇帝クレオンの誰ひとりも、かつて挑戦したことのない苦行に挑む。

インビクタスではサルヴァ―が故郷へ戻るため、究極の選択をしていた。

 

2.前回のまとめ

駆逐艦インビクタスの制圧に向けて船内に乗り込むサルヴァ―たち。

犠牲を出しつつも着実に管制室へと近づいていく。

 

その頃ルミナス教団にてー。

皇帝は自らの正当性を主張するため過酷な試練スパイラルに挑む決断をする。

 

また、セルダン博士と再開したガールはー。

レイチがセルダン博士を殺した理由を知る。

互いに言い争いになる中、

ガールは自らの秘められた能力について知るのだったー。

 

 

3.内容【ネタバレ注意】

 場面は、セルダン博士とガールが言い争いをした後から始まる。
彼女は、何度も津波が故郷を押し流す夢を見ていた。
その不安を押し流すため、数学に熱中するガール。
しかし、自分の直感が正しいということに気づいてしまう。
 
彼女には、直感で未来を予知する能力があった。
 
 ガールは博士になぜヘリコンという惑星にレイチを向かわせるよう仕向けたのか?
を問いただす。
彼の目的は、帝国に秘匿された第二ファウンデーションの設立だった。
曰く、第一ファウンデーションは批難の的を集中させるためのものであったと。
 
ガールは、これ以上計画に利用されることを嫌い、
船を降り自分の故郷へと帰ろうとする。
しかし、セルダン博士は計画に必要な存在であるため、なかなか聞き入れてくれない。
ガールは自らの死を賭けにして、やっとのことでセルダン博士のもとを去り、
故郷へと旅立ったー。
 
 ***
 
その頃、駆逐艦インビクタス内にてー。
管制室の制御に向けて、サルヴァ―は館内を進んでいた。
途中システムの妨害にあい、なんども死にかけるも、
やっとの思いで、管制室までたどり着く。
 
管制室の扉の防衛機能を解除するサルヴァ―。
アナクレオンの司令官たちを出し抜き、
ターミナス理事長のルイス=ピレンヌとともに管制室へとたどり着く。
 
次の時空間ジャンプまで20分前とのアナウンス。
 
 急いで管制室の制御に取り掛かる。
どうやらジャンプシップの行き先を決めるために必要な人物が射殺され、
そのせいで操縦が不可能になったとわかる。
 船の制御をするためには誰かが、殺された人物の代わりを努めなければ
ならない。
サルヴァ―は、自分が身代わりになる、と決意する。
 
 しかし彼女が装置へと近づいた瞬間、
アナクレオン司令官たちが管制室へと侵入してくる。
取っ組み合いの乱戦になるサルヴァ―とアナクレオンの司令官ファラ。
 
結局、船を制御しきれずに次なるジャンプが始まってしまうー。
 
 
 
                     ***
 
 
 その頃、ルミナス教団ではー。
皇帝デイがまさに苦行に挑もうとしていた。
170㎞の道のりを食べ物も水もなく、誰の手助けも得ずに神マザーのいる
神聖な場所へと向かう。
その過酷さゆえに、途中で脱落するものが後を絶たない。
 
 長い道のりを歩いている途中、皇帝デイは一人の老人と出会う。
皇帝デイは彼からマザーの子宮と呼ばれる試練の目的地まで至るヒント、
そこで与えられる啓示のこと、などなど様々なことを教えられる。
 
 老人に助けられながら、なんとかマザーの子宮へとたどり着いた皇帝デイ。
見事試練に打ち勝ち、マザーの子宮の泉へと足を踏み入れる。
 
 
 場面は啓示の審査へー。
“塩が動き始め、ゆっくりと渦を巻きながら立ち上がり、花びら3枚が立ち上がった。”
と皇帝デイは報告する。
 審議官は延齢草の神話を持ち出し、クローン制を肯定するのだった。
 
マザーに認められ、皆から祝福される皇帝デイ。
そして、ゼファー・ハリマからも自らの敗北と祝福の言葉をもらう。
 
 
 教団をさるハリマと皇帝のご意見番デマーゼルの2人の場面へー。
ハリマは皇帝に付き従うデマーゼルに、“なぜ皇帝に付き従うのか。”と問う。
デマーゼルは、自らがAIであり、皇帝の命令に従うようプログラムされた存在である
という秘密を打ちかけるのだった。
 自分は作られた存在であり、魂はないというデマーゼルに、
ハリマは優しく、デマーゼルには心があり、マザーの意志で生きよと慰める。
 
そんな彼女に、デマーゼルは痛みのない安らかな死を与えるのだった。
皇帝はデマーゼルにハリマを処罰させたのである。
 
 
無事執行し終えたと報告するデマーゼル。
デマーゼルは、皇帝の受けた啓示が、偶然に・・・も自分の受けた啓示と同じだったこと
について尋ねる。
知らないという皇帝デイに対し、デマーゼルは
  “何も見えないー。そんな空虚さは誰にも望みませんから。”
とだけ、告げて去っていくー。
 
 
そして、トランターへと帰る船にてー。
皇帝は啓示の場面を思い出していた。
必死の思いでたどり着いたマザーの子宮で、何も得らない。 
 
そんな虚しい結末で旅は終わるー。
 
 

4.感想とまとめ

 最後衝撃的でしたね。。。

見事ゼファー・ハリマの台頭を阻止することに成功した皇帝でしたが、、

やはりクローンは自然に反した存在のようですね…。

まだまだ帝国は安泰のようですが、徐々に帝国の崩壊へと近づいているのかも

しれません。

 為政者が自らの過ちをただす未来は来るのでしょうか。

自らの存在意義まで問われてしまえば、クローン制を廃止するのは難しいのかも

しれませんね。

 ここまでセルダン博士の予言通りのことが続いていますが、

懸念があるとすれば、主人公格であるガールとサルヴァ―の存在。

彼女たちの特殊な能力が、セルダン博士の予言する未来をどのように変えてしまうのか。

もしかしたら、帝国が滅亡しない未来もありえるのかもしれません。

 
今後の展開に期待です!!